【薬剤師】派遣orパート?あなたに向いている働き方は・・・?

Last Updated on 2021年12月20日

最近は薬剤師さんから「私は、パートで働くのと派遣で働くのと、どっちが向いているのでしょうか?」というようなご質問をいただくことが多くなりました。年々このような問合せが増えているのは、どんどん「薬剤師の派遣・パート」という働き方が認知されてきたからだと考えられます。

薬剤師さんが派遣やパート勤務を検討する場合、家事や子育て、介護などで何かしらの時間の制限がある方がほとんどです。実際に、残業が少ない、時短勤務が叶うなど、家庭やプライベートとの両立を図るのに、嬉しいメリットが揃っています。共通点も多い2つの勤務形態ですが、あなたはそれぞれの雇用形態のメリット・デメリットをどのくらい把握できているでしょうか?

本来向いていない働き方を選んでいる薬剤師さんもいる

悩んでいる白衣の女性の写真

実はパートに向いているのに、いま派遣をしている方。一方、派遣に向いているのに、いまパートで働いている方もいらっしゃいます。んm意外と気づかず“本来向いていない”働き方を選んでいるケースも多いのです。

そして本来むいていない働き方を選んでしまうと、知らず知らずのうちに、ちょっとしたトラブルや不満を抱えてしまうケースが多いのです。そこで、この記事では、パートと派遣の働き方を徹底的に解説します。

パートと派遣の比較表

チェックボックスの写真

共通点も多く、比較されることが多い「パートと派遣」。この2つの働き方のメリット・デメリットを以下にまとめてみました。一般的なことも記載していますが、以外と知らないことも多いハズです。ぜひこの表をもとにして、パートと派遣の働き方を比較してみてください。

 

「実は派遣にむいてない薬剤師」って、こんな人

パソコンを操作する男性の写真

勤務時間・休み・場所・安定(安心)・責任といったものにもっともバランスよく融通が効くのが、実はパートという働き方です。
それでは、さっそくどんな薬剤師さんが派遣に向いていないのかチェックしていきましょう。

学ぶ環境・スキルに強くこだわる

多くの薬剤師さんは「勉強したい」「スキルアップしたい」と考えています。そして、色々な店舗を見てみたい、幅広い科目の処方せんを経験したいという理由で、派遣を選択される薬剤師さんが多いのもまた事実です。

たしかに“経験”という部分では、多くの学びが得られる派遣ですが、勉強という点については1つだけデメリットがあります。それは「薬局内外の勉強会などへの参加が義務化されていない」ということです。そのため、派遣社員は自助努力無しでは知識が向上しにくいことも覚えておく必要があります。同じ職場のパート・正社員が新薬の勉強会や発表会に参加しているのに、自分だけ参加していないということも起こりえます。もちろん、自分で勉強することでその差を埋めることは可能です。しかし正社員・パート以上にセルフコントロールが求められますので、それが苦手な方派遣には向いていないでしょう。

マイペースに強くこだわる

自由な働き方という側面がある派遣ですが、あまりにマイペースな働き方に
こだわり過ぎると、多くの職場で失敗してしまいます。特に注意していただきたいのが、「ゆったりとした雰囲気の職場で働きたい」「忙しい職場はニガテ」という方です。そもそも薬局さんは、忙しくて人手が足りていないために派遣薬剤師を活用します。その前提があるため、マイペースに自分のペースで働きたいとお考えの場合は、派遣に向いていないでしょう。

手順に強くこだわる

「仕事の手順にこだわる」という方も、トラブルになりがちです。店舗ごと会社ごとに調剤の手順・仕事のやり方というのは多少異なります。

この違いを柔軟に受け入れられず、「このやり方は間違っている」「自分のやり方はこうじゃない」と、こだわりを強く持つと仕事が円滑に進みません。「自分がなじみのある仕事手順で仕事をしたい」というこだわりをお持ちの方は、パートで一つの店舗で長く勤務することをオススメします。※ただし、「このやり方は間違っている」「自分のやり方はこうじゃない」といったこだわりを持つ方は、パートでもトラブルになりがちです。

