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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。
薬剤師の仕事・キャリア
2025.08.10
薬剤師の転職で円満退社するための退職理由と伝え方、ダンドリをチェック

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薬剤師の資格を持っている人は、医療や薬局の業界内での転職が大半で、ある意味では狭い業界といえるでしょう。元の職場の上司が、転職先の上司や同僚と知り合いだったなど、意外なところでつながっていることもあります。
転職を決めたらなるべくスムーズに退職して、次のキャリアに進みたいものですが、薬剤師不足などの理由から強く引き留められることもあります。この記事では、自分のプラン通りに転職できるよう円満退社するための方法をお伝えします。
目次
退職までの流れとスケジュール
まずは退職までの流れを頭に入れておきましょう。退職するときは、ただ辞めることを伝えればいいわけではありません。伝えるべき人、伝えるタイミング、伝え方も大切です。
・【退職する日を決める】
まずは、本当に転職するべきかを考えましょう。なぜ転職したいのかを明確にして、転職するのがベストだと判断したら退職する時期を設定します。
・【退職3ヵ月から2ヵ月前】~退職することを伝える~
退職すると決めたら、なるべく早く伝えましょう。法的には退職の2週間前までに伝えればいいことになっていますが、辞める人の業務は誰かが担うことになります。仮に新しい人材を補充するとしても、すぐに採用できるかどうかはわかりません。
早めに伝えるのがいいといっても、繁忙期中やその直前では対応が難しく、退職時期が想定より遅れてしまうことも考えられます。後任や業務の引継ぎも考慮して、2ヵ月前までには伝えておくのが賢明です。早く決まれば、退職前の有給消化も比較的スムーズにいくはずです。
・【退職1ヵ月前】~退職願・退職届けの作成・提出~
「退職願」は提出後に撤回することが可能です。片や「退職届」は、一度受理されたら自分の意思で撤回することはできません。このことも踏まえ、退職の報告をしたら退職届、または退職願を作成し提出します。
これで正式な退職手続きが進みますが、会社によってルールやプロセスが異なります。書式や提出するタイミングなど、しっかりと確認してから取りかかりましょう。
・【退職1ヵ月前から退職日まで】~業務の引継ぎ・退社準備~
退職願・退職届を提出したら、業務の引継ぎをします。二度手間や有給消化中に電話でやり取りしたり、職場に足を運んだりしなくて済むように、あらかじめ引継ぎリストを作成しておくのがおすすめです。
引き継ぐ相手に配慮し、職場独自のルールや注意事項、業務上得た知識なども共有しておきましょう。その際、常連の患者様への対応や、職場内の人間関係なども伝えておくとスムーズです。
・【退職日当日】~挨拶・必要な手続きをする~
当日は関係者に挨拶をし、退職の手続きをします。「名札」「社員証」「白衣」など支給・貸与されたものは返却します。自分の名前が入った「調剤印」も基本的には返却しますが、会社によって異なるので事前に確認しておきましょう。
逆に職場から受け取るものもあるので忘れずに。「薬剤師免許証」や「保険薬剤師登録票」、「年金手帳」などを預けている場合は、退職日までに返却を依頼します。さらに転職先で必要になる「雇用保険被保険者証」「源泉徴収票」、場合によっては「離職票」も受け取ります。
当日はバタバタしがちなので、事前に必要な手続きをリストアップしておくのがおすすめです。
・【退職後】~公的手続きを行う~
転職先が決まっていない場合は、年金や健康保険の切り替えなどの公的手続きを自分でする必要があります。転職先が決まっていれば、指示に従って必要書類を提出すれば基本的に転職先で手続きをしてくれます。
退職の伝え方と注意点
トラブルや問題なく退職の日を迎えられてこそ、円満退社できます。退職の伝え方も影響してくるので、後々トラブルにならないような伝え方をしましょう。
・直属の上司にまず伝える
