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薬剤師の仕事・キャリア
2025.05.06
派遣薬剤師が長く働けるようになるために必要なこと

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派遣社員の働き方を思い浮かべた時に、長期で働くことが想像できないという人もいるかもしれません。派遣薬剤師の働き方に興味があるけれど、長く働けないならやめようと思っている人もいるかもしれません。しかし、「派遣=短期間の契約」というイメージがある方のなかで、ルールと実態をご存じの方はさほど多くないのではないでしょうか。
今回は、派遣薬剤師として長く働くために必要なことと、長く働ける人材になるためのスキル、長く働くための派遣会社の選び方などをわかりやすく紹介します。
目次
派遣薬剤師が同じ職場で働ける期間には限りがある
正社員とは異なり、派遣薬剤師は有期雇用契約を結びます。そのため、契約が数ヶ月単位で終了することも多く、その後は別の職場に派遣されます。もちろん、派遣先との合意があれば再度契約更新できますが、同じ職場で働く期間は法律によって最長3年までと決まっているため、ずっと働き続けることはできません。
3年を長いと感じるのか短いと感じるのかは人それぞれですが、正社員のように無期雇用で働きたい人には短く感じられるのかもしれません。とはいえ、職場を変更すれば、派遣薬剤師として働き続けることはできます。また、派遣でない働き方に変更すれば、同じ職場でも長く働ける可能性があります。
なお、派遣法の3年ルールには例外があります。
・派遣会社と無期雇用の契約を結んでいる
・産休・育休・介護休暇の代替派遣として従事する
・有期プロジェクトに従事する
・日数が限定された業務に従事する
・60歳以上の場合
以上に該当する場合は派遣会社に相談してみましょう。
派遣薬剤師として長く働くために必要なこと
ここからは、派遣薬剤師として長く働くために必要なことを3つ紹介します。
ニーズの高いスキルを身につけておく
多くの人が「派遣薬剤師はスキルアップできない…」と思っているようです。しかし、それは事実ではありません。実際は派遣先の勉強会に参加したり、研修制度を利用したりすることで、十分にスキルアップできます。
例えば、調剤報酬上有利で、薬剤師の重要なスキルのひとつに「かかりつけ薬剤師」の経験があります。派遣薬剤師は同じ職場で働ける期間が限られているので、かかりつけ薬剤師になるのは難しいでしょう。しかし、地道にスキルを積み重ねれば、将来的なキャリアアップも不可能ではありません。また、他の職場に派遣される際に有利に働く可能性が高まります。
業務や希望条件を緩くする
派遣薬剤師は契約が終了すると、派遣会社に次の仕事を紹介してもらいます。もちろん派遣先から契約更新をしてもらえるケースもありますが、業績悪化や経営不振によって途中で契約を打ち切られることも。派遣を終了した後に次の仕事が見つからなければ収入がなくなってしまいます。収入がなくなってから焦ることのないよう、派遣薬剤師として働きながら、次の職場選びについても慎重に考えておくことが大切です。
あまりに高い時給を求めたり、特定のエリア、特定の業務を希望したりすると次の職場が見つかりにくくなることも。薬剤師は人手不足の傾向にあるため、厳しい条件を出さなければ新しい仕事も見つかりやすい傾向です。仕事が見つからない場合は条件を緩めてみましょう。
紹介予定派遣などで正社員を経験しておく
雇用形態にこだわっておらず、ずっと同じ職場で働きたい場合は、「紹介予定派遣」を利用するのもおすすめです。紹介予定派遣は派遣として最長6ヶ月間勤務し、双方が合意することで直接雇用に切り替えられる派遣契約です。直接雇用に切り替えてもらえば、その職場で長く働くことができます。ただし、直接雇用=正社員というわけではなく、契約社員やパートの場合もあります。必ず求人の詳細を確認してください。
正社員になった場合、その経験は今後のキャリアで有利に働くでしょう。将来また派遣薬剤師に戻りたいと思った場合にも正社員で培った経験やスキルは役立つに違いありません。
長く働ける人材になるために必要なスキル
