派遣に向いてる薬剤師、パートに向いてる薬剤師

この度は、このページにご訪問いただきましてまことにありがとうございました。昨年は多くの薬剤師さんから「私は、パートで働くのと派遣で働くの、どっちがむいているのでしょうか?」このようなご質問をいただきました。年々、このような問合せが増えているのは、どんどん「薬剤師の派遣」という働き方が認知されてきたからだと考えております。

しかしながら派遣というと「時給が高くて、働ける期間が選べる」という印象の方が多いのもまた事実です。本当はそれ以外にも、もっと多くのメリットが存在しています。

またパートと派遣を選ぶ薬剤師さんは、何かしらのご事情をお持ちで「働ける時間に制限」がある方がほとんどです。その共通点もあり、よく比較される働き方ではありますが、「自分がどっちに向いている薬剤師なのか?」を確信を持って即答できる方が以外と少ないのです。

 


■本来むいていない働き方を選んでいる薬剤師さんもいる

実はパートにむいているのに、いま派遣をしている方。一方、派遣にむいているのに、いまパートで働いている方もいらっしゃいます。日々の業務や同僚とのコミュニケーションを器用にこなせる薬剤師さんだからこそ、意外と気づかず“本来むいていない”働き方を選んでいるケースも多いのです。

そして本来むいていない働き方を選んでしまうと、知らず知らずのうちに、ちょっとしたトラブルや不満を抱えてしまうケースが多いのです。そこで、この記事では、パートと派遣の働き方を徹底的に解説したいと考えております。

■パートと派遣の比較表

共通点も多く、比較されることが多い「パートと派遣」。この2つの働き方のメリット・デメリットを以下にまとめてみました。一般的なことも記載していますが、以外と知らないことも多いハズです。ぜひこの表をもとにして、パートと派遣の働き方を比較してみてください。

 

■「実はパートにむいてない薬剤師」って、こんな人

 

勤務時間・休み・場所・安定(安心)・責任といったものにもっともバランスよく融通が効くのが、パートという働き方です。その半面で、「何かに強くこだわる」と、そのバランスが崩れてしまうのが、パートという働き方でもあります。

◇時給に強くこだわる

パートは、正社員や派遣に比べるとどうしても給与が低くなってしまいます。そのデメリットを受け入れて勤務時間などその他条件を優先して働いているハズですが、人間ですので同僚の時給は多かれ少なかれ気になってしまいます。しかし、あまりにも同僚の時給が気になってしまい「嫉妬深い人」は正直パートに向いていないと言えます。なぜなら、あとから入ってきた人の方が時給が高いということが起こりがちだからです。嫉妬深い人は「自分の方がスキルは高いし、調剤経験も長いのに、時給が安い!」ということが気になってしまいます。

薬局としては、繁忙期など薬剤師不足の場合は通常よりも時給を高くして募集をすることがあります。そうしないと、薬剤師が採用できずに、現場で働く社員が困ってしまうからです。しかしその事情が分かっていたとしても、納得できない方、嫉妬深い方はパートで失敗しがちです。

◇時間・休みに強くこだわる

いくら「残業ナシ」などの勤務時間にこだわってパートを選んだとしても、いつも決まった時間に帰れたり、決まった曜日だけ勤務できるとは限りません。勤務時間へのこだわりが強い方は、派遣契約で残業なしや勤務曜日が決まっている、派遣の方が向いているかもしれません。※派遣は契約で残業有無が決まっているので、残業を断りやすいです。

また、薬局としては、派遣の人とパートの人、どちらを残業させるか?と考えた際、派遣の人の方がコストが掛かってしまうため、パートさんに残業を頼みがちになります。シフトの変更に関しても、派遣の場合は契約として決まっている場合が多いため、ムリなシフトの変更はついついパートさんに向かいがちです。「シフト変更を断ったら、気まずくなるかも・・・」といった心配をしてしまうのに、本当は時間・休みに強いこだわりがある!という人は、パートで失敗しがちです。

◇場所に強くこだわる

なにかしら時間の制約があって、パートを選ぶ薬剤師さんは、「勤務する場所」にもこだわる必要があります。なぜなら勤務する場所によって帰宅できる時間が大きく変わってくるからです。

