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薬剤師の仕事・キャリア
2025.05.09
転職回数が多めの薬剤師は押さえておきたい 面接での自己アピールのポイント

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一般的に転職回数が多いと、転職で不利になるといわれています。ただし薬剤師の場合、全体的に転職回数が多い傾向があり、それほど影響はありません。それでも、30代で3回以上の転職を重ねていると、「採用してもすぐに辞めてしまうかもしれない」「トラブルを起こしがちな人なのかもしれない」と判断され、敬遠される可能性が高くなります。
今回は転職回数が多めの薬剤師に向けて、面接で有利になる自己アピールのポイントを紹介します。
目次
転職回数は何回からNG?
転職回数が〇回ならNGという明確な基準はありません。なぜなら、採用担当者は転職回数よりも薬剤師としての経験、スキルと人柄を重視するためです。
また、職場によっても事情は変わってきます。常に人手不足の調剤薬局やドラッグストアでは、転職回数よりもスキルや就業条件が合致しているかどうかが重視されます。少人数の薬局・店舗では、職場の雰囲気に合うかも大事なポイントです。
病院へ転職したい場合、人手不足感が強い職場では転職回数の多さは、それほど考慮されません。しかし、人員が充足傾向の職場ではやや避けられる傾向です。日本の製薬会社は新卒一括採用の風土が強いため、転職そのものが難しいといえます。なお、外資系製薬会社は積極的に中途採用を実施しており、転職回数にも比較的寛容です。
転職回数が多いと不利になるからと、転職回数を少なく伝えるのは絶対にNG。嘘がばれた場合、経歴詐称で解雇になる可能性があります。解雇にならなくても上司や採用担当者の信用を失うことになるので、居心地が悪くなり短期間で再度転職活動をすることになりかねません。
では、転職回数を正確に伝えつつ、転職回数の多さが不利にならない、むしろ有利にするためにはどのようにしたら良いのでしょうか。
1.転職理由をポジティブに伝える
転職を決断した理由があるはずです。そして面接では必ず転職理由を聞かれ、転職回数が多い人ほど深堀りされる傾向があります。履歴書や職務経歴書に記載する志望動機、自己アピールにも転職理由は絡んできます。書類に記載されている転職理由と面接で話す理由が異なる場合、「本当の転職理由がわからない」「嘘をついているのではないか」と判断されてしまうこともあるようです。
面接で詳しく話せれば良いと考えて、適当な転職理由を書類に記載しておくと墓穴を掘ることになりかねません。転職理由に一貫性があることが大事なので、早めに準備をしておきましょう。
転職理由は人それぞれですが、ネガティブな理由だったとしてもポジティブに変換して伝えることが大切です。前向きに働く意欲がある、長く働いてもらえそうという印象を採用担当者に与えることで、転職回数の多さをカバーできます。
ここからは、よくある転職理由と対応例を紹介しましょう。
・人間関係の悩み
転職理由の多くは人間関係の悩みです。ひとり薬剤師は別ですが、多くの場合、管理薬剤師や上司が薬局・店舗を管理するなか、他の薬剤師と協力しながら仕事を進めます。人間同士に「相性が合う・合わない」があるのは当然です。
しかし、転職理由として前職の人間関係の愚痴を語るのはNGです。「協調性がない」「コミュニケーション力が低い」「他責思考で人間関係のトラブルを起こしそう」と判断され、採用をためらわれてしまう可能性があります。
人間関係の悩みが転職理由の場合、さらに詳しく原因を考えてみましょう。少人数の職場の密な関係が苦手だ、個人主義の職場が苦手だ、自分と似た境遇の人が少ないなど、自分なりの理由が見つかるはずです。
これらをポジティブに変換しましょう。大勢の薬剤師が活躍する職場で刺激を受けながら働きたい、良いチームワークのなかで働きたい、子育て中の薬剤師が多い職場で働きたいなどが挙げられます。新しい環境で新しい仕事に挑戦したいと前向きな転職理由にすることで、意欲的に働いてくれそう、戦力になってくれそうと採用担当者は判断します。