手続きなどは人事担当者とのやり取りになりますが、まず伝えるべきは直属の上司です。たとえ苦手であったり関係が良好ではなかったりしても、一番身近な上司に最初に伝えるのがスムーズに退職するポイントです。人によっては順番などを気にすることもあります。直属の上司よりも役職が上の人に先に伝えると、トラブルの元になる可能性があるので気をつけましょう。
・「相談」という形で時間を作ってもらう
上司には、「折り入って相談があるので、お時間を作っていただけますか」など、仕事上の相談という形で時間を作ってもらいます。最初から退職するつもりであることをほのめかしてしまうと、引き留められる可能性が高くなってしまいます。
上司に対して、引き留めるための対策をする時間を作ってしまうことにもなりかねません。大事な話があることは伝えつつ、詳細は実際に話をする時に伝えるのがいいでしょう。
・話をする場所にも配慮する
伝える際にはほかの人を気にせず、伝える相手と2人になれる場所を選んで話をするのがベストです。いずれは退職することが伝わるとしても、早い段階で周りに伝わってしまうと、退職までの間に行動しにくくなるかもしれません。まずは伝えるべき人だけに伝えるために、落ち着いて話せる場所を選びましょう。
円満退社のためにしておきたいこと
これまで働いてきた職場への感謝の気持ちをもって、最後の勤務日まで業務を行うようにしましょう。お世話になった人や仕事の関係者には、できるだけ直接退職の挨拶ができるといいのですが、難しい場合はメールなどで挨拶するようにしましょう。
円満退社につながるOKな「退職理由」
円満退社には退職理由も重要です。円満退社するために望ましい退職理由は「理由を聞いて応援したくなるかどうか」を基準に考えましょう。ここからは、どんな退職理由なら円満退社につながるのか具体的に見ていきます。
・会社や業務に関係のない理由
必ずしも辞めなければならない理由であったとしても、家庭の事情など、差しさわりのない理由なら正直に伝えて構いません。会社や業務に関係のない理由ならネガティブな印象を与えることもなく、職場にも納得してもらえるでしょう。
【退職理由の例】
・配偶者の転勤を機に退職したい
・子育てに専念したい
・家業を手伝う、引き継ぐことにした
・親の介護をすることになった
・退職せざるを得ない理由
物理的に退職をしなければならない理由も、納得してもらいやすいものです。職場で何とかできるものではないため「やむを得ない」と思ってもらえます。
【退職理由の例】
・遠方に引っ越すことになった
・健康上に問題が発生し、仕事を続けるのが難しくなった
・独立・開業したい
・薬剤師以外の仕事に転職したい
・ポジティブな理由
ステップアップや新しい挑戦などは、ポジティブな印象を与えます。今の職場ではその希望が叶えられないことを伝えられれば、納得してもらえるはずです。
【退職理由の例】
・かかりつけ薬剤師として成長したい
・がん薬物療法専門薬剤師の資格を取りたい
・管理薬剤師になりたい
・在宅医療に力を入れたい
避けたほうがいいNGの退職理由
現職に不満があるなど、ネガティブな理由はNGです。たとえ本音でも、正直に伝えればいいわけではありません。悪い印象を与えてしまい、円満退社どころかトラブルになる可能性もあります。
不満しかない、辞めたい理由しかないという場合は、ここで紹介しているようなポジティブな理由や納得できるような理由に置き換えてみてください。改善すれば解消できるような理由は引き留められる原因になるので、避けたほうが無難です。
給与への不満 ⇒キャリアアップ・成長志向に変換する
給与に不満があって転職する場合でも、前向きで納得感のある理由に言い換えましょう。ネガティブな表現ではなく前向きな意思を伝え、スキルアップ・成長志向などを理由にすると印象がよくなります。
・キャリアアップ・スキルの幅を広げたい
「これまでの経験を活かしつつ、より幅広い業務に携わることで専門性を高めたい」
・評価制度が明確な職場で力を発揮したい
「自分のスキルや成果の評価がわかる環境で、さらに成長していきたい」
・長期的なキャリア設計を見直したい
「今後のライフプランやキャリアを見据え、より安定的でかつ継続的にスキルを磨ける環境で働きたい」
・地域医療や患者様対応により注力したい
「地域密着型の薬局で、患者様一人ひとりと向き合って医療を提供したい」
労働環境に対する不満 ⇒自分の都合や希望・意欲に変換する