長く働くために必要なことのひとつに、「ニーズの高いスキルを身につけておく」がありましたが、ここでは具体的にどんなスキルが必要なのかを見ていきましょう。
パソコンスキル
未経験や第二新卒での募集、特定の職種を除くと、社会人として働いた経験やスキルを求められます。それは派遣社員だけではなく、将来的に正社員になるためにも求められるでしょう。そのため、WordやExcelなどのパソコンの基本操作ができるようになっておくと良いでしょう。
薬剤師はカルテや薬剤情報の作成、薬剤管理指導記録などのデータ管理・書類の作成を行います。専用の業務支援ソフトを使用することが多いですが、使いこなすためにはタイピングやマウスの操作など基本的な操作が必要になります。
社会人としてのマナー
派遣社員だとしてもビジネスマナーが求められます。社会人として最低限のビジネスマナーは身につけておきたいもの。また、社会人としてルールを守るのもマナーといえるでしょう。無断欠勤は絶対にしないようにしましょう。遅刻など時間にルーズな人もまわりに迷惑をかけるので印象が悪くなる可能性があります。派遣会社と決めた労働時間、就業に関する条件などは必ず守るようにしましょう。
コミュニケーション力
実は知識やスキルよりもコミュニケーション力が重視される会社も多いもの。コミュニケーション力は、どのような雇用形態で働くとしても求められる能力です。たとえ専門知識やスキルが足りなかったとしても、コミュニケーション力があって人とうまく関われるならカバーできることも多いでしょう。
未熟な面があったとしても、伸びしろがあると考えてもらえる場合もあります。特に派遣薬剤師は投薬を担当することが多く、患者様とのコミュニケーションをとる機会が豊富にあります。
専門的なスキル
薬剤師の勤務地は調剤薬局やドラッグストアなどさまざまで、働く場所によって求められるスキルが異なります。調剤薬局の場合は服薬指導の業務が多い傾向ですが、在宅医療に特化した薬局では調剤がメインになることもあります。
一方で、ドラッグストアの場合は一般的な調剤業務のほか、OTC販売の接客も行います。働き出してから想像と違うスキルを求められるとプレッシャーを感じてしまう可能性があります。そのため、派遣会社には自分のスキルや経験をしっかりと伝えておくと安心です。その際、スキルのレベルを伝えるのも忘れないようにしましょう。
即戦力として働けるスキルがあれば、高く評価されます。狙っている分野がある場合は、必要なスキルについて学んだり資格を取ったりしておくのもおすすめです。
派遣会社で長く働く方法
現在派遣として働いている場合は、3年ルールに従わなければなりません。ここからは、そのうえで「3年以上働きたい」という人への対策を紹介します。
部署を変えてもらう
3年ルールは「同じ派遣先企業の同じ部署またはチームで働いた場合」に適用されます。つまり、部署を変えれば3年ルールは適用されません。同じ派遣先企業で働けますが、部署やチームが変わるため仕事内容は今までと異なる可能性があります。
無期雇用派遣に切り替える
派遣会社に相談して「無期雇用派遣」になると、同じ部署で働き続けることができます。無期雇用派遣とは「常用型派遣」のことで、派遣会社に常用雇用されているスタッフを派遣する方法です。
常用型派遣では派遣会社と派遣スタッフが無期限の雇用契約を結んでおり、派遣先がなくて働かない期間も給与が支払われます。常用型派遣は登録型派遣とは違い、3年ルールが適用されません。そのため3年を超えて同じ企業、同じ部署ではたらき続けられるのです。
クーリング期間を入れて働く
派遣の3年ルールでは、3年働いたのちに働かない期間、いわゆる「クーリング期間」を挟むとリセットされます。クーリング期間は3ヵ月と1日になっています。クーリング期間は同じ職場で働けないため空白が生まれてしまいますが、短期派遣やスキルアップの期間として過ごすのもひとつの方法です。
長く働くためには派遣会社選びも重要
派遣会社ならどこでも同じだろうと適当に選んでいませんか。仕事の紹介や求人内容、サポート体制は、派遣会社によって異なるので注意しましょう。
派遣会社選びを間違えると、条件に合う仕事が見つからなくて働けなかったり、適切なサポートが受けられなかったりすることもあります。そうならないために、信頼できる派遣会社を選びましょう。ここからは、派遣会社の選び方を紹介します。
