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派遣の基礎知識
2025.11.18
高時給だけで派遣薬剤師を選ぶのはキケン!必ず確認しておきたい5つのポイント
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派遣薬剤師に「高時給」というイメージを持つ人は少なくありません。確かに事実ではありますが、時給の高さ、収入の高さだけで働き方を決めるのは危険でしょう。せっかく派遣として働くなら、納得のいく仕事選びをしたいものです。
そのためには、派遣薬剤師として働く際の前提を理解し、事前に確認しておくべきポイントを押さえることが重要です。今回は、仕事選びで後悔しないために確認しておきたい5つのポイントと、派遣薬剤師のメリット、向いているタイプ・向いていないタイプについて解説します。今後の仕事やキャリアを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
派遣薬剤師の失敗事例
まずは、派遣薬剤師として働いて失敗したと感じた人の声を見ていきましょう。
<事例1>
業務負担が予想以上に重かったです。派遣は残業が少なく、正社員よりも楽だと思っていましたが、実際には正社員とほぼ同じ業務量を求められ、負担が大きく感じました。
<事例2>
業務内容が単調で飽きてしまいました。投薬業務が中心で、服薬指導が好きな人には向いているものの、自分は他の業務も経験したかったため、やりがいを感じにくかったです。
<事例3>
職場の人間関係に壁を感じました。社員同士の仲が良く、輪に入りづらい雰囲気がありました。派遣にも親切に接してくれる職場もありましたが、そうした環境は少数でした。
派遣薬剤師としての前提と確認しておきたいこと5つ
上記で紹介したように、失敗しないためには、派遣薬剤師としての前提を知り、必要なことを確認しておく必要があります。派遣薬剤師の前提として最初に知っておくべきは、「スキルアップはできるけど、派遣薬剤師のままでキャリアアップするのは難しい」「契約満了で延長できないケースがある」の2点です。
さらに、仕事を決める前に確認しておきたいのは「忙しい職場か?仕事が多くても大丈夫か」「派遣会社の福利厚生や各種制度に納得できているか」「人間関係などネガティブな情報はあるか?」という3点です。ここからは、それぞれについて詳しく解説していきます。
<前提1>派遣薬剤師のままでキャリアアップするのは難しい
派遣薬剤師の契約期間は最長でも3年で、派遣を続けていくとなると職場が頻繁に変わるため、同じ職場で管理職やエリアマネージャーなどをめざすキャリアは難しくなります。基本的に雇用契約書に記載された業務のみを担当するため、責任のある仕事を任される機会が少なく、派遣薬剤師のままで業務の幅を広げることは容易ではありません。
また、多くの派遣薬剤師は調剤や投薬を中心に業務を行っており、かかりつけ薬剤師としての経験を積んだり、それ以外のスキルを伸ばしたりするのも難しい傾向があります。一方で、さまざまな職場で働いて幅広い現場経験を積めるのはメリットといえます。
キャリアアップは難しいですが、スキルアップができないわけではありません。今後のキャリアのために準備をしておこうと思ったら、派遣先の勉強会に参加したり、研修制度のある派遣会社を利用したりして、知識を深めることが可能です。
<前提2>契約満了で延長できないケースがある
派遣薬剤師は基本的に有期雇用で働くため、契約期間があらかじめ決められており、同じ職場で働けるのは法律で最長3年までと定められています。しかも、3年という期間はあくまで上限で、契約は数ヵ月ごとの更新が一般的です。
必ず契約更新されるとは限らず、数ヵ月で契約満了になったり、派遣先の事情によって契約が打ち切られたりすることもあります。契約終了後に次の職場がすぐに見つからなければ、一時的に収入が途絶える可能性もゼロではありません。このように不安定さはありますが、薬剤師は人手不足の状況が続いているため、次の派遣先が見つからないという心配は不要でしょう。
