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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。

求人トピックス

2025.07.04

派遣薬剤師や単発派遣で働きたい人も要確認!「薬剤師賠償責任保険」とは?

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薬剤師は人の命に関わる仕事です。医薬品は病気やケガを治療する大切なものですが、一歩間違えると体に大きなダメージを与えます。たとえば「調剤の単位を間違えた」「似ている名前の薬と取り違えた」といった場合、患者様に思わぬ副作用が出て治療が必要になってしまうケースもあります。

経験が豊富だから問題ない、慣れている職場だから安心、注意深く仕事をしているから大丈夫と思っていても、調剤や投薬、服薬指導のミスで事故やトラブルが起きないとはいえません。トラブルには至らなかったものの、「ヒヤリ・ハット」の経験がある方もいるでしょう。経験が浅かったり、未経験の科目や慣れない職場で働いていたりすると、リスクと隣り合わせともいえます。

過失で患者様に損害・被害を与えてしまった際に、薬剤師を助けてくれるのが「薬剤師賠償責任保険」です。賠償金は薬剤師個人が払いきれる額ではないことも多いため、「もしも」の時に備えて加入しておきたいものです。

今回は、薬剤師賠償責任保険の補償内容、加入方法、転職時に気をつけたいポイントを解説します。安心して薬剤師として働くために、必ずチェックしてください。

薬剤師賠償責任保険とは

「誤った医薬品を渡してしまい患者様が脳梗塞を起こした」「規定の5倍量を調剤してしまい乳児が呼吸困難とチアノーゼを起こして入院」「医師の処方箋の記載が間違っていたことに気づかず調剤して、患者様が植物状態に」。これらは実際に起こった事故です。医師や薬剤師は裁判を起こされ、高額の賠償金の支払いを命じられました。

業務上で生じた過誤によって患者様に損害を与えてしまった場合、賠償責任が発生することがあります。この損害賠償金を支払う制度が「薬剤師賠償責任保険」です。なお、1回の事故につき、損害賠償金は保険金額が限度とされています。

加入の有無は自分で確認

勤務先の法人などが加入しているケースが多いため、ほとんどの職場で薬剤師賠償責任保険に加入できます。正社員、パートやアルバイトなど、雇用形態に関係なく加入できるのが一般的です。派遣の場合、勤務先、または派遣会社が加入しているケースが多いようです。ただ、職場が加入している保険の中には、管理薬剤師のみが支払い対象となっているなど、薬剤師個人の責任が補償されないものがあるので注意が必要です。フリーランスとして働いている場合は、個人で加入します。

薬剤師賠償責任保険への加入は任意ですが、薬剤師には必須の保険といえます。「もしも」に備えて必ず加入しておきましょう。特に転職する際や派遣で働く場合は、薬剤師賠償責任保険の加入の有無を確認してください。その際に補償内容・補償金額に加えて、保険料は誰が負担するのかの確認も忘れずに行いましょう。

補償内容―業務中の事故・トラブルをカバー

保険会社によって異なりますが、業務中に発生した事故・トラブルについて幅広くカバーされるのが特徴です。

調剤した医薬品や販売した商品によって、または服薬指導のミスにより患者様や消費者が健康を害した場合、治療費や通院費、入院費などが発生し、これらは薬剤師が負担しなくてはなりません。この費用を補償してくれるのが薬剤師賠償責任保険です。休業補償や慰謝料を請求された場合も保険がカバーしてくれます。患者様の財産を損壊した場合は、修理費用等が補償されます。

患者様への対応について弁護士に相談する費用も補償される保険が多いようです。加入プランによっては、調剤誤りなどで健康被害は発生しなかったものの、菓子折りをもって見舞いに行った際の費用、クレーム対応にかかった費用も補償されます。

患者様の自宅へ薬を届けに行く際に自転車で交通事故を起こした場合にも、相手への賠償は補償対象になります。なお、自動車での事故は対象外です。

さらに、「陳列棚から商品が落ちて買い物客がケガをした」「店舗の床が濡れていて患者様・買い物客が足を滑らせて転倒してケガをした」「従業員がカートを押して運んでいる時に駐車場に停めてあるお客様の自動車に傷をつけた」といった場合にも補償が受けられます。

ただし、「調剤中に医薬品を落として破損してしまった」「薬局内の備品が壊れた」などのケースは補償の対象外です。それでも十分な補償範囲といえるでしょう。

保険に加入していると、事故発生時にもサポートしてもらえます。事故発生がわかった際は誰でもあわててしまうもの。保険に入っていれば、保険会社に連絡して対応方法、解決法などをアドバイスしてもらえます。専門家がサポートしてくれると思えば、落ち着いて患者様や被害者、そのご家族の話を聞けるでしょう。弁護士を必要とする事故の場合は、弁護士の紹介もしてもらえます。

サイバー攻撃や情報漏洩などを対象とした保険も

日本薬剤師会が提供する薬剤師賠償責任保険には「サイバー保険」というオプションがあります。これは、薬局へのサイバー攻撃や情報漏洩などを対象とした保険です。

近年、病院との情報共有、オンライン服薬指導、在宅医療ではケアマネジャーなど他職種との情報共有など、薬剤師がインターネットを通じて業務を行う機会が増えました。また、レセプトコンピューター(レセコン)の他にも、スマートフォンやタブレットなど、薬剤師が使用する端末も増えてきており、セキュリティの事故が発生する危険性が高まっています。

