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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。

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2025.01.10

薬局業界の動向と薬剤師の求人トレンド【2025年・派遣・パート編】

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薬剤師には正社員、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員など、いくつかの雇用形態があります。また、調剤薬局やドラッグストアなど、さまざまな職場があるため、働き方を選ぶこともできます。前回は、薬局業界の動向と求人トレンド「正社員編」を紹介しました。

今回は、派遣薬剤師やパート薬剤師について解説します。派遣やパートの働き方に興味がある方、求人の状況を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

派遣薬剤師とパート薬剤師の違い

派遣薬剤師とパート薬剤師の動向や求人トレンドに解説する前に、まずは両者の違いを見ていきましょう。

・雇用形態

派遣薬剤師とパート薬剤師は雇用形態が異なります。 派遣薬剤師は派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社に紹介してもらった派遣先で働きます。雇用主は派遣会社であり、給与は派遣会社が支払います。一度きりの単発派遣から数カ月単位などの期間を定めた有期派遣などさまざまな働き方があるのが特徴です。一方、パート薬剤師は就業先の企業に直接雇用され、就業先が給与を支払います。長期雇用を前提としていることが多く、週1~5日の間で勤務します。

・契約期間

派遣薬剤師は終了期間が決まっている「有期雇用契約」になります。 基本的に、同じ派遣先で勤務できるのは最長で3年。2~3ヶ月の短期の契約も多い傾向です。ただし、派遣法のいわゆる「3年ルール」は、以下の場合は例外となります。

・派遣会社と無期雇用の契約を結んでいる場合

・産休・育休・介護休暇の代替派遣として従事する場合

・有期プロジェクトに従事する場合

・日数が限定された業務に従事する場合

・60歳以上の場合

パート薬剤師は有期雇用契約と無期雇用契約のどちらも存在しており、契約内容は会社によって異なります。

・時給

派遣薬剤師とパート薬剤師の大きな違いは時給です。派遣薬剤師の求人はパート薬剤師に比べて高時給に設定されています。パート薬剤師の時給は2,000円程度が相場ですが、派遣薬剤師の相場は時給3,000円程度です。特に病気が多くなる冬などの繁忙期は薬剤師が不足するため、その時期だけ働ける派遣社員の時給が高くなりやすいでしょう。

・福利厚生

派遣薬剤師とパート薬剤師では福利厚生も異なります。派遣薬剤師は派遣会社の社員であるため、派遣会社の福利厚生を受けます。派遣先の福利厚生制度は対象外ですが、大手派遣会社なら充実した福利厚生を用意しているケースもあります。

一方で、パート薬剤師は就業先の企業に直接雇用されるため、就業先の福利厚生制度が適用されます。大手ドラッグストアや調剤チェーンでは充実した福利厚生が期待できますが、個人薬局や小規模チェーンでは福利厚生が整っていないこともあります。

・人間関係

派遣薬剤師は定期的に派遣先が変わるため、固定された人間関係に縛られにくいです。人間関係のトラブルが起こった場合も派遣会社が間に入って解決してくれるため、自分で解決する労力がかかりません。

パート薬剤師は直接雇用のため、基本的には同じ職場で働き続けます。異動や転勤もないことが多いため、同じ人間関係で協力していく必要があります。そのため、人間関係を良好に保つために残業を断れない、休みづらいといったことが発生する可能性もあります。

派遣薬剤師やパート薬剤師の職場

正社員と同じように、パート薬剤師には働く職場に制限がありません。採用されれば、調剤薬局やドラッグストア、病院、クリニックなど、自分の好きな職場で働けます。一方で、病院やクリニックなどの医療機関へ薬剤師を派遣することは法律で禁止されているため、派遣薬剤師は調剤薬局やドラッグストアで働くのが一般的です。また、管理薬剤師としての派遣も認められていません。 

ただし、直接雇用を前提とした「紹介予定派遣」や「産休代替派遣」は、病院やクリニックへの派遣が可能です 。地域によっては「へき地派遣」という特例制度もあります。派遣社員として病院やクリニックを希望する場合は、一度派遣会社へ相談してみましょう。