・給与が低い、待遇が悪い
「給与をUPさせたい」「いい待遇の職場で働きたい」と考えるのは当然のことです。しかし、転職理由で「給与が高いので御社を志望した」「福利厚生が充実している御社で働きたい」など、ダイレクトに伝えるのは避けましょう。さらに待遇の良い職場が見つかれば、すぐに退職してしまうイメージを与えるうえ、患者様に向き合って仕事をする意欲が感じられなくなるからです。
「キャリアアップを実現したい」「自分の望むキャリアが御社でなら実現できる」「専門性を高めて収入面でも高みをめざしたい」など、今まで以上に仕事に打ち込む意欲があること、長期的なキャリアを考えて転職していることを伝えましょう。
前職で研修や指導体制が充実していなかったため、「研修やフォローが充実しているから」と志望理由を伝える際は要注意です。あくまでも職場は仕事をする場所であって、勉強をさせてもらう場所ではありません。
自ら学ぶ姿勢を見せつつ、「職場環境が整っている御社なら、さらなるキャリアアップをめざせるから、」「専門性を高めて患者様の役に立ちたいから」など、受け身と思われないように伝えましょう。
・仕事が単調でつまらない、飽きた
扱う科目が少ない調剤薬局の場合、同じような調剤が続き仕事がつまらないと感じるかもしれません。だからといって、そのまま伝えるのはNGです。転職先も同じような環境だった場合、数年後に転職していくかもしれないと判断され採用か遠のきます。
また、調剤薬局、ドラッグストア、調剤薬局のように、前回経験した業態に戻って来たり、さまざまな業態を行ったり来たりしている場合、キャリアに一貫性がない、何を目的に転職しているのかわからないと判断され、転職理由を深堀りされる可能性が高まります。
「これまでの経験を活かして新しい仕事にチャレンジしたい」「苦手な分野・得意な分野を伸ばせる環境で働きたい」「さまざまな業態・科目を経験して仕事の幅を広げたい」など、キャリアに絡めて伝えるようにしましょう。
・やむを得ない理由はそのまま伝えてOK
「育児や介護をする必要がある」「家族の都合で引っ越しする」「前職の経営悪化・倒産」「病気やケガをした」など、やむを得ない理由は正直に伝えても問題ありません。むしろ正直に話したほうが転職回数の多い理由が明確になり、トラブルを起こしがちな人という印象を与えないため、いいともいえます。
2.以前転職した理由は、クリアしていることを伝える
複数回転職をしている場合、その転職理由は全て同じでしょうか。たとえば、1回目の転職で希望する働き方・キャリアを実現できなかった、2回目の転職でも実現できずに3回目の転職を希望しているとします。
面接でそのことを伝えると、採用担当者は「どのような職場でも満足できない人」「明確な目的を持って転職活動をしていない人」「飽きっぽい人」「すぐに辞めてしまう可能性が高い人」と判断するかもしれません。
「前回、転職したときの悩みは、転職先の職場で達成できた」「そのうえで新たに挑戦したいことや伸ばしたいスキルが明確になったから転職する」など、キャリアについて真剣に考えて転職活動をしていることを伝えましょう。これによって、数ある調剤薬局やドラッグストアのなかからこの職場を選んだ理由も明確になり、より熱意が伝わります。
病気やケガが原因で負担が少ない職場に転職したものの、回復してフルタイムで転職する場合、既に治療が終わっている、仕事に影響がないことを伝えましょう。
3.キャリアを通じて得た経験・スキル・強みを具体的に伝える
採用担当者は転職回数よりも、どれだけ職場に貢献してくれるかを重視します。そのため、持っているスキルや経験、強みをアピールすることが大切です。特に、認定薬剤師や専門薬剤師の資格を持っている場合は、採用で有利になるほか給与面でも優遇されることがあるため必ず伝えましょう。
経験豊富な科目や得意な科目は、仕事内容について詳細に説明します。たとえば、1日に扱ってきた平均的な処方箋枚数など、具体的な数字を使って説明できると客観性が増します。さまざまな業種、科目を担当した経験は、どのような科目でも対応可能というアピールポイントになり、総合病院前や駅前など、多くの科目の処方箋が持ち込まれる調剤薬局やドラッグストアに転職する際は有利になります。