将来を見据えた前向きな理由に変換し、自分の体調・生活・パフォーマンスの質などに絡めて仕事への責任感や意欲を伝えることで、職場の人や上司は納得しやすいでしょう。
・ワークライフバランスを大切にしたい
「よりよいワークライフバランスを実現し、長期的に安定して働ける環境を探したい」
・安定した勤務体制で患者様と向き合いたい
「業務にしっかりと集中できる安定した勤務体制の中で、より丁寧に服薬指導や患者様対応を行いたい」
・無理のない働き方で質の高い医療を提供したい
「自分の体調管理を含め、無理のない働き方をすることで、ベストな状態で医療サービスを提供したい」
・チーム医療・協力体制の整った職場で働きたい
「よりチームワークの取れた職場環境で、周囲と連携しながら高いパフォーマンスを発揮したい」
・長く活躍できる場所を探したい
「今後のキャリアを見据え、長期的に無理なく働ける環境で自分の専門性をさらに磨いていきたい」
スキルアップできない ⇒ステップアップやチャレンジに変換する
自己成長と将来的な貢献意欲を結びつけて「成長したい」「学びたい」という前向きな意欲を強調すると、説得力が増します。
・専門性をさらに高めたい
「薬剤師としての基本的な業務に加え、より専門的な知識やスキルを習得し、患者様に質の高い医療を提供したい」
・より多様な業務経験を積みたい
「現在の職場では業務が限られているため、より幅広い分野に関わることで成長の機会を得たい」
・認定薬剤師・専門資格取得をめざしたい
「将来的に認定薬剤師や専門薬剤師として活躍することを目標としており、学びの機会が充実した環境で働きたい」
・チーム医療に関わる経験を深めたい
「多職種と連携するなかで薬剤師としての役割をより深く理解し、実践力を高めたい」
・教育・研修制度が整った職場でさらに成長したい
「今後も学び続けられる環境に身を置き、常に最新の知識を取り入れながら成長していきたい」
「一身上の都合」で細かい理由は伏せることも可能
退職理由は伝えたほうがいいとはいえ、どうしてもいいたくない理由がある場合もあるでしょう。法的には、退職理由を伝えなければならないわけではありません。14日前までに退職の意思を伝えれば、たとえどんな理由でも退職はできることになっています。ただし納得してもらえないケースもあり、円満退社を考えるなら具体的な理由を伝えるのがベストです。
それでも強引に引き留められたら
評価が高いほど、引き留められる可能性も高くなります。さらに経営上の理由や最近の薬剤師不足の影響で、強引に引き留められるケースもあります。強く引き留められたり、なかなか辞められなかったりする場合の3つの対処法を紹介します。
・はっきり断る
転職の意思が明確ならば、はっきりと断りましょう。退職は法律で守られている労働者の権利です。引き留めの際、条件を交渉されるかもしれません。転職先が決まっていない場合は、納得できる条件であったら退職を考え直すことも選択肢のひとつです。
・転職先が決まっていることを伝える
転職先が決まっていれば、就業のスタート予定日を伝えましょう。ただし、決まっていないのに嘘をつくのは避けたほうが無難です。転職先が決まっておらず、失業保険を受給するには、前の職場で離職票の発行が必要です。
・第三者に相談する
「正当な理由を伝えても引き留められる」「なかなか辞めることができない」となったら、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」などの第三者に相談しましょう。法律に則った助言や指導をしてもらえます。
円満退社から希望の新天地でスタートを!
転職は人生のなかでも大きな転機です。人生を左右するだけに、誰でも失敗はしたくないものです。円満退社はその一歩。今の職場を気持ちよく退職することで、次のキャリアも新たな気持ちでスタートできます。「アプロ・ドットコム」の無料サポートに登録すれば、仕事探しの前から相談が可能です。退職の意思の伝え方や、引継ぎの進め方なども相談できます。
転職するかどうか迷っている方も、ぜひご相談ください。薬剤師業界に特化した豊富な実績とノウハウで、転職するべきかどうかも含め、今後のキャリアを一緒に考えます。アプロ・ドットコムは、正社員、派遣、パート・アルバイトなどあらゆる雇用形態の求人を扱っており、求人数も豊富です。納得できる転職によって、新たな気持ちで次のキャリアをスタートしましょう。