Last Updated on 2022年3月31日
薬局内は狭い人間関係になりがちといいますが、そのなかでも幅広い年齢や様々な雇用形態の薬剤師さんが働いています。
年齢や育った環境、価値観が違う人とコミュニケーションを取ることに難しさを感じる方もいると思います。
今回は若手とベテランの歳の差に着目して、うまくコミュニケーションを取るためのコツをご紹介します。
私たちは「自分と似た人」が好き
そもそも、なぜ歳の差があるとコミュニケーションがとりにくくなるのでしょうか?
その理由は、私たちは誰しも「自分の似ている人を好む傾向にある」という性質があります。
はじめて会った人でも、年齢近かったり共通の趣味を持っていたりすると、一気に距離感が縮まった経験をしたことはないでしょうか?
歳の差がある=年齢の共通点がないということになるので、年齢の幅が開きすぎていると、とっつきにくい、話しにくい印象を抱きがちなのです。
しかし、歳の差があるから、とっつくにくいからという理由で相手と関わる機会を減らしてしまうのは、仕事の場では悪影響が出てしまうことがあります。
うまく連携ができなかったり、職場の雰囲気が悪くなってしまったり、という具合です。
では、歳の差がある薬剤師とどのようにコミュニケーションを取ればよいのでしょうか?
ポイント①:傾聴
私たちは起きている時間の70%を、何かしらのコミュニケーションの時間にあてています。
その中でも、話すことが30%、聞くことが45%を占めているので、聞き上手はコミュニケーション上手と言われることもあります。
この場合の「聞くこと」とは、相手の話しをじっくり聞いて耳を傾ける「傾聴」を指します。
傾聴の中には、集中して話を聞く、話を促すための質問をする、理解を深めるために言い換えるなどの行動にも組まれます。
この中でも「話を促すための質問をする」ために使えるテクニックをご紹介します。
それは、「クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける」というものです。
クローズドクエスチョンとは、はい、いいえで答えられる質問、オープンクエスチョンとはそうでないものを指します。
例えば、「〇〇さん、仕事のことで話があるの?」というのがクローズドクエスチョン、「〇〇さん、どうしたの?」と聞くのがオープンクエスチョンです。
オープンクエスチョンで尋ねることで、質問された側がゆとりをもって答えることができるため話をしやすくなる、というのは心理学で有名な話です。
ポイント②:妥協点を探す
次に大事なのは、コミュニケーションの30%を占める「話す」ことです。
話すということにおいては、一方的に意見を述べるのでなく、相手にわかってもらう、納得してもらうための話し方を解説します。
意見が食い違ったときに、話し合うという方法を取りがちですが、実はこの話し合うという手段は、問題解決にならないことが多いのをご存じでしたか?
私たちは少なからず「自分が正しい」という思いを持っています。
そんな中で話し合いをして解決を目指すというのは難易度が高いのです。
何か意見が食い違ったときは、最初から妥協点を探すということが重要になります。
妥協にも三つのパターンがあります。
一つ目は「AとBは譲るからCだけはお願いしたい」という、もっともオーソドックスなものです。
これは、自分にとって絶対に譲れない点以外は相手に任せる方法です。
二つ目は「どこまで同意できるかを探る」というもの。
「Cは納得できないかもしれないけど、AとBは意見が同じだよね」というパターンです。
具体的には「もっと枚数を出してというのには納得できないかもしれないけど、お客様を待たせずにテキパキ働くことには納得だよね?」というパターンです。
また、「ゴール地点を変更する」という方法もぜひ活用してみてください。
「ただもっと早く処理して、枚数を出してほしいと思っているわけでないの。でも混んでいて多くのお客様をお待たせしているときだけはスピードを優先してくれないかな?」という具合です。
コミュニケーションが円滑に進む態度、振る舞い
私たちは話す、聞くなどのほかにも、相手への態度やふるまい方でもコミュニケーションを取っています。
たとえば、相手との距離感が近すぎたり遠すぎたりすると不安を感じやすいということや、相手との間に机などの障害物がない方が安心して話し合いができるなどです。
ご紹介した、傾聴する、妥協点を考えることとあわせてぜひ活用してください。
心理学を参考にコミュニケーションの悩みを解決しよう
今回ご紹介した内容は、行動心理学・行動経済学を参考にしています。
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