Last Updated on 2022年3月9日
仕事中、もしくはプライベートでも人間関係での悩みがあるという方はたくさんいらっしゃると思います。
薬剤師さんの中でも、人間関係に悩む方は少なくありません。
アプロ・ドットコムにご相談いただいた薬剤師さんに退職理由を聞き、回答を集計しました。
その結果、職場の人間関係(上司・同僚)が最も多く、次いで労働時間・環境が不満、家庭の事情(転勤や介護)、仕事内容が面白くないというデータになりました。
特に、パート薬剤師さんは正社員との人間関係に悩むことが多いということが、このアンケートの結果から分かりました。
そこで今回は、人間関係の悩みがあるパート薬剤師さんへ職場での人間関係を良くする行動をご紹介します。
薬剤師の悩みの種「人間関係」
先ほどご紹介したアンケート結果をもう少し詳しく見ていきましょう。
すると、職場での人間関係が原因で退職を考えるようになった人の割合はなんと全体の52.3%だったのです。
つまり、少なくとも半数以上の薬剤師さんが人間関係の悩みを抱えていたことが分かりました。
人間関係の悩みの例として、正社員がパート薬剤師を見下したり、疎ましく思ったりするケースが多く見られます。
また、調剤薬局やドラッグストアだと、一店舗あたりの人数が少なく「狭い」人間関係であることや、薬局という限られた空間内で仕事をしなければいけないことが影響していると想像できます。
先ほどの52.3%というのは全雇用形態でのアンケート結果ですが、パート薬剤師さんに絞って考えると、70%の方が正社員との人間関係に悩みを抱えているという結果が出ました。
具体的にどのようなことで悩んでいますかと、パート薬剤師さんに質問し管理ました。
すると、管理薬剤師や薬局長に
「契約通りのシフトを申請したら嫌味を言われた」
「残業の依頼を断ったら嫌味を言われた」
「土日に勤務できないことを怒られた」
というような回答が目立ちました。
この回答内容だけを見ると、「ひどい薬局だな・・・」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、あなたの普段の何気ない行動を薬局長や管薬さん側から見たらどうでしょうか?
嫌味を言われても仕方ないと思うような、行動や言動はしていないでしょうか?
自分が「職場にいやすい」環境を作るため、人間関係の悩みをなくすために、まずは自分の普段の行動・言動をチェックしていきましょう。
無意識に「嫌われる行動」をしていませんか?
休みとシフト
パート薬剤師さんを採用している時点で、薬局長や正社員の方は
「お子さんのお迎えがあるから残業はできないんだな」
「もしかしたら急な休みがあるかもしれない」
「シフト変更があるかもしれない」
ということを、ある程度は理解しているケースが多いです。
ですので、急なシフト変更やお休みの申請をしてはいけないわけではありません。
しかし、社員さんやほかのパート薬剤師さんのことを何も考えずに、シフト変更をするのはNGです。
ここでいうNGというのは、相手の都合を考えずに、自分の休み希望だけを押し通そうとするということです。
もしあなたがシフトを作る側だったとしましょう。
休みについての申請や要求は多いのに、こちらから「この日代わりに出てくれない?」というお願いには、「無理です」と言ってくるようなパート薬剤師がいたらどのように思うでしょうか?
おそらく、「いつも定時で帰っているんだからたまには協力してよ」「お店のこと少しは考えてよ」と思うのではないでしょうか?
自分の意見(休みの希望)だけをを通そうとすると、「わがままだ」「自分勝手な人だ」という印象を持たれかねません。
急用でシフトを変更してもらいたい場合は、まずは自分のシフトを代わってくれる人を探してみましょう。
もし代わってくれる人がいない場合でも、「探したがいなかった」ということを伝えるのが大事です。
もし代わりに出勤してくれる人がいなかった場合、
「●日休ませてもらえませんか?代わりに△日か□日出ます。」と、代替案を伝えるようにしましょう。
このときポイントになるのが自分から提案するということです。
お願いの本質は「交渉」です。
交渉とは、「●●と〇〇を交換しませんか?」と交換を提案することです。
「●●と〇〇を交換しませんか?」というスタンスで、自分が貢献できる条件を用意しておくことが大切です。
残業
家事や育児で忙しいパート薬剤師さんが、残業の依頼を断ること自体は全く問題ではありません。
ではなぜ、残業できないと断ったら嫌味を言われてしまうことがあるのでしょうか。
あなたは「明日30分残業できない?」と言われたときにその場で「できません」と断っていませんか?