例えば「19時までに帰宅して、夕飯の準備をしないといけない」というご事情をお持ちの場合、勤務地が家から30分なのと60分では全然違いますよね?必然的に勤務終了しないといけない時間が変わってきます。

意外と意識されていないですが、正社員だけでなく、パートも人事異動で店舗が変わるということがあり得ます。そうなってしまうと帰宅時間が変わってしまい、もしかするとあなたの家事・育児に大きな支障をきたす可能性があります。

特に、「勤務の後に何かしらの予定が定期的にある」「しかも、勤務後から次の予定までの時間がタイトだ」(例えば、子供のお迎え・大事な習い事 など)という人は、意外にパートにむいていないので、注意が必要です。

上記の「時給・時間・場所」にこだわることが悪いことではなく転職の際の“会社選び“の時点で、「将来の変化を見極める」という高いスキルが必要になってくるのです。

パートは派遣のように数ヶ月で職場が変わるわけではないので、会社選びの失敗がリカバリーがし辛いということは覚えておいてください。

■「実は派遣にむいてない薬剤師」って、こんな人 

それでは、次にどんな薬剤師さんが派遣に向いていないのか、チェックしていきましょう・。

◇学ぶ環境・スキルに強くこだわる

「勉強したい」「スキルアップしたい」と多くの薬剤師さんは考えています。そして、色々な店舗を見てみたい、幅広い科目の処方せんを経験したいという理由で、派遣を選択される薬剤師さんが多いのもまた事実です。

たしかに“経験”という部分では、多くの学びが得られる派遣ですが、勉強という点については1つだけデメリットがあります。それは「薬局内外の勉強会などへの参加が義務化されていない」ということです。そのため、自助努力無しでは、知識が向上しにくい、ことも覚えておく必要があります。同じ職場のパート・正社員が新薬の勉強会や発表会に参加しているのに、自分だけ参加していないということも起こりえます。もちろん、自分で勉強することでその差を埋めることは可能です。しかし正社員・パート以上にセルフコントロールが求められますので、それが苦手な方は意外と派遣にむきません。

◇マイペースに強くこだわる

自由な働き方という側面がある派遣ですが、あまりにマイペースな働き方に
こだわり過ぎると、多くの職場で失敗してしまいます。特に注意していただきたいのが、「ゆったりとした雰囲気の職場で働きたい」「忙しい職場はニガテ」という方です。そもそも薬局さんは、忙しくて人手が足りていないため派遣薬剤師を活用します。その前提があるため、マイペースにこだわりたいとお考えの場合は、派遣に向いていないと言えます。

◇手順に強くこだわる

「仕事の手順にこだわる」という方も、トラブルになりがちです。店舗ごと会社ごとに調剤の手順・仕事のやり方というのは多少異なります。

この違いを柔軟に受け入れられず、「このやり方は間違っている」「自分のやり方はこうじゃない」と、こだわりを強く持つと仕事が円滑に進みません。「自分がなじみのある仕事手順で仕事をしたい」というこだわりをお持ちの方は、パートで一つの店舗で長く勤務することをオススメします。※ただし、「このやり方は間違っている」「自分のやり方はこうじゃない」といったこだわりを持つ方は、パートでもトラブルになりがちです。

◇指示に強くこだわる

派遣薬剤師さんには、どうしても「その日からある程度仕事をこなして欲しい」
と期待されます。

先ほどお伝えしたように、薬局は忙しいから派遣を活用しているため、一から説明して研修をするということはしません(忙し過ぎてそんな余裕がない状況の時も)。そのため「すべて説明されないと、どうしていいかわからない。

しかも、自分から質問するのはニガテ」という方は、派遣薬剤師には向いていません。派遣の仕事は「投薬」を任せられる場合がほとんどですが、それでも一つ一つの行動に指示を出されないと不安な方は派遣薬剤師として続けていくのは難しいでしょう。「ミスしたらどうしよう」「細かく指示を出してくれないと不安」というような想いが強い方は、研修制度が手厚い薬局でパート勤務することをオススメします。

