スタッフブログ
薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。
薬剤師のライフスタイル
2025.10.28
「トラベル薬剤師って、やっぱり楽しい!」 体験者に魅力とメリット、注意点、事前準備を聞いてみた!
- 派遣
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- トラベル薬剤師
- 住居付き
派遣薬剤師はアルバイト・パートと比べると高時給の求人が多く、ライフスタイルに合わせて働けるのが魅力です。そのなかでも、「地方×住居付き×高時給」で全国を旅しながら働く派遣薬剤師は「トラベル薬剤師」と呼ばれることもあります。
正社員とは全く違った働き方ですが、薬剤師が不足している地方都市にとっては助けとなり、薬剤師自身にとって未知のエリアで地域医療に貢献できます。
今回は、そんなトラベル薬剤師としてアプロ・ドットコムを通じて働くYさんに、始めたきっかけや実際の働き方、新しい土地での暮らしや住まいについてなどについてお話を伺いました。Yさんの生の声で、トラベル薬剤師のリアルをお伝えします。
目次
「住居付き派遣」という働き方を知ってトラベル薬剤師へ
調剤併設のドラッグストアに勤務後、調剤薬局の正社員として勤務していたYさんですが、数年前からアプロ・ドットコムの派遣薬剤師として働いています。正社員勤務のなかで忙しさから体調を崩したことをきっかけに、休職を経て派遣から再スタート。当初は、一般的な派遣薬剤師として働き始めました。
それまで正社員としての経験しかなかっただけに、派遣に転職した当初はYさん自身もご両親も、派遣で生活していけるのか不安を感じていたといいます。それでも働き始めてから、徐々に仕事に対する自信を取り戻し、ご両親も背中を押してくれたそうです。
そんななかで、各地を旅しながら働きたいという想いが芽生えてきました。理想の働き方にマッチしたのが、派遣の担当者から紹介された「住居付き派遣」。Yさんのトラベル薬剤師生活は、ここからスタートしました。
最初は不安しか感じず迷いがあったが、一歩踏み出したことで充実した派遣ライフに
最初の住居付き派遣の話が来た時は、実は迷ったというYさん。紹介されたのは初めて行く地域で、「関東圏でしか勤務経験がない自分がやっていけるのか」「人間関係や文化になじめるのか」と、全てが不安だったそうです。
それでも旅行好きだったことと、契約期間が1ヵ月だったこともあり、この時期だけ楽しむという気持ちで引き受けました。当時は、この経験が後のトラベル薬剤師生活につながるとは思いませんでした。
「実際に行ってみたら、職場の人ともすぐに仲よくなれました。その後、さまざまな地域で働いたのですが、送別会を開いてくれる職場もありました。行く先々でいい人間関係に恵まれて、一歩踏み出してみて本当によかったと思っています」
誰でも初めての土地で働くのには不安を感じるものですが、Yさんのように思い切って飛び込んでみると、心配無用だったという声は案外多いものです。派遣薬剤師なら、不安や悩みがあっても派遣会社のサポートを受けられます。基本的に短期契約なので、万が一職場が合わなくても、契約満了後に次の仕事を探せます。
住居はマンションやビジネスホテルが多い
住居付きの派遣薬剤師求人は、派遣先もしくは派遣会社が家具付きの住居やビジネスホテルなどを用意します。地方の求人が多いのが特徴で、引っ越し費用や生活費を抑えることができるのがうれしいポイントです。実際にどんなところに住むのか、住宅事情は気になるところでしょう。Yさんがこれまでに経験したのは家具・家電つきマンションやビジネスホテルです。
新生活の準備にお金をかけず、すぐに暮らせるのが家具・家電つきマンションのメリット。必要なものはひと通り揃っているため、炊飯器を買う程度で済むそうです。キッチンが狭い場合もあるようで、「自炊希望者や料理好きには少しストレスかもしれませんが、工夫次第で快適に過ごせます」とYさん。ビジネスホテルの場合は、光熱費も掃除も不要です。

