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薬剤師の仕事・キャリア
2025.09.05
薬剤師の年収に関する素朴なギモン&意外なハナシ!男女差は?管理薬剤師は高い?
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年収が高いといわれる薬剤師ですが、実際に自分の年収が高いのか、低いのか、気になっている人は多いでしょう。とはいえ、他人の年収がいくらなのかは、気にはなってもなかなか聞くことはできません。この記事では、多くの薬剤師が気になる年収について、厚生労働省の「第24回医療経済実態調査」などの調査結果をもとに解説します。今後のキャリアプランを考えるなかで、ぜひ参考にしてください。
目次
薬剤師の平均年収は?
年収が高いといわれている薬剤師ですが、実際にはどうなのでしょうか。厚生労働省の「第24回医療経済実態調査(令和5年実施)」では、勤務場所によって下記のような結果になっています。
| 勤務場所 | 平均年収 |
| 病院 | 約569万円 |
| 診療所 | 約729万円 |
| 保険薬局 | 約486万円 |
ただし、この結果にはドラッグストアや小売業、製薬会社などの一般企業で勤務する薬剤師は含まれていません。求人サイトなどによると、近年増加傾向にある調剤併設ドラッグストアや製薬会社などは病院勤務よりも給与が高めの傾向です。
一方で、国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、民間企業の平均年収は460万円です。薬剤師の平均年収は実際に高いことがわかります。
薬剤師の年収は医師・看護師と比べるとどれぐらい?
医療従事者のなかで薬剤師がどれぐらいの年収なのか、気になる人もいるようです。厚生労働省の「第24回医療経済実態調査(令和5年実施)」によれば、下記のような結果になっています。
| 医師の平均年収 | 看護師(看護職員)の平均年収 | |
| 病院 | 約1461万円 | 約521万円 |
| 診療所 | 約1119万円 | 約405万円 |
医師の年収が高いことは一般的に知られていますが、看護師よりも薬剤師のほうが年収は高いことがわかります。
看護師、薬剤師ともに医師と同様に重要な職種であり、人材不足が叫ばれています。ただし、4年制大学や3年制専門学校を卒業後に国家試験を受ける看護師に比べ、薬剤師は6年制の薬学部を卒業する必要があるため、より専門性が問われます。また、看護師の採用枠に比べて薬剤師の採用枠は限られる、ミスがあった場合に薬剤師個人の責任が問われることなどからも基本給が高い傾向があるようです。
薬剤師年収の男女差は?
厚生労働省のデータによると、全国の届出薬剤師数は約32万人、そのうち男性薬剤師は約12万人(総数の約4割)、「女性薬剤師」は約20万人(約6割)となっています。薬剤師は特に女性の割合が多い職種といわれていますが、実際のデータからも女性が多いことがわかります。
年収はどうかというと、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、平均年収(残業代・賞与等を含む)の男女差は次のようになっています。
| 平均年収 | |
| 男性薬剤師 | 約651万円 |
| 女性薬剤師 | 約558万円 |
男性薬剤師と女性薬剤師では93万円程度の差がありますが、それでも民間企業の平均年収である460万円より高いという結果です。
女性の場合は結婚・出産・育児などライフステージの変化を機に勤務時間が減ることで年収が減少したり、年次昇給がしにくかったりすることなどが影響しています。ただ、全産業の平均年収では男性563万円、女性314万円と男女の収入にかなりの開きがあることを考えると、薬剤師は女性が働きやすい職種といえるでしょう。さらに正社員・フルタイムなどの同じ条件で比べた場合、男女差はあまりない傾向です。
管理薬剤師と一般薬剤師では年収はどれぐらい違う?
管理薬剤師も、一般薬剤師と同じく調剤や服薬指導を行います。加えて法令順守、薬剤師や事務スタッフの教育・指導、医薬品取り扱いに関する研修の実施なども行い、医薬品を適正に管理・運用する最終責任者になります。薬機法(医薬品医療機器等法)に基づき、薬局や病院、製薬会社などの企業においては必ず1名以上の管理薬剤師を置くことが義務づけられている役職でもあります。
それでは、一般薬剤師と管理薬剤師では年収にどの程度の違いがあるのでしょうか。「第24回医療経済実態調査」の結果を見てみましょう。
| 平均年収 | |
| (一般)薬剤師 | 約486万円 |
| 管理薬剤師 | 約735万円 |
管理薬剤師になると一般薬剤師よりも年収はかなり高く、およそ249万円の差になることがわかります。責任も重く、役職手当がつくことが大きいでしょう。管理薬剤師になるためには「5年以上の薬局での実務経験」と「認定薬剤師の資格取得」が推奨されています。
今どきの新卒薬剤師の年収は?
