気になる時給の決まり方は?

Last Updated on 2019年11月22日

女性の薬剤師の写真

あなたは派遣薬剤師の実際の時給の決まり方を
ご存知ですか?

知っているようで、
意外と知らない派遣薬剤師の実情を
”具体的”な数字を用いて
ご紹介させていただきます。

■派遣時給の決まり方

黒板にPOINTと書いていある写真

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
まずは時給の構造からお話を始めます。

派遣時給の根本
=スタッフの時給・
派遣会社の利益・その他経費など、
すべては派遣先企業(=薬局)への
請求額が元となります。

例えば、調剤薬局であれば、
薬剤師の調剤の経験年数や
内容(科目、枚数など)から、
派遣会社が就業先企業へ請求時給を交渉し、
皆さんの時給が支払われるという構造です。

■薬剤師なら知っておきたい二つの時給

MONEYと書かれたブロックの写真

まずはじめに押さえておきたいのが
「請求時給」と「本人時給」という
2つの時給が存在することです。

◆請求時給とは?
派遣会社が薬局に請求する金額です。
その請求時給の中に、
勤務していただいた薬剤師さんに支払う
本人時給も含まれています。

◆本人時給とは?
これは勤務した薬剤師さんが
受け取るものです。
ホームページの求人詳細に
表示されているものだとご認識ください。

アプロでは、請求時給の60.6%を
勤務していただいた方へ本人時給として
お渡ししています。

では残りの約40%は、すべてアプロの利益なのでしょうか?
いえ、派遣業は意外とコストが掛かっているのです。
具体的にどのようなコストがかかっているのでしょうか。

請求時給の内訳を見ていきましょう。

■請求時給の内訳

チョークで描いた円グラフ

以下の図から分かるように、
本人時給の次に大きな出費は社会保険料です。
週30時間以上、2ヶ月を超える派遣契約の場合、
社会保険の加入が義務付けられています。

社会保険の費用は全体の13.1%を占めており、
加入する必要がない単発勤務は、
この費用が掛からないため、
通常の派遣勤務よりも、高時給で働けることができます。

請求時給の2%を占めている
「スタッフ教育研修費」についてご説明します。
2015年に派遣法の改正が行われたことで、
派遣スタッフのキャリアアップ支援が義務化されました。
この法改正で、
派遣会社はスタッフに対して段階的かつ体系的な教育訓練と、
希望者に対するキャリアカウンセリングを行う義務が課せられました。

キャリアアップ支援の一つとして
イーラーニングを導入する派遣会社も増えています。
薬剤師さん向けの講座だと、医学の基礎やコミュニケーション、
症例検討実践学などを受講することができます。
導入費用は派遣会社が支払うため
スタッフはすべての講座を無償で受講することができます。

その他にも、有給休暇の引当金などや、
募集活動などに費用が掛かっており、
営業利益は4.6%となっております。

このように請求時給から、
諸々の費用を引くことで、本人時給が決定するのです。

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請求時給の内訳のグラフ

「派遣会社は儲け過ぎだ!」
・・・と思っている薬剤師さんは少ないかと思いますが、
派遣の事業を継続させるには意外と費用が掛かるんだ
ということもご認識いただければ嬉しいです。

■請求時給が上がれば本人時給も上がる

白衣を着た女性の写真

二つの時給の意味は
なんとなく理解できましたか?

端的にお伝えすると、
派遣先に請求する金額(=請求時給)が
増えれば増えるほど、
派遣スタッフの時給(=本人時給)が上がる
というワケです。

また、派遣スタッフの時給は
「調剤経験が○年だからいくら」と明確に
定められているわけではありません。

「経験はそこまでないけれど
時給をすこしでもアップさせたい」という方は
交渉次第で叶う可能性があります。

だたし、派遣スタッフさんは
派遣先と直接交渉をするわけではありません。
派遣先への請求額は、

【派遣会社の交渉】によって決まるのです。

■派遣薬剤師は「定期的に」昇給するのではなく・・・

患者さんに薬を渡す女性薬剤師の写真

正社員やパートで働いていれば、
毎年少なからず年収・時給が上がっていきます。
私も毎年の昇給を楽しみにしている一人です(笑)

しかし、薬剤師に限らず、
一般的に派遣という就業形態には、
多くの場合ボーナスや昇給はありません。
・・・が、派遣で働いている薬剤師さんは、
キャリア・経験に応じて時給がアップすることもあります。

例えば、長く同じ派遣先で働いたとしても
定期的に昇給するということは、さほどありません。
もちろん、それが単発ならなおのことです。

では、派遣の昇給のタイミングはなにか?といえば、
「更新」のタイミング
です!

「更新」とは日数・時間などの契約条件を
継続するか?変更するか?という同意の場です。

例えば、派遣時給を上げる要素として
「勤務日数が増やせる」「遅い時間まで働ける」
「勤務先の評価が高かった」などを条件として
時給の調整/交渉を行います。

また、緊急度が高く、薬剤師が集まりにくい地域では
超高額の単発求人が出ることがあります。

そういった場合には、時給3000円以上となることも少なくありません。
東京でも2016年に時給4000円の単発求人が出た実績もあります。
今どんな求人があるか気になる方は、ぜひ求人検索をご利用ください。

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