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病院・薬局トレンド
2026.05.12
薬剤師の採用や評価が変わる?2026年調剤報酬改定のポイント
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「かかりつけ薬剤師指導料が廃止」「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・かかりつけ薬剤師訪問加算が新設」など、2026年の調剤報酬改定は薬剤師の評価軸や働き方を大きく動かす内容です。「対人業務・在宅訪問の評価」「在宅業務ができる薬剤師やかかりつけ薬剤師の積極採用」も強まると考えられます。
これからの転職活動や職場選びを考えるうえで、改定の中身は早めに押さえておきたいテーマです。点数の動きが評価制度・採用基準に直結するため、現場で働く薬剤師にとっては他人事ではありません。
この記事では2026年調剤報酬改定の全体像をわかりやすく伝え、これから求められる薬剤師の条件についても解説します。
目次
2026年調剤報酬改定の全体像
2026年改定の主要なトピックは、以下の5つです。
・改定率が30年ぶりの大幅プラス
・新設される評価料の2段階改訂(2026年6月と2027年6月)
・賃上げと物価に対応する2つの評価が新設
・調剤基本料と集中率の厳格化
・地域支援・医薬品供給対応体制加算の再編
今回の改定は、「立地で稼ぐ薬局」から「患者様に関わる薬局」へ、国が本気で転換を迫った内容です。処方箋応需の場所選びだけで収益が上がる時代は終わり、患者様への継続フォローや在宅対応、多職種連携といった機能を磨いた薬局が評価される構造へと変わっていきます。
改定の効力は2026年6月から段階的に発生し、一部の評価料は2027年6月にさらに見直される予定です。すぐに影響が出る項目と、来年さらに変わる項目があるため、薬剤師としても2段階で動きを追っておくのがいい構え方です。
ここからは、薬剤師の働き方・評価・採用に直結する3つのポイントを解説します。
2026年改定の3つのポイント
①門前薬局への規制強化
門前薬局は病院やクリニックのすぐそばに立地し、その医療機関の処方箋をほぼ専門に受けているため、立地さえよければ経営が成り立つ構造が長年続いてきました。今回の改定では、調剤基本料1のハードルが大きく上がりました。
これまで「月2,000回超かつ集中率95%超」だった基本料2の対象基準が、「月1,800回超かつ集中率85%超」に広げられました。これにより、「月2,000回以下だから基本料1で収まっていた」多くの門前薬局が、一気に基本料2へ引き下げられるものと見込まれています。
具体的な点数は、調剤基本料1が45点から47点へ、基本料2は29点から30点へ。プラス改定とはいえ、対象基準が厳しくなったことで、これまで基本料1で運営していた薬局のうち、相当数が基本料2に移行することになりそうです。
また、東京23区や政令指定都市など都市部での新規開局が規制されたり、門前立地への薬局新設を抑制する「門前薬局等立地依存減算」(15点)が新たに設けられたりと、立地そのものへの依存を抑える仕組みが整えられました。同一敷地内の複数の医療機関を1つの医療機関とみなすルールも設定されています。
調剤管理料も区分が変更されました。長期処方(28日分以上)は60点、短期処方(27日分以下)は10点と、長期処方に高く配点される構造です。薬局の収益構造そのものに、「立地から機能へ」のメッセージが強く反映されています。
②対人業務・かかりつけ薬剤師の評価強化
今回の改定でとくに大きな変化が、かかりつけ薬剤師の評価です。「かかりつけ薬剤師指導料」(76点)が廃止され、「服薬管理指導料」(45点または59点)に統合されます。改定後の服薬管理指導料は、「かかりつけ薬剤師が行った場合」と「それ以外」に区分され、かかりつけ薬剤師として動いた実績そのものに点数が付く形に整理されました。
