Last Updated on 2019年11月22日

今回は、派遣薬剤師さんが時給を上げるテクニックの
第二弾をご紹介します。
第一弾では時給アップのタイミングについて
お話ししました。
その時に「契約更新時」が時給アップのタイミングの一つだと
ご紹介しましたよね。
第一弾はこちらからご覧ください!
更新のタイミングは、ご存じの通り
派遣薬剤師さんが契約条件を見直す上で
重要なタイミングです。
スマートフォンの契約期間が満了になったときに、
格安のものへ乗り換えを検討したり
キャリアの変更を検討したりしたことがある方も
多いのではないでしょうか?
実はこれは、派遣薬剤師の
契約更新時にも当てはまるのです・・・。
■派遣薬剤師にとって更新は大きなチャンス
派遣薬剤師さんは派遣更新をうまく利用することで、
条件アップが可能です。
派遣先を変更することももちろん可能ですが、
時間数の変更、勤務曜日の変更など
条件変更も考えることが可能です。
現在の派遣先で更新をすることは、
派遣薬剤師さんにも派遣先にも大きなメリットがあります。
派遣薬剤師さんは長期間勤務するうちに、
職場の勝手がわかるようになっていますし、
派遣先は「新たな派遣薬剤師に来てもらって0から教育する」という時間や労力が必要なくなります。
■派遣薬剤師にとって更新はメリットだらけ
派遣先にとって、
「あなた以外の派遣薬剤師を雇いなおす」ということには、
時間的にも労力的にもデメリットがついて回ります。
新しい派遣薬剤師さんを雇ったときの
教育にかける時間や労力を考えれば、
「多少の請求時給がアップしても、○○さんにいてほしい」という気持ちになることは想像できると思います。
つまり、現在の派遣先から更新依頼があることは、
最大の時給交渉のチャンスなのです。
上に記載したように単純な時給アップだけでなく、
勤務日・時間など広い意味で「良い条件」へと
変更するチャンスであることを覚えておきましょう。
この更新タイミングで請求時給をアップさせるためには、
先にも述べたように
① 交渉材料となるメリットを提示すること
② 派遣先からの評価を高くすること
(派遣先を変える場合にも役に立ちます。)
という点が重要になってきますので、ぜひ心がけてみてください。
「派遣先からの評価を高くすること」が
派遣先を変更する場合にも役に立つ理由をご紹介します。
派遣会社のキャリアアドバイザーが
派遣薬剤師を紹介するときに
派遣経験があるのか、
経験がある場合は以前の就業先での評価はどうだったのか
を薬局に伝えることが多いです。
評価が高いと、このときに
「ご紹介したい派遣薬剤師のAさんは、以前の派遣先で
●●という点を高く評価されました。
▲▲という派遣薬剤師さんを採用したいと思っている御社には
Aさんはピッタリの人材だと思います。」
と紹介することができるのです。
<活用の注意>
●更新時の交渉内容を変更したい場合、
理由を添えるというクセをつけると、
交渉が成立しやすくなります。
例えば、単純に「時給2800 円なら更新します」と伝えるよりも、
「他の派遣会社さんから
時給2900 円の案件を紹介されていまして・・・
ただ、私としても店舗独自のルールを知っていて
働き慣れている○○薬局さんなので、
時給2800 円なら更新したいんですが」
と伝えたほうが、説得力がありますよね。
●更新時の交渉の際は、
「○○だったら更新します」という断定ではなく、
「○○だったら更新を検討したいんですが、
先方と交渉してもらえますか?」という依頼の形が望ましいです。
派遣薬剤師さんが断定の形で伝えてしまうと、
派遣先企業が「それはムリだね(だから○○さんの更新もなしで)」と、
簡単に交渉が決裂してしまう可能性があります。
(そのあたりの交渉力が派遣会社の実力の見せどころではありますが…)
■派遣会社に複数登録して時給アップを狙う
派遣薬剤師の皆さんは、お仕事探しをするときに
何社くらいの派遣・紹介会社に登録しますか?
派遣薬剤師の方とお話をすると、
「何社くらい登録したらいいですか?」と聞かれることがよくあります。
派遣会社への登録は、
何か買い物をする時の感覚でOKだと思います。
そのお店・ブランドでないとダメ!という時以外は、
複数店舗を見比べたり、ネットを調べたりしますよね?
