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2024.03.15

パート薬剤師の社会保険や有給はどうなる?

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自分の希望する曜日・時間で働けるのが魅力のパート薬剤師。原則として異動、転勤、残業がないため、ワークライフバランスもとりやすく、主婦や副業として多くの人に選ばれています。ただし、薬剤師の時給は他職種に比べて高いため、パートでも社会保険に入るケースが多くなります。パート薬剤師として働きたい人は、社会保険に加入したい人と加入したくない人のふたつに分かれるでしょう。では、どうすれば希望通りの働き方ができるのでしょうか。今回は週3〜5日程度働きたい人が社会保険に入れるのか、または入らなくても良いのかを解説します。

また、育児や介護と両立したい方にとっては、有給休暇が取れるかどうかも大事なポイントでしょう。この記事では社会保険加入の有無に加え、パートが有給を取得できるかも解説します。パート薬剤師として働きたい方は、ぜひ参考にしてください。

まずはパートにおける社会保険を確認し、そのあとで有給の基本を見ていきましょう。

社会保険の基本

社会保険とは、厚生年金保険、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険という5つの保険の総称を指します。加入条件には年収や勤務時間などが関係します。パート勤務で大きく関わるのは、厚生年金保険、健康保険の2つになるので、それらを中心に見ていきましょう。

【厚生年金保険】

厚生年金保険とは、日本の社会保障制度のなかで国民年金と並ぶ最も大きな公的年金制度のことです。労働者と企業側が折半で年金保険料を負担することで、将来的に年金を受け取れる仕組みになっています。厚生年金保険は、適用する事業所に勤務する70歳未満の会社員などが対象です。

【健康保険】

健康保険とは、病気やケガなどで病院での支払いが生じた際に保険給付を受けられる公的な医療保険制度のことです。厚生年金保険と同様に、労働者と企業側が保険料を負担し合います。

基本的に法人化している会社は社会保険加入の対象ですが、調剤薬局では法人化していないところもあります。ただし、個人事業主だとしても、5人以上の従業員がいる場合は社会保険加入の対象となります。社会保険に加入しているかどうかは、面接時に確認しておくと良いでしょう。

社会保険の加入条件は年収と勤務時間がポイント

年収が130万円を超えると配偶者や親の扶養から外れるので、勤め先の厚生年金保険、健康保険に加入することになります。年収が130万円未満で配偶者や親が自営業者ではない場合は扶養に入ることができるため、自分で健康保険料や年金保険料を支払う必要はありません。

社会保険の加入条件は年収だけではなく、勤務時間も関係してきます。パートの場合、1週間の所定労働時間または1ヶ月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上であることが条件です。

例えば、正社員の労働時間が週40時間の場合、パートでも30時間以上勤務している必要があります。つまり、1日8時間×週4日(週32時間)や、1日6時間×週5日(週30時間)などが該当します。年収130万円を超える場合は、勤務時間の条件をクリアしているケースがほとんどですが、薬剤師の時給は高時給のため、該当しない可能性があるかもしれません。

健康保険は、厚生年金保険とともに薬局が運営する保険に加入するのが一般的です。薬局が健康保険を運営していない場合は、薬剤師国保に入るケースもあります。年収が130万円を超えていなかったとしても、下記の条件に全て当てはまる場合は年収が106万円を超えると社会保険に加入する必要があります。配偶者または親の扶養内で働きたい人は注意しましょう。

・従業員数が101人以上の企業に勤めている

・週の所定労働時間が20時間以上

・所定内賃金が月額8.8万円以上

・2ヶ月を超えて雇用の見込みがある

・学生でない

複数の店舗を展開しているドラッグストアなどは、従業員数が101人を超えていることが多く、その場合は年収106万円が社会保険加入の基準になります。また、2024年10月以降は、「従業員数が51人以上の企業」に変更になることが決まっています。

週3日〜5日勤務で働いた場合のシミュレーション

地域や職場によって時給は異なりますが、パート薬剤師の全国的な平均時給は約2,200円となっています。ここでは時給を2,200円として計算してみましょう。

週3日×1日8時間×2,200円×4週(1ヶ月)=211,200円(年収253万円程度)

週3日×1日5時間×2,200円×4週(1ヶ月)=132,000円(年収158万円程度)

週3日×1日4時間×2,200円×4週(1ヶ月)=105,600円(年収126万円程度)

週4日×1日8時間×2,200円×4週(1ヶ月)=281,600円(年収337万円程度)

週4日×1日5時間×2,200円×4週(1ヶ月)=176,000円(年収211万円程度)

週4日×1日4時間×2,200円×4週(1ヶ月)=140,800円(年収168万円程度)

週4日×1日3時間×2,200円×4週(1ヶ月)=105,600円(年収126万円程度)

週5日×1日8時間×2,200円×4週(1ヶ月)=352,000円(年収422万円程度)

週5日×1日5時間×2,200円×4週(1ヶ月)=220,000円(年収264万円程度)

週5日×1日4時間×2,200円×4週(1ヶ月)=176,000円(年収211万円程度)

週5日×1日3時間×2,200円×4週(1ヶ月)=132,000円(年収158万円程度)

週5日×1日2時間×2,200円×4週(1ヶ月)=88,000円(年収105万円程度)

週3日勤務の場合、1日5時間働くと130万円を超えて扶養から外れるため、社会保険に加入することになります。週4日勤務の場合は1日4時間、週5日勤務の場合は1日3時間で扶養を外れます。