薬局が保持している情報は患者様の名前、住所のほか、服薬記録などかなりセンシティブなもの。サイバー攻撃されやすい業種でもあるため、万が一に備えることが重要です。

保険に加入していれば、万が一、情報漏洩が起きた場合でも専門家によるサポートが受けられます。具体的には、事故調査、原因究明のほか記者会見実施のサポート、SNS炎上対策などです。個人での加入ではなく法人契約になるため、お勤めの企業が未加入の場合は、上司や経営者に相談してみてください。

保険の加入方法

保険の加入方法には、団体加入と個人加入の2種類あります。まずは勤務先の企業や薬局などの法人が団体加入しているか、加入している場合は薬剤師個人も補償対象になっているかを確認しましょう。

管理薬剤師のみが対象で個人の補償が受けられない場合、フリーランスで働きたい場合などは個人で加入できます。加入する保険によって補償内容や補償額、保険料、追加可能なオプションが異なります。自分にとって最適なものを選んでください。

・日本薬剤師会の会員になって加入する

日本薬剤師会の会員になって加入するのが、最も一般的です。日本薬剤師会の会費は発生しますが、保険料には団体割引が適用されます。

・日本病院薬剤師会の会員になって加入する

日本病院薬剤師会の会員になることで加入できる保険で、病院や診療所で働く薬剤師におすすめです。患者のプライバシーを侵害し、名誉棄損等により訴えられた場合でも補償を受けられます。

・民間の保険に加入する

薬剤師賠償責任保険を取り扱っている民間の保険会社でも加入できます。日本薬剤師会や日本病院薬剤師会の会費の支払いが気になる方は、民間の保険会社の保険を検討するのもよいでしょう。ただ、団体割引が適用されないため保険料が高額なケースが多いようです。

少しでも事故のリスクを減らすための3つのポイント

薬剤師賠償責任保険に加入していれば、万が一の際も安心です。とはいえ、できれば事故は起こしたくないもの。薬剤師は常に「患者様の命を預かっている」という意識を持ち、仕事中は次の点に気をつけましょう。

・疑問に思ったことはすぐに調べる

業務に慣れてきて油断がでてくると、「たぶんこれで大丈夫だろう」と勝手に判断しがちです。しかし、この油断が大きなミスにつながることがあります。少しでも自信がない処方や気になることがあったら、必ずその場で調べるクセをつけましょう。患者様を待たせることになるかもしれませんが、患者様の健康や命を守るほうが大切です。

・常に複数名でチェックする

ひとりではミスに気づけなくても、複数人でチェックすればミスを未然に防げる確率が上がります。既に調剤者と監査者を別の人にする、薬を補充する際はダブルチェックするなど、ミスを防ぐ体制になっている職場が多いでしょう。それでも忙しい場合はついついひとりで作業してしまうこともあります。常にダブルチェック、トリプルチェックを意識しましょう。

・調剤監査支援システムやロボット調剤を導入している職場を選ぶ

ミス防止には機械やシステムの力も借りましょう。今はレセコンに入力した薬剤名と調剤した薬剤を確認できる調剤監査支援システムが登場しています。ピッキングした医薬品を機械にかざせば正誤判定ができるので、人間が薬剤名を読み間違えてしまうというミスはなくなります。

また、薬剤師に変わって秤量や配分、分割、分包などの調剤業務を行うロボットも登場しています。システム・ロボットと人間というチェック体制になれば、ミスが起こる確率は低くなります。個人で導入するのは難しいですが、積極的に導入している職場を選ぶのもおすすめです。

派遣・単発派遣でも薬剤師賠償責任保険へ加入しましょう

薬剤師の仕事において、「自分は絶対にミスをしない」という過信は禁物です。また、「単発派遣だから大丈夫」、そんなこともありません。むしろ、慣れない職場だからこそリスクは高まります。

「派遣で投薬・服薬指導が中心だから事故は起きない」、この考えも危険です。患者様に誤った服用方法を指示してしまったことで患者の容態が悪化し、薬剤師が治療にかかった費用等の賠償請求を受けた事例があり、投薬・服薬指導でも賠償に発展する可能性はあります。調剤をしない場合でも、薬剤師賠償責任保険に加入しておきましょう。

派遣・単発派遣で働く際は、求人内容や時給の高さだけでなく、薬剤師賠償責任保険に加入できることもチェックしてください。派遣会社によって加入条件、加入方法、保険料の負担割合などが異なります。

「アプロ・ドットコム」は薬剤師賠償責任保険の加入費用を全額負担します

薬剤師の派遣・単発派遣求人を数多く扱う「アプロ・ドットコム」では、福利厚生の一環として、派遣薬剤師として働く全員が薬剤師賠償責任保険に加入できます。費用は全額アプロが負担し、派遣就業期間が補償期間です。面倒な手続きも全てアプロが行います。

つまり、保険料の負担や面倒な手続きをすることなく、自動的に薬剤師賠償責任保険に加入できるというお得な制度というわけです。派遣会社によっては派遣社員が保険料を全額負担する、自分で加入手続きする必要があることを考えると、アプロなら安心して仕事に集中できます。

薬剤師賠償責任保険の他にも、アプロならではのメリットがあります。サイトをご覧いただければ、派遣薬剤師や単発派遣の求人の量と質の高さは感じていただけるでしょう。

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派遣社員向けの教育研修も行っています。初めてアプロで派遣として勤務する際は、専用テキストを使用して調剤過誤のヒヤリ・ハット事例を学びます。派遣として慣れない職場で働くからこそ、事例を学んでミスを減らしたいですね。研修受講は勤務として扱われ、給与を受け取れるのもうれしいポイントです。

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