その考え方と同じでOKということです。
サイトによっては、簡単に複数社に登録できるシステムもありますので、
すでに4〜5社に登録している派遣薬剤師さんも
いらっしゃるかもしれません。
これまでの当社の経験から、
派遣薬剤師さんが良い条件の派遣案件を探そうと思った場合は、
信頼できる派遣会社を2〜3社利用するという方法がおすすめです。
・・・もちろん、「弊社に任せてください!」が本音ですが(笑)、
この「2〜3社」に登録するというのがポイントです。
1社だけに登録した場合、
担当のキャリアアドバイザーとの連絡の手間は最小限になりますし、
面接や面談の日程調整も簡単にできます。
しかし、他社との比較ができないので
自分にマッチした求人の時給相場を知ることが難しくなるという
デメリットが出てきてしまいます。
逆に4社以上に登録すると、自分が選択できる幅が広がったり
相場がだいたい理解出来たりするというメリットがあります。
しかし、どの会社がどの案件を案内してくれたのかが
把握できなくなってしまうこと、
「連絡の対応をするのが面倒くさい」というデメリットが
出てきてしまいます。
「希望を伝えて、派遣会社から質問を受けて、それに応えて・・・」
そんなことをしていたら1社で短くとも15 分〜20 分。
それが4社分もあると、1時間以上かかるワケです。
「できれば直接会って面談したい」となった場合は
移動時間も込みでさらに時間がかかってしまいます。
・・・さすがに大変ですよね。
■「相見積もり」というテクニック
派遣会社にあなたの希望条件を伝えるときに、
基本的には同じ内容を伝えるのが良いでしょう。
時給アップのポイントはここからです。
この2〜3社に対して相見積もりを取るのです。
言い換えると、2〜3社を競争させるのです。
家電を買いに⾏ったときに、
2〜3店舗を回ってそれぞれの値段を伝えて、
値下げ交渉をしますよね?
それを時給で⾏うイメージです。
具体的には、2〜3社の派遣会社に登録をしていて
同じ条件で求人を紹介してもらっていると伝えてしまいましょう。
「A社さんからは時給○○円の案件を
紹介されているですよね」と言って、交渉するのです。
こうすることで、より希望に合った求人を紹介してくれる可能性が
高くなります。
ただし、実際に紹介してもらっていない条件で
競争させるのはおすすめしません。
たとえば、とある派遣薬剤師さんが
「時給3500円以上で働きたいから、
他社から時給3500円の求人を紹介されているということにして
相見積もりさせよう」と思っていたとします。
派遣会社はその時期の時給相場が
どのくらいかなのか理解しています。
自分の希望条件と相場が大きくかけ離れている場合は
「この派遣薬剤師は嘘を言っているな」と思われてしまい、
派遣薬剤師さんとキャリアアドバイザーとの
信頼関係も崩れてしまいます。
信頼関係が崩れてしまうと、
求人の紹介が後回しになってしまう可能性が大きいです。
また、良い求人が欲しいあまりに
学歴や職歴などの経歴を詐称することもやめましょう。
最悪の場合、一切求人を紹介してもらえなくなってしまいます。
派遣会社からの評価を上げる努力はしなくても良いですが、
人対人のやり取りということは忘れないようにしましょう。
■派遣勤務がスタートした後は・・・
さて、次は一転して勤務開始後の話です。
(勤務が決まる前は、「複数社に任せてください!」と
言っておきながら恐縮ですが・・・)
勤務開始後、派遣薬剤師さんは派遣会社を1社に絞った方が
時給が上がりやすくなります。
理屈は単純です。
まず、先ほどお伝えした更新のお話です。
更新時に派遣会社を変更してしまうと「契約更新」にはなりません。
派遣薬剤師さんは派遣先の薬局ではなく、
派遣会社と雇用関係(契約を結んでいる)にあるからです。
派遣先が変更になった場合でも
雇用契約を結んでいる派遣会社が同じであれば、
前回の勤務時の時給がベースになるります。
「前回この派遣薬剤師さんには
時給2800 円で勤務していただいたから、
それ以上の案件をご案内しないと」
・・・これが派遣会社の担当キャリアアドバイザーの本音です。
派遣先が変わる場合でも前回よりも良い案件をご案内するのが
派遣会社の基本スタンスだとお考えください。
というわけで、勤務後は派遣会社をコロコロと変えてしまうと、
その分派遣薬剤師さんはチャンスを逃すことになってしまいます。
ちなみに、1社に絞るときには
好条件の求人を案内してくれるというだけではなく、
信頼できるキャリアアドバイザーのいる会社を選ぶことが大切です。
<派遣時給を上げるテクニック活用の注意>
●先ほどもお伝えしましたが、
「A社さんからは時給○○円の案件を
紹介されているんですよね」という場合、
嘘をつくのはやめましょう。
派遣求人の案件は重複していることが多いです。
どのエリアの、どの求人かというのは、
キャリアアドバイザーであれば、だいたい予想がつきます。
あからさまな嘘をついた場合、
派遣薬剤師さんと派遣会社との信頼関係に
影響が出てしまいます。
●複数の派遣会社から相見積もりを取ることは、
ぜひ試していただきたいことです。
しかし、「⾏きます(更新します)」と言っておいて、
「やっぱりやめます」というのは、絶対にNG。
先に紹介した「派遣先企業からの評価」を
大きく下げてしまう原因になります。
一度そのようなことがあると、派遣会社としても
「この派遣薬剤師はもしかしたらキャンセルがあるかもしれない」
という思いから、
派遣先企業に強く交渉ができなくなってしまいます。
■まずはご相談ください!
ご紹介したすべてのことを一度にやろうとすると
気が滅入ってしまいますよね。
まずは、「次回の更新時に
時給をアップさせたいのですが・・・」
と、一言キャリアアドバイザーにお伝えください。
時給アップのために何をすべきなのか、
派遣先から求められる派遣薬剤師になるにはどうすれば良いのかなど
話し合って見つけていきましょう!