「新卒薬剤師」という直接的な分類はありません。目安として、「令和6年賃金構造基本統計調査」の「経験年数0年」の区分で見てみると、平均年収は約409万円です。また、20~24歳の平均年収で見ても約400万円です。
薬学部は6年生のため、同調査で全産業の大学院卒業者の20~24歳の平均年収と比べてみましょう。全産業での平均年収は286万円であり、新卒の時点でも薬剤師の年収はある程度高いのがわかります。国家資格が必要な薬剤師ならではの特徴かもしれません。
数件しかない薬局よりも店舗数が多いチェーンのほうが年収は安い?!
薬局には、地方や限定的なエリアにのみ1店舗または数店舗しかないような中小企業が経営している薬局もあれば、大企業が全国的にチェーン展開している薬局もあります。薬局の規模によって年収は変わってくるのか、保有店舗数ごとの薬剤師の年収を「第24回医療経済実態調査」で見てみましょう。
| 店舗数 | 一般薬剤師の平均年収 | 管理薬剤師の平均年収 |
|---|---|---|
| 1店舗 | 588万円 | 933万円 |
| 2〜5店舗 | 448万円 | 805万円 |
| 6〜19店舗 | 489万円 | 688万円 |
| 20〜49店舗 | 498万円 | 670万円 |
| 50〜99店舗 | 461万円 | 652万円 |
| 100〜199店舗 | 507万円 | 715万円 |
| 200~299店舗 | 486万円 | 673万円 |
| 300店舗以上 | 495万円 | 695万円 |
一般的には大手薬局のほうが年収は高いイメージがあるかもしれませんが、実際には一般薬剤師、管理薬剤師ともに1店舗のみで経営する薬局の年収のほうが高くなっています。
店舗数が多いと人件費も多くかかり、経営コストが膨らみます。大手では福利厚生や研修制度などが充実している分、給与が抑え気味になるところもあるようです。さらに店舗数の多い薬局では薬剤師の人数が多くなります。新人や経験の少ない薬剤師の人数も多いため、平均年収が下がって見えるとも考えられます。
一方で、中小薬局では1人の薬剤師の業務範囲が広くなりがちなこともあり、福利厚生が限定的な分を給与に反映させて差別化を図るという一面があります。
また、大手チェーン薬局では全国一律で給与水準を設定していることが多い傾向です。これに対して人材確保が死活問題の中小薬局では相場よりも高い年収を提示するなど、柔軟な対応をするケースが多いのも要因と考えらえます。
地方のほうが年収は高い?!
都市部になるほど求人数が多く、年収が高いのが一般的です。東京・大阪・名古屋・福岡などの大都市圏で仕事を探すほうが、希望の仕事がより見つかりやすいといわれています。果たして、薬剤師業界ではどんな結果なのでしょうか。
| 順位 | 県名 | 薬剤師平均年収 |
| 1位 | 熊本県 | 約762万円 |
| 2位 | 広島県 | 約716万円 |
| 3位 | 山口県 | 約688万円 |
| 4位 | 新潟県 | 約687万円 |
| 5位 | 大分県 | 約677万円 |
| … | ||
| 14位 | 愛知県 | 約631万円 |
| 23位 | 東京都 | 約609万円 |
| … | ||
| 36位 | 大阪府 | 約570万円 |
| … | ||
| 43位 | 福岡県 | 約540万円 |
| … | ||
| 参考 | 全国 | 約599万円 |
上の図は「令和6年賃金構造基本統計調査」の都道府県別薬剤師平均年収順位を抜粋したものです。上位5位のなかに大都市圏は入っていません。むしろ、山口県や大分県などは人口減少が目立つ地域です。
名古屋市がある愛知県は14位、大阪府は36位、福岡県は43位と、愛知県以外はかなり低い順位です。東京都は全国平均よりは高いものの、23位と中間程度に留まっており決して年収が高いエリアとはいえない結果になっています。
薬局運営には薬剤師が必要ですが、薬剤師資格保有者は都市圏に集中してしまっているのが現状です。薬学部を有する教育機関が都市圏に多く、薬学部を卒業後そのまま就職する人も多いこと、利便性の悪い地方が敬遠されることなども要因に挙げられるでしょう。