実は、この「すぐに断る」という行動で人間関係が悪化してしまっている可能性があります。
頼まれごとを断るときのポイントは「努力する姿勢を見せる」ということ。
「明日は予定があるので難しいかもしれませんが、変更できないか調整してみます。いつまでに返事をすればよいですか?」というように、相手を気遣うような一言を添えてみましょう。
お子さんの送り迎えや家事で忙しいパート薬剤師さんに、残業をお願いするのは気が引けるものです。
相手がどんな気持ちで依頼しているのかを考えられると良いですね。
職場批判
同僚の薬剤師さんと話していた時に、ふとしたことから職場の悪い部分が話題にあがってしまったり、悪口で盛り上がったという経験をお持ちの方は多いと思います。
以前いた職場と比較してしまったり、職場の悪いところに目が行ってしまったりするのは仕方がないことです。
職場批判の最も怖いところは、自分ではない第三者から自分の言ったことが伝わってしまうという点にあります。
自分の評価を「私はあなたのことをこう思う」と言われるよりも、「〇〇さんがあなたのことをこう言っていたよ」と言われる方が重みを感じますよね
このように、人づてで評価を聞くと、直接言われるよりも重みを感じてしまうものです。
自分が言ったニュアンスとは全く違った意味合いで相手に伝わってしまう可能性があるというのも怖い部分です。
この場合は、「(職場が)こうなれば良いですよね」とポジティブな発言をするのがポイントです。
また、「〇〇はもっと効率化できると思う」というような改善案を提案するのも良いでしょう。
同僚批判
同僚の批判ばかりする人や、不満に同調するよう求めてくる人への対応は難しく、「どう対応すれば良いのか」と悩みに感じる人もたくさんいらっしゃると思います。
批判をしている人のご機嫌を取るために共感するのも違う気がするし、かといって真っ向から「そんなことないですよ。」と反論したら角が立ってしまって、今度は自分が悪口を言われるのではないかと思ってしまいますよね。
「同僚批判」と先述した「職場批判」は似ている部分があります。
しかし、この二つの最も大きな違いは、同僚批判は改善案を出すことができないという点にあります。
この場合は、話のテーマを人格ではなく行動にして話しましょう。
たとえば、「さっきの●●さんの行動見た?あれって、●●さんの無責任さが表れているよね」という批判があったとします。
そんな時は、「もしかしたら自分も同じ対応しているかも・・・あの場合ってどう対応するのが良かったんですか?」といった形で応じましょう。
「無責任さ」という人柄から「どう対応すべきか」という行動に話題を変えて話しましょう。
悪口や愚痴などのネガティブなことを話し出すとついつい止まらなくなってしまいがちです。
ネガティブな話題はポジティブに変換することを意識してみてくださいね。
家庭やプライベートの話
休憩中や退勤後に、家庭やプライベートの話をするという方も多いと思います。
薬剤師さんは男性よりも女性の方が多く、女性の多い職場では特に、同僚同士で家庭の話をすることが多いようです。
誰のことも批判していないのに、なぜプライベートの話をすることが「嫌われる行動」になるのでしょうか?
それは、家庭やプライベートの話は繊細に話題だからです。
例えば、よくありがちな「うちの旦那なんて全然家事を手伝ってくれないんですよ。休みの日にほんのちょっと洗濯物を干すぐらいですよ」というような会話。
もしかしたら、「休みの日にほんのちょっと洗濯物を干すぐらい」もしてくれない旦那さんを持つ同僚がいるかもしれません。
言った側は、嫌味のつもりは全くなく、冗談のつもりで言ったとしても、言われた側がそう捉えてくれるとは限りません。
もしかしたら、「自慢話なんかしちゃって」と思われているかもしれません。
旦那さんやお子さんの話は些細なことでも幸せアピールと捉えられてしまう可能性が高いということを認識しておきましょう。
以上を踏まえて、「家庭の話題をする=自宅に招く」というイメージを持っておくようにしましょう。
自宅に呼べるような関係性でない同僚とは家庭の話をしないのがベストです。
反対に自分から根掘り葉掘り同僚の家庭の話を聞くのもNGです。
自分は思っていなくても相手が不快に感じてしまう可能性があります。
働きやすい職場にするにはあなたの努力が必要
人間関係に悩んでいるパート薬剤師さんの参考になれば幸いです。
どうしても人間関係が悪くて耐えられない、コラムに書いてある方法を試しても改善しそうにないという場合は、ぜひアプロ・ドットコムにご相談ください。
一人ひとりに合った親身な姿勢で、あなたのお悩みや不安をお聞きします。
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