また、リーダーや新人教育担当などのマネジメント経験、かかりつけ薬剤師の経験がある場合も大きなアドバンテージになるため、必ずアピールしましょう。在宅医療などに注力している職場への転職をめざすなら、在宅医療の経験は重宝されます。
数値で表現できなくても、業務改善案を提案して結果を出した、投薬での説明がわかりやすいと患者様から好評だったというエピソードも好印象です。即戦力として活躍してくれそうという印象を与えられれば、転職回数が多くても不利になることはありません。
まず、自分にはどのようなスキルがあるのか、何を強みとしているのかを把握することが大切です。これまでの経験を全て書き出す「キャリアの棚卸」を行いましょう。その後に企業研究を行い、その職場でアピールするスキルを選ぶことで、強みを効率的にアピールできます。
職場別にアピールできる強みの具体例を紹介しましょう。
・調剤薬局
投薬・調剤経験が豊富なことは高く評価されます。経験がある科目、経験年数、1日に扱っていた平均的な処方箋枚数を伝えると、客観的にスキルが伝わります。薬局の規模を問わず、患者様から評判が良かった、チームワーク経験が豊富、リーダシップがあることも有利になります。かかりつけ薬剤師として働いた経験も高く評価されるため、どのような仕事をしていたのか、具体的に説明しましょう。
・ドラッグストア
調剤薬局同様、投薬・調剤経験が豊富なことはアピールポイントです。また、調剤薬局と異なりドラッグストアではOTC医薬品の販売、健康相談、品出し、レジ打ちといった小売業の仕事も行います。どのようなOTC医薬品販売をしていたのか、どのような点に気をつけていたのかなど、仕事内容を詳しく説明しましょう。投薬・調剤に加えて小売業経験もある場合、即戦力として活躍できると判断されるケースが多いようです。
4.志望動機を強くアピールし、長く働きたいことを伝える
採用にはコストと時間がかかります。採用担当者は戦力になるかはもちろん、「長期的に働いてくれるか」も重視しています。「長く働きたい」と言葉だけで伝えても、それが本当かどうかは判断できません。行動で示すことが大切です。
薬局やドラッグストアの経営方針や理念を確認する、業務内容を詳細に調べるといった企業研究を行いましょう。すると、「なぜこの職場で働きたいのか」という志望動機が明確になり、熱意と真剣さが伝わります。本気度も伝わり、長く活躍してくれそうと判断されるので採用にぐっと近づきます。
転職回数が多いと生涯年収の面で不利になることも
転職回数の多さはスキルや経験でカバーできますが、転職回数が多いと生涯年収が少なくなる可能性があります。
日本はまだまだ年功序列の職場が多い傾向です。転職回数が多いと同じ職場で年次を重ねられないため、昇進・昇給が遅れることがあります。管理職経験があれば管理職待遇で転職することもできますが、ある程度年次を積まないと管理職になるのが難しい職場もあります。
企業の規定によりますが、勤続年数が少ないと退職金が少ない、または受け取れない可能性も。新卒から同じ職場で働いてきた社員と比較すると、年収や生涯年収が少なくなる可能性があるため、できることなら少ない転職回数で自分にあった職場を見つけたいものです。
長く安心して働ける職場を見つけるなら、転職支援サービスの活用を
自分の経験やスキルを客観的に見つめることは難しいもの。特に働きながらの自己分析、企業研究は時間の確保が難しく、負担が大きくなりがちです。
だからこそ、薬剤師の転職支援に実績がある転職支援サービスを活用しましょう。全業界の転職支援を行っている企業よりも、薬剤師支援に特化しているサービスがおすすめです。薬剤師業界のあるあるや、攻略ポイントをしっかりと把握しているので、ピンポイントで適切なアドバイスを受けることができます。求人情報からではわからない職場の雰囲気なども担当者が把握していることが多く、ミスマッチを防いで理想の職場がみつかります。
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