■パートから派遣へ/派遣からパートへ 薬剤師の体験談 

「パートから派遣」、または「派遣からパート」に雇用形態を変えた薬剤師さんの体験談を記載させていただきます。ぜひ薬剤師さんの実体験に基づく生のお声をお聞きください。

◇【成功談】パート → 派遣 

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薬剤師Kさん
45歳・女性・調剤経験15年
既婚/子供2人/神奈川県在住
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Kさんには、中学生と高校生のお子さんがおり、仕事と家庭の両立を第一に考え、週4回パート勤務をしておりました。その薬局には大きな不満はなかったのですが、ただ時給に関してはちょっとした不満を持っていました。

それはあとから入ってきたパートさんの方が時給が高かったことです。その方は冬の繁忙期に入ってきたため特別に高めの時給で採用されたのです。たった時給100円の違いではありましたが、Kさんとしては納得がいきません。そんな時にアプロのホームページにて、1日から働ける単発派遣の求人を見つけました。毎週だと難しいけど、月2回くらいだったら働く日を増やしてもいいかなと考えていたKさんにとって、1日から働ける単発派遣の求人は非常に魅力がありました。

さらに、時給も2,800円とパートの時給よりも大幅に高く、たったの1日で2万円以上を稼ぐことができました。パートと派遣の掛け持ち勤務を数ヶ月していた中で、派遣のほうが効率よく稼げたため、パートを辞めて全て派遣勤務に切り替えることを決めました。

Kさんの希望は、パート同様の「週4日勤務」「パートよりも高い時給」「社会保険加入」というものでした。結論、全ての条件を派遣勤務で叶えることができました。時給に関しては、2,000円から2,800円にアップしたことで、子供達の大学受験に向けた学費の貯蓄を増やすこともできました。

Kさんは、【派遣社員】として働くことで、【パート以上の条件で勤務する】という希望を叶え、【子供達のための学費】を効率よく貯めることができました。

◇【失敗談】パート → 派遣

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薬剤師Hさん
29歳・女性・調剤経験2年
独身/東京都在住
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「正社員・パート」の薬剤師として勤務してきたHさん。その彼女が昨年から「派遣」という勤務形態に切り替えました。それまではパートとして、耳鼻科のみの単科の薬局で勤務していたHさん。やっぱり単科の薬局だと覚えられる薬も限られますし、他の科目の薬がまったく分からなくなってしまうのが嫌だったため複数科目を経験できる薬局で働きたいと考えていました。

そう考えていた時に、たまたま働いていた店舗にアプロ経由で派遣勤務していた薬剤師さんから派遣のメリットを聞きました。高時給だし、色々な薬局を回って複数科目が経験できることに魅力を感じました。まさに「いまの私に向いている働き方だ」と思ったHさんは、パートで働いていた薬局を辞めて、派遣薬剤師として勤務スタートしたのです。

しかしHさんは「派遣=即戦力」として見られるとは考えておりませんでした。
しかも調剤経験が2年しかなかったため、最初に派遣先に行ったときに、軽い説明しかないまま投薬の仕事を任せれてしまいました。よく分からない薬をなんとなく投薬するように仕事をしてしまいました。そして患者さんからの質問も適当に受け答えをした結果、クレームが入る始末!

結局、その初日の印象で薬局側からは「使えない人」だと思われてしまい、
同僚とうまく関係が築くことができませんでした。結局、派遣契約が終了するとともに、研修制度が手厚い薬局にパート薬剤師として転職しました。現在は同僚とトラブルになることもなく、順調に勤務されています。調剤経験が浅く一から細かく指示をされないと動くことができなかった彼女は、派遣薬剤師としては向いていなかったようです。

◇【成功談】派遣 → パート

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薬剤師Mさん
29歳・女性・調剤経験 5年
既婚/子供なし/熊本県在住
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大阪の中規模薬局にて正社員として勤務してきたMさんは、結婚を機にその薬局を退職しました。そして退職後は、扶養内にて103万円を超えないように、月に4~5日だけ単発派遣を活用して働いていました。時給3000円前後で単発勤務をしたほうが、パートよりも効率よく稼ぐことができました。そんな勤務スタイルを1年間続けていたMさんに1つの転機が訪れました。それは旦那さんの実家の熊本に戻ることになったのです。