さらに、継続的なフォローを評価する新加算が2つ設けられています。ひとつ目は「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」(50点、3か月に1回)。患者様やそのご家族の求めに応じ、電話などで服薬や残薬の状況を継続的に確認し、必要な指導を行った場合に算定できます。ふたつ目は「かかりつけ薬剤師訪問加算」(230点、6か月に1回)。患者様宅を訪問して残薬整理・指導を行い、医療機関に情報提供した場合に算定できる加算です。
これを見ると、「かかりつけ薬剤師という立場そのものの評価」から「具体的な行動への評価」へと、評価軸が大きく変わったことがわかります。同意取得型の制度が中心だったこれまでの仕組みから、フォローアップや訪問などの実績を上乗せで評価する仕組みへの転換です。
これからは、「かかりつけ薬剤師であること」より「かかりつけ薬剤師として動くこと」、つまり患者様に「あなたにお願いしたい」と思ってもらえる関係性をつくる動きが評価のカギになっていきます。
③在宅医療への積極的な評価
在宅薬学総合体制加算の見直しにより、薬剤師が薬局の外に出て行く業務、つまり在宅医療や多職種連携への評価が手厚くなっています。具体的には、基本的な在宅体制を評価する「加算1」が30点。さらに高い実績や人員配置が求められる「加算2」は50点、または100点と手厚く設定されました。
とくに単一建物診療患者が1人の場合(個人宅への訪問など)に100点という高い評価がつくのは、施設への訪問以上に手間のかかる「居宅(個人宅)への在宅対応」を国が強く後押ししている狙いがあります。在宅対応を本気で進めている薬局ほど、収益面でも厚く報われる仕組みになっています。
新設された加算も注目したいポイントです。「訪問薬剤管理医師同時指導料」(150点)の新設により、医師の診察中に薬剤師がその場で残薬確認・副作用チェック・処方相談を行えるようになります。患者様にとっては診察と薬の調整がワンストップで進む大きなメリットがあり、薬剤師にとっては医師との対話の場がそのまま評価につながる流れです。
また、「複数名薬剤管理指導訪問料」(300点)の新設で、複数名での訪問も評価対象になりました。同行者は薬剤師以外の職種でも対象になるなど、多職種連携が強く推奨されています。看護師やケアマネジャーといった他職種と一緒に患者様宅を訪れて支援する動きが、今後さらに広がっていきます。
地域包括ケアの推進が国全体で進むなか、薬剤師が「地域の医療チームのメンバー」として認知される機会も、これまで以上に増えていきそうです。今後は、「薬局は在宅訪問サービスを実施しているのが当たり前」になるかもしれません。
知っておきたい賃上げ・処遇の変化
2026年改定では、薬剤師個人の給与や働き方に影響する制度面の見直しも複数行われました。今回の改定全体の流れとして、厚労省は「機能評価」と並んで「医療従事者の処遇改善」を重要テーマに据えており、薬剤師の現場にもその恩恵が届く構造です。
ひとつ目は、「調剤ベースアップ評価料」の新設です。処方箋受付1回につき4点が算定され、令和9年(2027年)6月には8点へ倍増される予定です。算定要件として、得られた収益は全額を薬剤師・事務職員の賃金改善に充当することが定められており、制度的に処遇改善が後押しされる仕組みです。「待遇は変わらないだろう」と感じてきた現場にとっては追い風です。
ふたつ目は、かかりつけ薬剤師の要件緩和です。これまで勤務時間は週32時間以上が要件でしたが、週31時間以上に緩和されました。在籍期間の要件も「1年以上」から「6か月以上」に短縮され、育休復職時には在籍期間の合算も認められるようになっています。出産・育児で一度キャリアが中断したママ薬剤師も、復帰後にかかりつけ薬剤師として活躍しやすい環境が整いました。
薬局側の要件も整理されています。「常勤薬剤師の平均在籍期間1年以上」または「管理薬剤師3年以上の在籍」が必須項目となっており、職場の安定性が客観的な指標として「見える化」されています。