<確認1>忙しい職場か?仕事が多くても大丈夫か
派遣薬剤師は即戦力として期待されやすく、高時給の求人ほど多忙で人手不足の職場で働く可能性が高くなります。パートの募集で薬剤師が集まらない場合に派遣で対応するケースもあり、その場合はひとりあたりの業務量が増える傾向にあります。
実際に働いた薬剤師に聞いてみると、「残業がなく快適だった」という声がある一方で、「思ったよりも負担が大きかった」「残業が発生した」「効率よく働かないと厳しい職場だった」などという声もあります。残業代は支払われますが、残業の有無は契約内容によって異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。
<確認2>派遣会社の福利厚生や各種制度に納得できているか
派遣薬剤師も福利厚生や各種制度を利用できます。ただし、派遣先企業の福利厚生ではなく、派遣会社の制度が適用されることを覚えておきましょう。派遣会社によって福利厚生や各種制度の充実度が変わってくるので、納得できる派遣会社を選ぶ必要があります。
派遣先企業の福利厚生を使えないからといって、福利厚生の内容が劣るとは限りません。大手の派遣会社ではスポーツジムやリゾート施設などの提携施設を安く使えるケースもあります。そのため、小さな調剤薬局などで働く正社員より、大手派遣会社所属の派遣薬剤師のほうが充実した福利厚生を受けられる可能性もあります。
<確認3>人間関係などネガティブな情報はあるか
派遣薬剤師は職場が定期的に変わるため、人間関係のトラブルが長引く心配が少ない傾向です。ただし、職場が変わるたびに人間関係をゼロから築かなければならず、それを負担に感じる人もいます。
派遣薬剤師と話すと、「正社員との間に距離を感じる」という声もあります。正社員は勤務先企業の直接雇用で責任ある仕事を任されますが、派遣薬剤師は派遣元の会社に所属して限定的な業務を行なっているため、正社員が優遇される傾向があるのが要因です。
一方で、派遣の受け入れ実績が豊富な職場は、派遣薬剤師の扱いに慣れており、働きやすい環境である可能性が高いといえます。過去に派遣された薬剤師の評判はエージェントが把握しているため、職場の雰囲気や人間関係が気になる場合は、事前に派遣会社に確認しておくと安心です。気になることがあれば、どんなことでもエージェントに相談し、派遣先に問い合わせてもらいましょう。
信頼できる派遣会社を選ぶことが大切
よい職場に出会うためには、信頼できる派遣会社を見つけるのが非常に重要です。派遣会社はマッチングのプロですが、会社によって求人の質が異なるうえ、コーディネーターの経験や相性によって紹介される案件の質や相性が大きく変わるためです。
信頼できる派遣会社のコーディネーターであれば、コミュニケーションを取りやすいだけでなく、あなたの希望をしっかり理解してくれるため、紹介される職場とのギャップが少なくなるでしょう。実績が豊富な派遣会社は「残業がない」「処方箋枚数が多い」「上司が優しい」など、各職場の詳細な情報や口コミを豊富に持っており、時給などの条件面だけでなく、実際に働くイメージをもって職場選びができます。
さらに、派遣会社は交渉力も重要です。「時給を上げたい」「勤務時間を調整したい」といった自分では言い出しにくい希望も、派遣会社が代わりに交渉してくれるため、派遣薬剤師は安心して働くことができます。「子育て中なのに残業が発生して困った」「次の派遣先がなかなか見つからない」といった派遣ならではの悩みも、事前に防ぐサポートをしてくれるのが信頼できる派遣会社です。
派遣薬剤師として働くメリット
ここからは、派遣薬剤師として働くメリットを4つ紹介します。
・ライフスタイルに合わせた働き方ができる
派遣薬剤師の大きなメリットは、ライフスタイルに合わせて柔軟に働けることです。正社員のように固定のシフトに縛られず、契約ごとに勤務日数や時間を自由に調整しやすいのが特徴です。
たとえば、週3日勤務にしたり、短期間だけ働いたりといった働き方もできます。特に、子育てや介護など家庭の事情がある人にとっては、自分のペースで働きながらキャリアを維持できる点が大きな魅力でしょう。
・スキルアップできる