薬剤師の求人数が多い派遣会社を選ぶ
派遣会社を選ぶ際の大きなポイントのひとつは求人の量です。派遣薬剤師は派遣先との契約終了後に次の職場を探してもらわなければなりません。そのため、求人数が多ければ多いほど、高待遇求人、自分の条件に合う求人に出会える可能性が高まるでしょう。また、事情によって働き方を変えたい場合に対処してもらえます。
紹介実績が多い派遣会社を選ぶ
派遣会社の紹介実績の多さも重要なポイントです。多数の紹介実績があり、派遣会社が実態を知っていれば、仕事量や忙しさ、人間関係、職場の雰囲気など、さまざまなことを事前に確認できます。また、実績が多く交渉力が高い派遣会社は、給料や勤務時間などの交渉のノウハウもあるので、希望条件が通りやすい傾向です。
派遣先企業の情報を提供してくれる
派遣先企業について調べようとしても、自分ひとりで調べられる量には限りがあります。派遣先企業の情報をしっかり提供してくれる派遣会社を選べば、働く前に派遣先の内情がわかって安心できます。もちろん、受け身になるのではなく、わからない点、気になる点は自分からどんどん聞いてみましょう。
派遣薬剤師の研修やサポートがある
派遣薬剤師として働きたい人のなかにはブランクなどがあり、即戦力になれないと感じている人もいるでしょう。その場合、薬剤師に特化した研修やサポートのある派遣会社を選びたいですね。派遣会社によっては、eラーニングや認定薬剤師資格取得に特化した教育研修制度、スキルアップ講座が受講できるなど、サポート体制を整えています。
サポート体制は会社によって異なるので、自分が利用したいサービスがあるところを選ぶようにしましょう。派遣薬剤師として働くうえでのノウハウがあり、心得などの事前研修も整っているところなら、派遣社員として働くのが初めてでも安心して仕事に臨めます。
また、働き出してからのケアが充実しているかどうかも確認しておきましょう。何かトラブルがあった際に解決に導いてくれる派遣会社なら長く働くことができます。
視点を変えればメリットもある
今まで派遣薬剤師として長く働くために必要なことを解説してきました。しかし、視点を変えれば、短期契約で働くことにもメリットがあります。
人間関係での悩みが減る
同じ職場でずっと働かないということは、人間関係で煩わしい思いをしなくてよいということ。同僚や上司など社内の人と人間関係のトラブルがあっても、ずっと働き続けるわけではないため割り切ることができます。
いろいろな職場を経験できる
さまざまな企業で働くことになるため、いろいろな経験ができるのもメリットのひとつです。経験やスキルを積めるのはもちろん、自分に合う仕事は何か、将来的に自分のやりたい仕事は何かを見つけやすくなります。
希望の期間を設定できる
短期契約の場合、「子どもの学校がある期間だけ」「海外留学へ行くまでの半年間」など、自分の状況に合わせて期間を設定できるため、自分の希望した期間だけ働くことができます。
ブランクがあっても働ける
「子育てで仕事を離れていた」など以前薬剤師として働いていてブランクがある人なども、派遣薬剤師としてなら働くことができます。
派遣薬剤師として働くなら「アプロ・ドットコム」がおすすめ!
基本的に派遣薬剤師は期間限定の雇用契約です。そのため、働いている間に将来のことを考え、長く働ける人材になっておくことが大切です。スキルを身につけたり、求人をチェックしたりするなどで、就職・転職の際に慌てることのないように準備しておきましょう。
「アプロ・ドットコム」は薬剤師専門の転職サポートで25年以上の実績を誇っており、多数の求人を用意しています。正社員・契約社員、パート・アルバイト、派遣・単発派遣と、全ての雇用形態に対応しており、まずは派遣で働き、将来的に正社員の仕事を探すことも可能です。
アプロ・ドットコムは派遣薬剤師や正社員として働きたい方のための相談を受け付けています。それだけではなく、薬剤師派遣で就業される方に、eラーニングをはじめとした教育・研修体制も用意。派遣薬剤師であってもスキルアップが可能であり、将来に備えることができます。薬剤師として今後も長く働いていきたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。