指示に強くこだわる

派遣薬剤師さんには、どうしても「その日からある程度仕事をこなして欲しい」
と即戦力を期待されることが多いです。

先ほどお伝えしたように、薬局は直接雇用している社員では人手が足りないほど忙しいので派遣を活用しているケースがほとんどです。ですので一から説明して研修をするということはしません。そのため「すべて説明されないと、どうしていいかわからない。しかも、自分から質問するのはニガテ」という方は向いていません。派遣の仕事は「投薬」を任せられる場合がほとんどですが、それでも一つ一つの行動に指示を出されないと不安な方は派遣薬剤師として続けていくのは難しいでしょう。「ミスしたらどうしよう」「細かく指示を出してくれないと不安」というような想いが強い方は、研修制度が手厚い薬局でパート勤務することをオススメします。

投薬が苦手な方

繰り返しになりますが派遣薬剤師は、特に単発勤務の場合は業務は投薬ばかりということも少なくありません。どの薬がどの棚にあるのか理解している社員さんやパートさんに調剤を任せ、派遣社員には投薬を任せた方が店舗がうまく回るからです。
調剤のカンが鈍るのが嫌だ、今までの投薬・調剤スキルを活かして働きたい、対人業務よりもコツコツと行う調剤業務の方が性に合っているという方はパート勤務の方が向いているでしょう。

 

「実はパートにむいてない薬剤師」って、こんな人 

薬棚の前に立つ白衣の女性の写真

次にどんな薬剤師さんがパートに向いていないのかチェックしていきましょう。

時給に強くこだわる

派遣薬剤師の方がパートよりも時給が高いということが多いのは事実です。派遣よりも時給が低いというデメリットを受け入れて勤務時間などその他条件を優先して働いているハズですが、人間ですので同僚の時給は多かれ少なかれ気になってしまいます。

なぜ派遣の方が時給が高くなることが多いのかというと、繁忙期など薬剤師不足の場合は通常よりも時給を高くして派遣社員を募集をする必要があるからです。薬剤師が採用できないと、直接雇用の社員やパートさんがが困ってしまうからです。
しかし、パートでも高時給で就業が決定したケースもあります。(詳しくは体験談でご紹介します。)ですので、もしあなたが「派遣でないと高時給で働けない」と思っているのであればその思い込みは捨てたほうが良いでしょう。

時間・休みに強くこだわる

あくまで派遣とパートを比較した場合ですが、薬局さんはパート社員の方が残業を頼みやすいのです。理由は二つあり、まず一つ目は派遣は公的な書面で契約が決まっているからです。二つ目の理由は派遣社員の方が残業代が掛かってしまうということです。
また、シフトの変更に関しても、派遣の場合は契約として決まっている場合が多いため、ムリなシフトの変更はついついパートさんに向かいがちです。
ただし、入社前に残業できない理由や勤務時間にこだわりのある理由を薬局側と共有しておくことで「残業なしで入社したのに残業をする羽目になってしまった」ということは防げるでしょう。

もし自分で伝えるのが不安だという方は紹介会社を通じて伝えてもらうという方法もあります。

場所に強くこだわる

なにかしら時間の制約があってパートを選ぶ薬剤師さんは、「勤務する場所」にもこだわる必要があります。なぜなら勤務する場所によって帰宅できる時間が大きく変わってくるからです。

例えば「19時までに帰宅して、夕飯の準備をしないといけない」というご事情をお持ちの場合、勤務地が家から30分なのと60分では全然違いますよね?必然的に勤務終了しないといけない時間が変わってきます。

意外と意識されていないですが、正社員だけでなく、パートも人事異動で店舗が変わるということがあり得ます。
ただ、「店舗異動があることを覚悟しなければいけない」というわけではなく、「店舗移動の可能性がないと断定することはできない」というレベルなのでそこまで心配はいりません。

 

パートから派遣へ/派遣からパートへ 薬剤師の体験談 

患者さんに薬を渡す女性薬剤師の写真

「パートから派遣」、または「派遣からパート」に雇用形態を変えた薬剤師さんの体験談を記載させていただきます。ぜひ薬剤師さんの実体験に基づく生のお声をお聞きください。

