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薬剤師の仕事・キャリア

2025.12.19

かかりつけ薬剤師になるための条件と仕事内容をチェック!

患者さんと話す薬剤師
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患者様に対して継続的かつ一元的な薬学的管理・指導を提供する「かかりつけ薬剤師」という仕組み。国の医療政策の重要な柱となっており、専属の薬の相談相手として患者様に選ばれた薬剤師が継続的にサポートすることが求められています。今後さらに重要になっていく「かかりつけ薬剤師」になるための条件や仕事内容を紹介します。

かかりつけ薬剤師とは?

2015年に策定した「患者のための薬局ビジョン」の中で示唆された「かかりつけ薬剤師」ですが、2016年の調剤報酬改定で「かかりつけ薬剤師指導料」などが新設されました。

患者様に指名され、かかりつけ薬剤師になると、すべての医療機関の服薬情報を一元的かつ継続的に把握し、管理・指導をしていきます。処方薬だけでなく、OTC医薬品やサプリメント、健康食品まで含めて総合的な対応が必要です。

担当の患者様の情報を把握し責任を持って対応すること、休日や夜間の時間帯にも対応すること、医療機関や地域包括ケアチームと連携することが求められます。そのため、通常の調剤薬局勤務よりも、患者様と深い関係性を作ることができます。

かかりつけ薬剤師として活躍するために必要な条件は?

かかりつけ薬剤師になるためには5つの条件をすべて満たす必要があります。必要条件をひとつずつ確認しましょう。

・薬剤師として保険薬局での勤務経験が3年以上

保険薬剤師として薬局での実務経験が3年以上必要です。病院薬局などでの勤務経験は最大で1年分を保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができます。

・薬局で週32時間以上勤務

現在勤務中のひとつの薬局で週32時間以上勤務していることが必要です。育児・介護休業による時短勤務をしている場合、週24時間以上かつ週4日以上の勤務で要件を満たすことができます。ただし、同じ職場に別なかかりつけ薬剤師が在籍しているケースに限ります。

・勤務先の薬局に1年以上在籍

勤務中の薬局に連続して1年以上在籍している必要があります。当初は6ヶ月以上とされていましたが、2018年の診療報酬改定から1年に変更されました。

・認定薬剤師資格を保有

研修認定薬剤師や認定実務実習指導薬剤師などの資格を取得する必要があります。いずれも薬剤師認定制度認証機構(CPC)が認証した資格であることが必須です。学会や研修会への参加、論文発表などで認定されますが、3年から4年ごとに更新が必要で、継続的な自己研鑽が求められます。

・医療関連の地域活動に参加

地域活動とは、地域において人のつながりを作り、顔の見える関係性が築けるような活動のことです。薬剤師として主体的・継続的な参加が求められているため、たまに時間があるときだけ参加するのではなく、年間を通して積極的かつ定期的に参加する必要があります。

これら5つの条件を満たした上で、勤務先の薬局が所在する地域を管轄する厚生局の各都道府県事務所に届出することでかかりつけ薬剤師として登録されます。

かかりつけ薬剤師の仕事内容・役割・やりがいとは?

かかりつけ薬剤師として求められている仕事は大きく3つあります。

・服薬情報の一元的・継続的な管理

かかりつけ薬剤師は担当する患者様が受診している医療機関を把握し、服薬情報を一元的に管理します。情報を把握することで、重複処方、多剤投与、相互作用が起こらないように対応したり、副作用の発現に早期対処したりします。

また、市販薬やサプリメント、嗜好品なども含め包括的な健康相談で患者様をサポートします。さらに、患者様の生活習慣や服薬環境などの背景を理解し、無理なく続けられる服薬方法を提案するなど、生活に寄り添った支援を行うのも重要な役割です。

・医療機関との連携

かかりつけ薬剤師は、服薬指導や服薬後の状況をチェックし、必要な場合は処方医へのフィードバックや処方薬変更・提案などを行います。また、在宅医療を受けている患者様は、ケアマネジャー、介護士などとの連携も必要です。地域包括ケアシステムの一員として関係機関と連携をとることが求められます。

・休日、夜間を含む時間帯の対応

かかりつけ薬剤師は、患者様からの相談や問合せに休日や夜間の時間帯にも対応する必要があります。また、夜間や休日診療を受けて処方箋を受け取った患者様に調剤するケースも発生します。

これまではかかりつけ薬剤師がひとりで24時間体制の対応を求められましたが、令和6年度の診療報酬改定で「24時間相談」の文言が削除されました。かかりつけ薬剤師がやむを得ず対応できない場合は、薬局での対応も可能となるなど、かかりつけ薬剤師の勤務環境も整ってきています。

このように患者様の“困った”に寄り添う姿勢が求められる一方で、「ありがとう」「助かった」という声を直接もらえるのは大きなやりがいです。専門性を活かしてリスクを未然に防ぎ、他職種のプロフェッショナルと連携し信頼されることも、かかりつけ薬剤師として働く魅力となっています。

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薬剤師としての専門性や知識と経験、多くのスキルを発揮できる「かかりつけ薬剤師」の仕事は非常にやりがいのある仕事です。国が求める今後の薬剤師像そのものであり、今後さらに必要とされる業務となるでしょう。

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