派遣薬剤師・パート薬剤師の求人トレンド

ここからは、今後の派遣薬剤師やパート薬剤師の求人がどうなっていくのかを解説します。

・今後も需要が見込める

「派遣やパートの仕事がなくなるのでは?」と不安に思っている方もいるかもしれません。しかし、ドラッグストアや地方などでは薬剤師不足が深刻なので、今後も派遣薬剤師やパート薬剤師の需要の高さは続くでしょう。ほかの職業と比べると、薬剤師は派遣の仕事を続け、60歳くらいからパート・アルバイトへ転職することも不可能ではありません。

・単発派遣や単発バイトのニーズも増加

薬剤師が足りなくて困った時に派遣やパートを募集する動きは、今後も続く可能性が高いでしょう。薬剤師は女性の就業が多く、ライフスタイルの変化によってフルタイムでは働き続けられない人も多いもの。そのため、急に薬剤師が必要になることも多いのです。

また、ママ薬剤師は土日休み、17時までの時短勤務などを希望する人が多いため、早朝や深夜、休日の薬剤師が不足しており、短時間でも働ける人は今後も求められるでしょう。

派遣薬剤師・パート薬剤師の動向とメリット・デメリット

ここでは、薬局業界における派遣薬剤師やパート薬剤師の現状と、働き方やキャリアに関するメリット・デメリットを見ていきましょう。

・派遣薬剤師の年収は高い

派遣薬剤師の平均時給はおよそ2,500円~3,000円です。時給が2,500円で一日8時間、月20日勤務した場合、年収は約480万円になります。ほかの職種を含めた派遣社員全体の平均年収は328万円なので、派遣薬剤師の年収がいかに高いかがわかるでしょう。

派遣という自由な働き方にも関わらず、正社員よりも年収が高いのは人によってかなりのメリットになるでしょう。また、地方の派遣薬剤師はさらに時給が高いケースもあり、給与面を重視し正社員ではなく派遣を選んで働く人もいるようです。 

・派遣薬剤師、パート薬剤師ともに都市部より地方のほうが高時給

薬剤師以外の仕事では、地方よりも都市部の時給のほうが高いのが一般的なので、都市部より地方のほうが高時給である薬剤師は不思議かもしれませんね。都市部より地方のほうが高時給な理由は、都市部に比べて地方では薬剤師が不足しているからです。人手が足りていないため「高い時給を払ってでも薬剤師に勤務してほしい」と考える薬局が増えているのです。

・ライフスタイルに合わせて働ける

派遣薬剤師やパート薬剤師は、なんといっても自分の好きな時間に働けるのが魅力。企業側も正社員のようにフルタイムを前提としていないため、働く時間帯の相談がしやすいでしょう。また、営業時間が長い薬局や24時間営業のドラッグストアでは、シフトの自由度が高い傾向です。「子どもがいる」「介護をしている」「プライベートを充実させたい」といった場合に、希望を実現しやすい働き方といえます。

・サービス残業が少ない

派遣薬剤師やパート薬剤師は時給で働いていることもあり、サービス残業が少ない傾向です。特に、派遣薬剤師として働いているのに無給で残業させられるといった場合は、すぐに派遣会社に相談しましょう。担当者が解決に導いてくれるはずです。

・転職しやすい

条件が良い職場に就職しても、人間関係が良好とは限りません。正社員はすぐに職場を変えるのは困難ですが、パートの場合は新しい職場に移るのもひとつの方法です。派遣薬剤師は、派遣会社に相談することで職場を変えられる可能性があります。人間関係以外で不満があった場合も職場を変えやすく、「今は調剤薬局だけれど次はドラッグストアで働きたい」という希望もスムーズに叶えられます。

・キャリアアップが難しい

正社員の場合、企業によっては研修や講習を受けてスキルアップをすることもでき、ある程度業務に慣れたら昇格というキャリアアップのチャンスがあります。しかし、正社員とは異なり、派遣薬剤師やパート薬剤師はキャリアアップが難しい働き方といえるでしょう。派遣薬剤師やパート薬剤師は特定の業務だけを行うことが多く、スキルアップにつながらない仕事も多いためです。特に、派遣薬剤師は同じ職場で働ける期間が制限されており、契約書に記載された業務しか行えないため、仕事の幅を広げるのは難しいでしょう。