【成功談】派遣 → パート

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薬剤師Mさん
29歳・女性・調剤経験 5年
既婚/子供なし/熊本県在住
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大阪の中規模薬局にて正社員として勤務してきたMさんは、結婚を機にその薬局を退職しました。そして退職後は、扶養内にて103万円を超えないように、月に4~5日だけ単発派遣を活用して働いていました。時給3000円前後で単発勤務をしたほうが、パートよりも効率よく稼ぐことができました。そんな勤務スタイルを1年間続けていたMさんに1つの転機が訪れました。それは旦那さんの実家の熊本に戻ることになったのです。

都市部では単発求人はたくさんありますが、熊本県だとなかなか見つかりません(都市部以外は単発求人は激減します)。そんな状況だったので、Mさんは「せっかくだし扶養から外れて働こうかな。時給も高いし派遣のままでいいかな」と考えはじめ、2店舗を掛け持ちで週4日間勤務をすることになりました。しかし、もともと正社員でバリバリと働いてきたMさんにとっては、「投薬をメイン」で行うことに少しずつ飽きてきてしまいました。「1つの店舗で地に足をつけて働きたい。そこで、色々な店舗を見てきた経験を活かしたい」と考え、パートで働きたいと思うようになりました。しかし一般的にはパートになると派遣よりも時給が下がってしまうもの。そこでアプロの営業担当が、派遣していた薬局の社長と交渉を重ねた結果、なんと派遣のときよりも時給が100円高くパートとしてご勤務できることになりました。

Mさんは「はじめは時給が高くて効率よく稼げる派遣の方がいいなと思っていました。けど、いざ働いてみると『投薬がメイン』の業務だったので、あまりやり甲斐を感じられなかったのが本音です。いまはパートとして、投薬以外のことも任され、薬局内の仕組み等の改善もしています。やらないといけないこと・考えないといけないことは多いですが、楽しく仕事しています」とおっしゃっていました。

【成功談】パート → 派遣 

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薬剤師Kさん
45歳・女性・調剤経験15年
既婚/子供2人/神奈川県在住
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Kさんには、中学生と高校生のお子さんがおり、仕事と家庭の両立を第一に考え、週4回パート勤務をしておりました。その薬局には大きな不満はなかったのですが、ただ時給に関してはちょっとした不満を持っていました。

それはあとから入ってきたパートさんの方が時給が高かったことです。その方は冬の繁忙期に入ってきたため特別に高めの時給で採用されたのです。たった時給100円の違いではありましたが、Kさんとしては納得がいきません。そんな時にアプロのホームページにて、1日から働ける単発派遣の求人を見つけました。毎週だと難しいけど、月2回くらいだったら働く日を増やしてもいいかなと考えていたKさんにとって、1日から働ける単発派遣の求人は非常に魅力がありました。

さらに、時給も2,800円とパートの時給よりも大幅に高く、たったの1日で2万円以上を稼ぐことができました。パートと派遣の掛け持ち勤務を数ヶ月していた中で、派遣のほうが効率よく稼げたため、パートを辞めて全て派遣勤務に切り替えることを決めました。

Kさんの希望は、パート同様の「週4日勤務」「パートよりも高い時給」「社会保険加入」というものでした。結論、全ての条件を叶えることができました。時給に関しては、2,000円から2,800円にアップしたことで、子供達の大学受験に向けた学費の貯蓄を増やすこともできました。

Kさんは、【派遣社員】として働くことで、【パート以上の条件で勤務する】という希望を叶え、【子供達のための学費】を効率よく貯めることができました。

 

おわりに

錠剤と虫眼鏡の写真

この記事をお読みいただきまして、ありがとうございました。お読みいただいて、「私はパートに向いていないかも?」「私は派遣に向いていないかも?」とお感じになられた方もいらっしゃるでしょう。一方、「今のままの働き方が私には合っている」とお感じになられた方もいらっしゃるでしょう。

「パートか派遣」どちらの方が良い・悪いということではなく、あなたの価値観・ライフスタイル・ライフステージに合っているかどうか?がとても重要になってきます。そのため、この記事が2つの働き方を選ぶ際の一助になれば幸いです。

働き方についてお悩みの場合は、キャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの手段です。
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