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薬剤師の仕事・キャリア

2025.12.26

在宅医療で活躍する薬剤師の仕事・メリット・収入・将来性

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高齢化が進む日本では、在宅医療の重要性・必要性が高まるにつれ、在宅薬剤師の需要も伸びています。今回は、在宅薬剤師の実際の仕事内容や調剤薬局で働く一般的な薬剤師との違いについて、わかりやすく紹介します。

在宅訪問薬剤師とは?

患者様の自宅や施設を訪問し、薬学的管理や服薬指導を行う薬剤師が「在宅訪問薬剤師」です。通院が困難な患者様に対して、薬の配達だけでなく服薬状況の確認、薬剤管理、副作用のチェック、残薬の整理などを行います。

訪問先は一般の住宅だけでなく、高齢者施設、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など多岐にわたります。医師、看護師、ケアマネジャーなど、医療・介護チームの一員として、患者さんの在宅療養を支える重要な役割を担っています。

薬剤師による在宅患者訪問は、医師からの指示書に基づき、患者様本人や家族の同意を得てから開始されます。介護保険・医療保険ともに、基本的には月4回までの訪問が可能で、週1回など定期的に訪問することで服薬状況などを管理します。特例として、がん末期の患者様などは、週2回(月8回まで)の訪問が認められています。

実際の仕事内容は?

在宅薬剤師の具体的な業務内容を見てみましょう。

・訪問前の業務

患者様の処方箋やカルテを確認し、必要な薬剤を調剤、準備します。医師・看護師などとの情報共有や訪問スケジュールの調整などが必要です。

・訪問時の業務

患者様の体調や生活状況をチェックします。処方された薬を届け、服薬方法をしっかりと説明し、薬の効果や副作用を確認します。飲み忘れや飲み間違いを防ぐため、お薬カレンダーや一包化などを提案することもあります。残薬がある場合は整理し、必要に応じて医師に処方変更を提案します。また、医療機器の管理も重要な業務です。在宅酸素療法や吸引器、輸液ポンプなどの医療機器が適切に使用されているか確認し、必要に応じて指導を行います。

・訪問後の業務

薬局に戻ると訪問記録を作成し、医師や関係する医療従事者などのチームに報告します。服薬指導内容や患者様の状態の変化などを記録し、次回の訪問計画を立てます。

在宅訪問薬剤師の大変なことは?

在宅訪問薬剤師の仕事はやりがいが大きい一方、大変だと感じることもあります。まず挙げられるのは移動の負担です。天候に左右されやすく、雨の日や雪の日は大きな負担になるでしょう。エリアによっては移動時間がかなり長くなるケースもあります。また、患者様が急変した場合などは、休日や夜間であっても対応を求められます。

患者様とのコミュニケーションが難しいことを大変に感じる人もいるでしょう。高齢の患者様や認知症の患者様とのコミュニケーションにはスキルや慣れが必要です。患者様の家族間の調整が必要なケースもあります。また、医師、看護師、ケアマネジャーなど多くの関係者との連絡・調整が必要で、それぞれの専門性を理解しながら協力体制を築くスキルが求められます。

一般的な薬剤師との違いは?

調剤薬局で働く薬剤師と在宅薬剤師では、仕事の性質が大きく異なります。一般的な薬剤師は薬局に出勤すると退勤まで薬局内で業務を行いますが、在宅薬剤師は薬局での準備や書類作成があるものの外出が多く、移動時間が大きなボリュームを占めます。また、薬局の勤務時間は規則的ですが、在宅の場合は訪問スケジュールに応じて柔軟な対応が必要です。

患者様との関わり方にも大きな違いがあります。薬局では短時間の服薬指導が中心になりますが、在宅ではひとりの患者様に30分から1時間程度の時間をかけてじっくりと向き合います。ゆっくり話を聞くことに加え、生活環境を実際に見ることでより患者様にあった服薬指導が可能になります。

在宅訪問薬剤師のメリットは?

一見、大変そうですが、メリットも少なくありません。定期的に患者様宅を訪問してじっくりと向き合うことで、一人ひとりの患者様と深い信頼関係を築けたり、患者様やその家族から直接感謝の言葉を聞くことができたりする機会が多く、大きなやりがいを感じられるでしょう。

多様な疾患や治療法に触れる機会が多くなるため、専門性も向上します。日々の業務で医師や看護師など他職種との連携が必要なため、チーム医療の実践力も身につくでしょう。在宅医療の需要は今後も増加が見込まれているため、身につけた経験やスキルによりキャリアの選択肢が広がります。

在宅訪問薬剤師の収入は?

在宅薬剤師の収入は、勤務形態や経験年数によって異なりますが、一般的には調剤薬局勤務の薬剤師よりもやや高めの傾向です。収入が高めになる理由は、専門性の高さ、在宅医療への診療報酬の加算、移動や時間外対応などの手当がつくためです。

在宅訪問薬剤師の将来性は?

日本は現在、超高齢化社会を迎えています。国は医療費抑制のために、入院から在宅医療へのシフトを推奨しているため、在宅医療の需要は確実に増加しています。在宅患者訪問薬剤管理指導料など、診療報酬上の評価が充実してきていることも、薬局の在宅医療への参入をさらに後押ししています。

現時点では在宅医療の専門知識を持つ薬剤師は少ないため、経験がある場合は有利な条件で転職ができるでしょう。認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得することで、さらにキャリアアップすることも可能です。かかりつけ薬剤師として在宅訪問をするケースも増えています。

在宅訪問薬剤師として働くなら「アプロ・ドットコム」!

高齢化社会には欠かせない在宅訪問薬剤師。薬剤師として患者様の生活に寄り添い、その人らしい暮らしを最期まで支えるやりがいの大きな仕事です。移動が多いなど、大変な面もありますが、それ以上にやりがいと専門性が大きな魅力といえるでしょう。

薬剤師としてこれからのキャリアを検討していくうえで、在宅訪問薬剤師という選択肢を入れるなら、ぜひ「アプロ・ドットコム」にご相談ください。都心部だけでなく、郊外や地方の調剤薬局の現状をよく知るキャリアアドバイザーが、それぞれのニーズに応じて情報提供やアドバイスをさせていただきます。