派遣薬剤師やパート薬剤師に向いている人

派遣薬剤師やパート薬剤師に向いているのは、自分のライフスタイルに合わせて働きたい人です。趣味や家族との時間など、プライベートを大切にしたい人にもおすすめです。

働く日数や時間が契約で決まっていて残業もほとんどないため、仕事とプライベートのメリハリをつけやすいといえるでしょう。とにかく稼ぎたい人、短期間で職場が変わっても平気な人は派遣薬剤師、ひとつの職場で長く働きたい人はパート薬剤師を選ぶと良いでしょう。

派遣薬剤師やパート薬剤師のよくある疑問

ここでは、派遣薬剤師やパート薬剤師のよくある疑問を3つ紹介します。

・「大手企業と中小企業、高時給なのは?」

派遣薬剤師やパート薬剤師の職場には、大手企業と中小企業の2種類があります。多くの仕事は大手企業のほうが高収入のイメージがあるかもしれませんが、薬剤師の場合は中小企業のほうが高めの給料に設定されているケースが多いようです。

薬剤師の年収の全体平均は513万円ですが、10〜99人の企業では606万円となっています。また、100〜999人では497万円、1,000人以上では479.9万円という結果になっています。

・「高時給だと大変?」

給与が高いと仕事が大変なのではないかと不安になる人も多いでしょう。特に派遣社員は時給が高いため心配になるかもしれません。しかし、「派遣だから職場で働きづらい」とは限りません。もちろん、派遣薬剤師としてある程度の高時給をもらっているので、「言われたことはすぐにやる」「さぼらない」ことは必須ですが、しっかりと働いていれば問題ありません。

しかし、職場によっては派遣に対しての対応が悪いところもあるでしょう。その場合は、派遣会社の担当者に相談してみましょう。また、派遣先で働く前に職場の雰囲気を派遣会社の担当から聞いておくと安心です。

・「有給休暇は使えない?」

派遣薬剤師やパート薬剤師には有給休暇がないと思われがちですが、法定に則った有給休暇が付与されます。派遣薬剤師の場合は、派遣先が変わっても同じ派遣会社で半年以上継続して勤務していれば、有給休暇付与の対象になります。ただし、全労働日の8割以上の出勤が条件となるので注意しましょう。

派遣薬剤師やパート薬剤師の転職活動を成功させるコツ

派遣薬剤師やパート薬剤師の転職活動を成功させるためには、薬剤師に特化した転職サービスに登録することが大切です。薬剤師の求人が豊富な派遣会社なら、薬剤師派遣のスペシャリストがさまざまな角度からアドバイスしてくれます。たくさんの求人のなかから、自分の希望に合う好条件の仕事を紹介してもらうと良いでしょう。

転職サイトを検索すると、数多くの転職サイトがランキング形式で出てきますが、人によって適した転職サイトは異なります。また、転職サイトは、それぞれ特徴や強みが異なります。高年収の求人が多い、首都圏以外にも拠点を持っている、薬剤師向けの求人が多いなど、登録する際に転職サイトの強みをしっかり理解してください。そして、自分のニーズに合った転職サイトを選ぶことが重要です。

派遣薬剤師やパート薬剤師として働きたい人はアプロ・ドットコムに相談を

今回は、薬局業界の動向と薬剤師の求人トレンド「派遣・パート編」を紹介しました。将来、派遣薬剤師やパート薬剤師の求人がなくなることはほとんどないでしょう。それどころか、薬剤師不足が加速し、よりニーズが高まる可能性もあります。

アプロ・ドットコムは薬剤師の転職に特化しており、正社員から派遣・単発・パート・アルバイトなど、さまざまな雇用形態の仕事を紹介しています。働き方に迷っている方は、「こんな薬局で働きたい」などとイメージを伝えていただくだけでもOK。それぞれの事情に合う求人とサポートを提供するので、安心して仕事選びをすることができます。

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