各地で働きながらその土地ならではの発見や経験ができる
これまで東北や北関東などで働いてきたYさんは、現在岐阜県で勤務しています。これまで働いたどの土地も、それぞれに魅力があり、気に入った町に再び行くこともあるそうです。現在働く岐阜県の職場は、買い物に困ることもなく、東京に行くにも2時間圏内。今までで1番快適な生活ができていると感じているようです。
地域によって生活スタイルが大きく変わると実感するとともに、その土地ならではの食や方言に触れられるのも楽しみのひとつといいます。「実際に生活してみれば、その土地の本当のよさに気づけますね」と、トラベル薬剤師ならではの魅力を語ってくれました。
「同世代がいて、ある程度の人数がいる職場」という条件を提示するなど、できるだけ働きやすい環境を優先しているというYさん。行きたい地域で探すのも選択肢のひとつですが、Yさんのように自分なりの条件をしっかりと提示すれば、働きやすい環境が見つかります。
収入は正社員時代の1.6倍に
薬剤師の場合は、通常の派遣でも高時給ですが、住居付き派遣はさらに時給が高い求人が揃っています。時給3,500円~4,000円の求人が多く、時給4,000円以上も珍しくはありません。特に寒い地方や繁忙期などは時給が高くなる傾向があります。
Yさんは、トラベル薬剤師として1年働いたら、正社員時代の1.6倍の年収になったといいます。住居付きなら支出が抑えられるうえに、好条件の求人に出会えれば高年収につながります。基本的に派遣には住宅手当や家賃補助などはありませんが、Yさんは貯金をしながらジムに通ったり趣味のサウナを楽しんだりと、ゆとりのある生活を楽しんでいるようです。
残業はほぼゼロ!自由な時間が劇的に増加
トラベル薬剤師として働き始めてからの最も大きな変化は、「残業がほぼなくなった」ことだそうです。正社員時代に体調を崩した原因のひとつは残業だったのですが、派遣は定時で終われる仕事ばかりで、自由な時間が大幅に増えました。
「正社員時代は、過食で体重が増えてしまいました。派遣になってからはジムに通う時間もできて、自分の健康と向き合えるようになりました」
時間的・精神的余裕ができることで、生活の質も大きく向上しているようです。とはいえ、正社員の方々が残業でがんばっているときは、定時で帰る際に気を遣うそうです。
派遣社員は契約にない時間外労働を断れるので、残業をせずに帰ること自体に問題はありません。Yさんのように気になってしまう人もいるかもしれませんが、ここは派遣だからという割り切りも必要です。
さまざまな処方を扱うことで即戦力としてのスキルがアップ
働く場所が変われば、扱う処方箋の種類や枚数も変わってきます。トラベル薬剤師を始めた当初は、「処方箋の量が違うので、どこでもやっていけるのか不安があった」というYさん。さまざまな処方箋を扱う忙しい店舗での勤務を重ねることで、即戦力としてのスキルが身につきました。
「派遣は即戦力を求められるので、手際の良さと正確さの両方が必要です。どうすれば店舗にとってプラスになれるかを常に考えるようになり、実践的なスキルを磨くことができました」
派遣薬剤師は、人材不足や急な人員確保で募集されることが多く、即戦力が求められるのは事実ですが、基本的には調剤のスキルがあれば働けます。Yさんのように経験を重ねて調剤のスキルを高めれば、トラベル薬剤師としても十分活躍していけます。
トラベル薬剤師ならではの苦労もある
魅力が多いトラベル薬剤師ですが、もちろん苦労もあります。「勤務先が変わるたびに、業務を覚え直さなければならないのは負担ですね」とYさんもいっています。各地を旅しながら働くということは、職場ごとに処方箋の傾向、システム、業務フローが異なるため、そのたびに学び直す必要があるということです。