都市部では単発求人はたくさんありますが、熊本県だとなかなか見つかりません(都市部以外は単発求人は激減します)。そんな状況だったので、Mさんは「せっかくだし扶養から外れて働こうかな。時給も高いし派遣のままでいいかな」と考えはじめ、2店舗を掛け持ちで週4日派遣勤務をすることになりました。しかし、もともと正社員でバリバリと働いてきたMさんにとっては、「投薬をメイン」で行うことに少しずつ飽きてきてしまいました。「1つの店舗で地に足をつけて働きたい。そこで、色々な店舗を見てきた経験を活かしたい」と考え、パートで働きたいと思うようになりました。しかし一般的にはパートになると派遣よりも時給が下がってしまうもの。そこでアプロの営業担当が、派遣していた薬局の社長と交渉を重ねた結果、なんと派遣のときよりも時給が100円高くパートとしてご勤務できることになりました。

Mさんは「はじめは時給が高くて効率よく稼げる派遣の方がいいなと思っていました。けど、いざ働いてみると『投薬がメイン』の業務だったので、あまりやり甲斐を感じられなかったのが本音です。いまはパートとして、投薬以外のことも任され、薬局内の仕組み等の改善もしています。やらないといけないこと・考えないといけないことは多いですが、楽しく仕事しています」とおっしゃっていました。

◇【失敗談】派遣 → パート

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薬剤師Tさん
38歳・女性・調剤経験 15年
既婚/子供2人/東京都
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高時給なことと、子供の夏休み・冬休みは仕事を休みたいため、6年間派遣を続けていたTさん。子供達が大きくなり手が掛からなくなってきたため、そろそろ派遣ではなくパートでもよいかなと考えるようになりました。また6年間も派遣で勤務してきて、総合病院・クリニックマンツー・医療モールなど幅広い店舗形態や幅広い科目を経験してきたことを活かして、パートで働きながら店舗の改善もできたらいいなと思っていました。

そして以前派遣で勤務していた薬局で、たまたま募集枠が空いており、そこで面接を受けました。薬局側としてはTさんのお人柄・働きぶりに対して好印象だったため、派遣のときとほぼ同じ条件で、Tさんを採用することにしました。パートとしては高額の時給2600円で勤務することができました。最初の3ヶ月は問題なく勤務しており、仕事と家事・子育てを両立し、ワークライフバランスが良い働き方ができていました。

しかし、冬の繁忙期になり状況が変わってしまいました。処方せん枚数が増え始めると、薬局長から「今日1時間だけ残業してもらえないかな?」、「今週、もう1日働いてもらえないかな?」と残業のお願いをされたり、シフト変更を依頼されることが増えました。

以前、派遣として勤務していた時は、そんな依頼をされることも少なかったですし、なによりも断りやすかったので何も問題はありませんでした。しかし、パートに切り替えたTさんは「残業やシフト変更の依頼を断ってしまうと気まずくなりそうだ」と思い、最初は軽い気持ちで依頼を受けてしまいました。

もともと断るのが苦手だったTさんに対して一気に負担が増えてしまいました。そんな中、「時給が高いんだしTさんがやって当然だ」という空気が流れ出しました。そのため家庭を優先して依頼を何度か断ったことで、薬局長や同僚とのギクシャクしてしまいました。そんな社内の空気にウンザリし、人間関係を修復するのが面倒くさいと考えたTさんは退職を決めてしまったのです。

■おわりに

この記事をお読みいただきまして、ありがとうございました。お読みいただいて、「私はパートに向いていないかも?」「私は派遣に向いていないかも?」とお感じになられた方もいらっしゃるでしょう。一方、「今のままの働き方が私には合っている」とお感じになられた方もいらっしゃるでしょう。

「パートか派遣」どちらの方が良い・悪いということではなく、あなたの価値観・ライフスタイル・ライフステージに合っているかどうか?がとても重要になってきます。そのため、この記事が2つの働き方を選ぶ際の一助になれば幸いです。

アプロではパートや派遣の転職・就職のお手伝いもしておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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