薬剤師が知っておくべき2つの「在宅業務」について

Last Updated on 2021年12月20日

施設の部屋の写真

厚生労働省の方針で「対物業務から対人業務へ」という方向性が示されている中、在宅医療が推進されているということは、多くの薬剤師さんがご存知だと思います。

そうした中で、薬剤師さんの業務も今後大きく変わっていくことが予測されます。
実際に、薬局さんの中でも在宅業務を始める店舗が増えてきており、それに伴って在宅業務の求人も増加しつつあります。

お薬手帳の写真

患者さんのもとへ訪問する在宅業務といっても、「個人宅への訪問」と「施設への訪問」の2つがあることはご存知でしたか?
「在宅業務」と聞くと、なんとなく個人宅をイメージしている薬剤師さんが多いのではないでしょうか。

しかし、個人宅と施設の両方の実態を正確に把握しておかないと、

「思っていたものと違う」
「自分のやりたい仕事ができない」
「薬剤師としてのやりがいが得られない」ということになりかねません。

では、個人宅訪問と施設訪問では、どのような違いがあるのでしょうか?その違いを詳しく見ていきましょう。

そもそも薬剤師の在宅業務とは?

錠剤で作った?マーク

自宅や施設での病気の治療・療養を行うのが在宅医療ですが、どのように在宅医療に関わるのでしょうか。

在宅業務に携わる薬剤師さんは
患者さんのいる個人宅もしくは施設を訪問して、
患者さんの抱えている服薬に関するお悩みや不安を解消したり、
お薬を届けたりしています。

複数の薬を服用している患者さんも多く、飲み合わせが不安、薬の整理がしにくいなどの悩みを抱えている方がたくさんいます。

そのような患者さんに対して、不安を解消できるように分かりやすく説明したり、薬の整理方法を考えたりすることで、患者さんの負担やストレス軽減に貢献します。

主な業務は、個人在訪問も施設訪問でも大きな違いはありません。

では、この二つの違いはどこにあるのでしょうか。
大きな違いは「訪問したときに誰とコミュニケーションをとるか」ということです。

個人在宅のポイント

マンションの部屋の写真

患者さんの個人宅を訪問する「個人在宅」では、下記のような特徴があります。

・患者さんや患者さんの家族と直接話す。
・ケアマネジャーが患者さんやその家族と相談しながらケアプランを作成するのと同じように、薬剤師が薬を通して患者さん・その家族と直接付き合う。
・医療従事者ではない一般の方との関わりができるため、やりがいを感じる。
・ただし、その反面、手間もかかる。

施設在宅のポイント

処方箋と薬の写真

特別養老老人ホームや有料老人ホーム、グループホーム等などを訪問する「施設在宅」では以下のような特徴があります。

・施設の管理者や担当者と話すケースが多い。
例えばグループホームの場合、ご利用者が認知症の方ばかりのため、施設の職員としか話さないということもある。
・収益や運営のことを考えると、薬局経営者側からすれば施設の方がやりやすい。(施設の方が個人宅よりも効率が良いため。)

「施設」に関わる業務ならほかにも・・・

薬棚の前に立つ白衣の女性の写真

介護老人保健施設(老健施設)に関わる業務として、これらの施設に常駐し、施設内で薬剤師として働くという方法もあります。

老健施設で働く場合、主な業務は調剤業務を内部で行っているか、外部で行っているかで異なります。

調剤業務を内部で行っている場合は、医師が入居者に処方した薬の調剤・監査を行います。

調剤業務を外部に委託している場合は、調剤済みの薬が届いたらその薬を監査し、配薬カートに詰める作業がメインになります。

施設訪問をする薬剤師さんは、施設の担当者と入居者の方のお薬の効果を確認したり服薬指導をしたりする業務、
施設常駐の薬剤師さんは、入居者の方に処方された薬の調剤・監査を行う業務がメインになります。

在宅業務チェックポイント

チェックボックスの写真

ご紹介したように、個人宅と施設では在宅業務自体に大きな違いはありませんが、訪問先で誰と関わるかに大きな違いがあります。

「自分はどうして携わりたいのか」
「やりがいになる部分はどこなのか」
などをしっかり考えて、求人を探してみてくださいね。

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