これから職場を選ぶ薬剤師にとっては、薬局の安定度や定着率を見極めるうえで参考にできるポイントといえるでしょう。若手は安定した職場、ベテランはキャリアを活かせる立場と、各段階で恩恵を受け取りやすい改定ともいえます。
採用・評価はどう変わる?薬局のこれから
今回の改定により、薬局経営は大きな転換期を迎えます。これまで「立地のよさ」で成り立っていた薬局は収益が圧迫され、逆に在宅対応やかかりつけ機能に力を入れている薬局が評価されるようになります。
薬局の経営が変われば、薬剤師の採用にも変化が起こります。これからは、「在宅訪問の経験がある薬剤師」「かかりつけ薬剤師として患者様を継続フォローできる薬剤師」を積極的に採用・評価する動きが広がるといわれています。
給与や評価制度を見直す薬局も増えるでしょう。新設される「調剤ベースアップ評価料」によって薬剤師と事務職員の賃上げが制度的に後押しされる点も、これからの転職活動で意識したいポイントです。
薬剤師個人として備えておきたいのは、自分の実績を明確にしておくこと。在宅同行の経験、フォローアップ件数など、これからの評価軸に直結する経験は、職務経歴書でも面接でも武器になります。「実績の言語化」をいまから意識しておくと、改定後の採用市場で動きやすくなります。
「あれもこれもやってきた」と曖昧にせず、件数や具体的なエピソードで残しておくようにしましょう。普段の業務を記録しておくかどうかで、転職のタイミングで差がつくケースもあるようです。
これから求められる薬剤師とは?
今回の改定が示す「これからの薬剤師像」を見てみましょう。共通するのは、薬剤師自身が動いた実績を、目に見える形で残せる人材であることです。
患者様と継続的な関係を築ける薬剤師
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算や訪問加算が示すように、これからは1回の調剤で完結するのではなく、電話での服薬確認や自宅訪問など、処方箋の外側でも患者様と接点を持ち続けることが求められます。
「この薬剤師に任せたい」と思われる存在になること、つまり信頼関係の構築がより重要になっていきます。日々の声かけや残薬のヒアリングなど、地味な行動を積み重ねることが、より大切になっていくでしょう。
医療チームの一員として動ける薬剤師
訪問薬剤管理医師同時指導料の新設が象徴するように、薬剤師は薬局のカウンターの内側にとどまらず、医師の診察の場に同席するなど多職種と連携しながら、患者様を支えるチームの一員として役割を担います。看護師やケアマネジャー、訪問看護のスタッフなど、他の専門職とどう協働するかも問われていきます。
「薬のプロとして、医療チームにどのように貢献できるか」を常に意識できる人材が、これからの主役です。専門職同士のコミュニケーションスキルや、医師に処方提案ができる薬学的な判断力も、合わせて磨いていきたい力です。
在宅業務に関わる意欲やスキルを持つ薬剤師
改定の評価軸が「かかりつけ薬剤師であること」から「かかりつけ薬剤師として動くこと」へ移った点は、大きなポイントです。在宅訪問に出向き、残薬整理をし、医療機関へフィードバックする。こうした動きができる薬剤師が、これからは評価される存在になります。
在宅経験のキャリアは、今後の転職市場でも大きな武器です。「在宅業務ができる薬剤師」の価値は、間違いなくさらに高まっていきます。経験ゼロからでも、研修制度の整った職場であれば現場で身につけられるので、未経験という人も尻込みする必要はありません。
「アプロ・ドットコム」の求人で次のキャリアを
2026年の調剤報酬改定により、在宅業務ができる薬剤師やかかりつけ薬剤師を積極採用する薬局が増えていきます。「今後のキャリアを考えて在宅業務の経験を積みたい」「薬剤師としてどう働いていけばいいのかわからない」と感じたら、ぜひ「アプロ・ドットコム」に相談してください。
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