とはいえ、全く未経験の仕事をするわけではありません。職場経験を重ねていけば、慣れてくることもあるでしょう。どんな職場でも、新しい職場では覚えなければならないことはあります。疑問や不安は、確認・質問などして最初に明確にしておくといいでしょう。
また、仕事が変わるたびに人間関係も変わります。「スタッフの名前をメモしてでも、初日に全部覚えるようにしています」とYさん。人間関係をしっかり築くことで、コミュニケーションが取りやすくなり、業務もスムーズに進むからです。
人間関係が良好なのはいいことですが、仲よくなりすぎると別れるのがつらくなります。Yさんは、「適度な距離感を保つように心がけている」そうです。契約が終われば、どんなにいい関係であったとしてもその職場を離れなければならず、ほどよい距離感が人間関係のポイントのようです。
派遣だからこその不安も感じるというYさんは「結婚など将来のライフステージを考えた時に、この働き方で大丈夫なのかという不安はある」と本音を漏らしています。正社員に戻った時のことを考え、収入が増えてもなるべく正社員時代の暮らし方を維持するよう、将来を見据えた生活を心がけているといいます。
今の働き方に不安があったとしても、さまざまな雇用形態に転職しやすいのが派遣の魅力でもあります。Yさんのように、現在は派遣で働いていても将来的には正社員をめざすことができるのもメリットといえるでしょう。

トラベル薬剤師という働き方がおすすめの人とは?
それでは、どんな薬剤師ならトラベル薬剤師に向いているのでしょうか。ご自身も正社員ではない働き方を模索し、派遣として働き始めたYさんは、「自分のライフスタイルに合った働き方を選びたい人におすすめ」といっています。
旅行が好きな人も向いているそうです。実際に生活してみることで、旅行で訪れるだけではわからないその土地の本当の良さに気づけるのも大きな魅力です。「どこに行っても楽しめるような人であれば、すごく向いていると思います」というYさん自身も、トラベル薬剤師という働き方を楽しんでいます。
さらに、高収入をめざしたい人にもおすすめのようです。Yさんにとっても高時給は魅力であり、住居付き派遣で働く理由のひとつだったといいます。東北のような雪が深い地域では高時給の派遣求人が多く、雪に慣れている人や苦にならない人、雪国に住んでみたいという人は仕事もプライベートも楽しめるでしょう。Iターン・Uターン就職を考えている人にもおすすめです。
各地での経験で地元のよさを再発見
今後もトラベル薬剤師を続けようと思っているというYさんですが「将来的には地元に戻りたい」という想いも持っています。さまざまな土地を巡るなかで、改めて利便性もよく、おいしい魚介が豊富な地元のよさに気づいたそうです。
加えて最近は、年齢を重ねた親の近くにいたほうがいいのではないかと感じるようにもなったといいます。各地を旅することで地元のよさを再発見したり、あらためて自分の将来を考えたりするのも、トラベル薬剤師の「あるある」なのかもしれません。
「気になる」「話を聞いてみたい」なら、まずは情報収集から!
国家資格が必要な薬剤師は全国どこにでも求人があるだけでなく、好条件で働けるのが大きなメリットです。加えて今回紹介したYさんのように旅行好きな人、さまざまな土地でいろいろな経験をしたい人にとって、住居付き派遣薬剤師は魅力的な働き方だといえるでしょう。
経験者の話は説得力があり、具体的なイメージも湧くものです。この記事を読んで「興味が出てきた」「これなら自分にもできるかもしれない」と思ったら、まずは情報収集から始めてみましょう。
トラベル薬剤師に興味がある方は、「アプロ・ドットコム」にお問い合わせください。アプロ・ドットコムは薬剤師業界に特化し、25年以上の実績がある人材サービスで、トラベル薬剤師として働ける派遣求人も豊富に扱っています。無料サポート登録をすれば、薬剤師の採用動向に詳しいキャリアアドバイザーがカウンセリングを実施します。
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