ただし、上記の計算は1ヶ月を4週として計算しており、時給も2,200円と一定になっています。実際には時間帯や休日などの違いによって時給が変動することもあるため、自分の勤務内容に合わせて計算するようにしましょう。また、106万円で社会保険に加入が必要になる職場もあるため、その場合は早い段階で社会保険に加入できます。一方で、扶養内で働きたい人は働く時間が少なくなる可能性が高いでしょう。

社会保険に加入するメリット

社会保険に加入すると自分で社会保険料を負担しなければならないため、一時的に手取りが減少する可能性があります。ただし、社会保険に加入することで、ケガや病気をした際に支給される傷病手当金や亡くなったときに支給される遺族年金、産前産後休暇取得時に支給される出産手当金など充実した保障を受けられます。また、厚生年金に加入すれば、将来受け取る年金額を増やすことも可能です。

また、金銭面以外のメリットもあります。例えば、働く時間を増やすことでスキルが身につき、キャリアアップも実現しやすくなるなどです。薬剤師としてのキャリアを優先するなら、年収の壁を意識せずに働くと良いでしょう。

配偶者や親の扶養内で働きたい場合は、時給や働く時間の調整が必要です。そのため、勤務調整を行う人が多く、人手不足につながることを懸念した国は、2023年10月に年収の壁・支援強化パッケージを発表しました。106万円の壁を超える従業員に対し、社会保険料を企業が負担するなど、手取りを減らさない取り組みをした企業に対し支援金を支給しています。さらに、2025年度末までは収入が一時的に130万円以上になっても扶養と認定されるようになっています。このような国の取り組みを最大限に利用し、収入を減らさない選択をするのもおすすめです。

年次有給休暇の取得条件の基本

パートでも条件を満たせば、年次有給休暇を取得することができます。年次有給休暇とは有給とも呼ばれており、心身をリフレッシュさせる目的で設置されました。有給は取得しても収入が減らない休暇のことですが、正社員の特権だと思っている人もいるかもしれません。しかし、有給が付与される条件は正社員もパートも同じで、以下の2点になります。

・雇い入れの日から6ヶ月経過していること

・その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

つまり、働き始めてから6ヶ月の間は有給が発生しないため、休むと欠勤になってしまい収入が減ってしまいます。また、6ヶ月を経過しても、所定の8割以上働いていない場合は、有給は付与されないので注意しましょう。

年次有給休暇の付与日数

次に、有給の付与日数について見ていきましょう。有給は働いた日数に応じて与えられるため、パートの場合は週・年間の労働日数、継続勤務期間によって有給休暇の付与日数が異なります。

付与日数は以下のとおりです。

【通常の労働者】

通常の労働者

【週所定労働日数が4日以下かつ3時間未満の労働者】

例えば、週4日、1年間に 169日~216日働き、そのうちの8割以上を出勤していれば、6ヶ月後に7日、1年半後に8日が付与されます。週に3日、1年間に121〜168日働き、8割以上を出勤していれば、6ヶ月後に5日、1年半後に6日が付与されます。このように、週所定労働日数が少なければ少ないだけ、付与される有給も少なくなるのです。

有給は付与されてからの1年間で消化できなかった場合、残日数を翌年に繰り越すことができます。労働基準法によって、付与されてから2年間が取得可能と定められています。

また、企業によっては、半休や時間単位の有給休暇を取得できるようになっています。ただし、それらの休暇制度があるかどうかは企業によって異なるため、該当の制度が導入されているか確認しておくと良いでしょう。

週の所定労働日数が決まっていない場合

パートの有給は週・年間の労働日数と継続勤務期間をもとに計算されますが、週の所定労働日数が決まっていない働き方の場合もあるでしょう。その場合は6ヶ月の労働日数を2倍した日数が何日か、または前年の労働日数が何日かによって付与日数が定められる可能性があります。入社から半年の間に100日働いた場合、1年間に200日働くと仮定されるため、半年後の付与日数は7日になるなどです。

年次有給休暇に関する注意点

有給は会社によって付与するスケジュールが異なります。基本的には入社から6ヶ月後が基準日になりますが、中途入社の従業員が多い場合、全従業員の基準日を特定の日に定めるケースがあります。そのため、働く職場の基準日がどのように定められているか確認しておくと安心です。

また、特別な事情がない限り、企業は有給休暇の取得時期を変更させることはできません。ただし、事業の運営に支障が出る場合は休暇日の変更を求められる可能性があり、自分の希望日に必ず有給が使えるとは限りません。

有給は労働者の権利であり、休むための理由は必要なく自由に使えるのが特徴ですが、事前に申請して承認を得ることが求められます。

年次有給休暇以外の休暇

職場によっては、年次有給休暇以外の休暇を設けている場合があります。それらは特別休暇や代休と呼ばれており、病気休暇、慶弔休暇、介護休暇などが当てはまります。これは働く人が特定の理由で仕事を休める制度ですが、法律で定められているわけではなく企業独自のものになり、各企業の就業規則で規定されているものです。そのため、職場によって異なります。

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パートで働く場合、扶養を超えて働きたい、扶養内に収めたいなど、一人ひとりの希望も違うはず。どのような内容でも良いので、遠慮なくお伝えください。キャリアアドバイザーが年収をシミュレーションして、最適な職場を紹介します。

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