スキルアップの機会が豊富にあるのも派遣薬剤師として働くメリットです。正社員は長く同じ職場で働くことが多いため業務内容が固定されがちですが、派遣は調剤薬局、ドラッグストアの求人が豊富です。それぞれの業務の特徴を学びながら、自然と幅広い知識やスキルを身につけられるでしょう。を学べます。なお、病院では紹介予定派遣、または、産休・育休の代替派遣のみ派遣として働くことができます。
新しい調剤システムや薬歴管理の方法を習得する機会も多く、転職やキャリアアップをめざす際にも役立ちます。さらに、特定の分野に強みを持てるため、調剤薬局の経験を活かして専門薬剤師をめざしたり、ドラッグストアでのOTC販売経験を通じて接客スキルを高めたりすることもできます。派遣会社によってはさまざまなスキルアップ講座を設けており、それらをうまく活用することで効率的にスキルアップすることも可能です。
・残業がない
派遣薬剤師は派遣先企業ではなく、派遣元である派遣会社と雇用契約を結びます。その契約内容に「時間外労働なし」と明記されていれば、派遣先から残業を求められても断ることが可能です。万が一残業が発生した場合でも、契約に基づいて残業代がきちんと支払われるため、サービス残業になる心配はありません。残業の有無は契約次第なので、働く前にしっかり確認しておきましょう。
・派遣会社がサポートしてくれる
派遣薬剤師として働く場合、職場での問題や希望がある際に派遣会社に相談できるのがメリットです。正社員やパートの場合、キャリアや人間関係を考慮して、職場の悩みは上司や人事に伝えづらいかもしれませんが、派遣薬剤師は派遣会社が勤務条件や業務内容について就業先と契約しているため、間に入って対応してもらえます。
「時給を上げたい」「勤務時間を変更したい」といった希望も、派遣会社を通じて交渉してもらうことが可能です。また、契約した労働条件と実際の働き方が異なっていた場合や、ライフステージの変化に合わせて条件を変更したい時にも、派遣会社に相談できます。サポートを受けながら働ける点は、派遣薬剤師ならではの安心感であり、大きな魅力といえるでしょう。
派遣薬剤師に向いている人
派遣薬剤師の働き方が向いているのは、さまざまな職場で経験を積みたい人です。調剤薬局、ドラッグストアなど幅広い業務に携われるため、キャリアの選択肢を広げたい人やスキルアップを重視する人に適しています。また、職場の人間関係で悩みたくない人にも向いています。契約期間が決まっているため、人間関係が合わなくても契約終了後に新しい環境へ移ることができ、人間関係に左右されず働けるためです。
さらに、家庭や育児、趣味、副業などと両立しながら自分のペースで働きたい人にも派遣は最適です。職場が変わることが多いため、新しい環境に抵抗がなく、初めての職場でもすぐに馴染める適応力や柔軟性がある人にも向いています。
派遣薬剤師に向いていない人
派遣薬剤師は短期間で職場が変わることが多いため、将来的に管理職をめざしてキャリアアップを図りたい人には向いていません。また、店舗運営や人材育成といったマネジメント業務に関わる機会も少ないため、マネジメントに興味がある人にとっては物足りない可能性があります。
さらに、仕事内容や人間関係が変化することにストレスを感じやすく、できるだけ同じ職場で長く働きたいと考える人にも、派遣という働き方はあまり適していないといえるでしょう。
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今回は、派遣薬剤師として働く際に失敗しないために確認しておくべきことを紹介しました。派遣薬剤師のメリットを確認して、「向いている」「これならできそう」と思った方は、派遣薬剤師として働くことを検討してみてください。
「アプロ・ドットコム」は、薬剤師専門の転職サービスとして25年以上の実績があります。キャリアアドバイザーが仕事内容や働き方、職場の雰囲気などを詳細に把握しており、事前に情報を提供できるのも強みです。もちろん、気になるポイントがあれば、企業に問い合わせることも可能です。
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