その分、地方での人材不足が深刻化しており、需要と供給のバランスが悪い地方の年収が高くなっています。また、同じ県内でも年収の差が見られ、中心街と利便性の悪い郊外では、郊外のほうが年収は高い傾向があるようです。
年収アップを視野に転職を成功させるためのポイント
ここまで、調査結果をもとに薬剤師の平均年収について解説してきましたが、ご自身の年収を客観的に把握できたでしょうか。この調査結果を見て「今の年収に満足いかない」「疑問を感じる」としたら、年収アップをめざして転職を考えるいい機会かもしれません。その際には、ここで紹介する転職する際のポイントも参考にしてみてください。
・勤務先の業態を考慮する
調査結果からもわかるように、勤務先の業態によっても年収は変わってきます。多様な経験ができる病院勤務ですが、平均年収は低い傾向です。ドラッグストアは夜勤やシフト制で働かなければならない面もある一方、給与水準が高めです。製薬会社は求人数が少なくハードルは高くなりますが、専門性や語学力に自信があれば高年収が期待できます。
・可能なら大都市圏から離れ、近郊や地方で勤務先を選ぶ
調査結果の都道府県別の薬剤師平均年収にもあるように、大都市圏ではなく、上位に入る県の地方都市を勤務先に選べば収入アップにつながります。地方勤務が難しくても、大都市圏から少し離れた郊外や近郊なら比較的年収も高くなるでしょう。
・管理薬剤師などのマネジメント職に就く
管理薬剤師になると月額3~5万円程度の役職手当がつきます。またエリアマネージャーなどのマネジメント職になると、さらに収入アップが期待できます。さらに資格を取得することで、資格手当がつく場合もあります。
・転職支援サービスを利用する
転職するというのは一大決心でもあり、転職活動には労力がいります。退職してから転職活動に専念したいところですが、それでは職歴にブランクを作ることになります。評価が下がることにもつながるため、できれば避けたいものです。
ブランクを作らないためには、今の職場で働きながら希望の職場を探しつつ、自分のスキルの棚卸や履歴書・職務経歴書の作成、企業研究や業界動向の把握などをしなければなりません。忙しい薬剤師が自分ひとりでこなすのは大変なことでしょう。
転職支援サービスを利用すれば、その労力や時間を減らし、効率的に次の仕事を探すことができます。また転職支援サービスの求人には、一般に公開されていない非公開求人があります。
大手企業や条件のよい求人は、一般公開してしまうと応募が殺到してしまうため、非公開で募集することが多いためです。だからこそ、個人で探すよりもより希望年収の仕事が見つかる可能性も高くなります。
納得して働きたいなら「アプロ・ドットコム」に相談
年収に納得して働くには、現在の年収を客観的に理解することが大切です。今回の調査結果のような目安や相場、薬剤師業界の特徴や現状を理解したうえで、自分の年収が高いのか低いのかを知る必要があります。とはいえ、人それぞれ状況やスキル、経験は同じではありません。これらの調査結果だけでは本当に自分の年収が妥当なものなのか、年収アップの可能性があるのかどうかを判断するのは難しいものです。
薬剤師に特化し、豊富な求人を扱う「アプロ・ドットコム」には、経験豊富なキャリアアドバイザーが多数在籍しています。業界の最新動向や扱う求人の募集企業についてもしっかり把握しているのが強みです。
キャリアアドバイザーは、それぞれの年収が妥当なものなのか、年収アップの可能性があるかなど、さまざまな疑問に答えることができます。どんな些細な疑問や不安も、まずは相談してみてください。あなたが転職すべきかどうかから、一緒になって考えていきましょう。
さらに正社員、派遣、パート・アルバイトなどあらゆる雇用形態の求人を扱っているので、どんな希望にも対応できるのも「アプロ」の強み。業務内容や就業条件、給与や待遇など、あらかじめ確認して自分の希望条件の職場を探すので、あなたにぴったりの求人が見つかります。だからこそ、年収アップも期待できるのです。
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