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薬剤師の仕事・キャリア

2025.08.12

病院薬剤師と薬局の薬剤師、仕事内容はどこが違う?

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転職を考えている薬剤師のなかには、どんな職場で働こうか、どんな選択肢があるのか悩んでいる人もいるでしょう。薬剤師の職場として、まずイメージするのは病院や薬局かもしれません。しかし、同じ薬剤師の仕事でも、病院と薬局では働き方が異なります。

今回は、病院薬剤師と薬局薬剤師の仕事内容や必要なスキル、メリット、向いている人などの違いをわかりやすく比較しながら紹介します。実際にどんな仕事があるのか、自分に合っているのかなどを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

業務内容の違い

薬局薬剤師と病院薬剤師には薬の調剤、患者様への服薬指導、薬歴管理、医薬品管理、医薬品情報業務など共通の業務もありますが、違うものも数多く存在します。

・薬局薬剤師

薬局薬剤師は全国の医療機関から発行された処方箋をもとに調剤業務を行います。さらに、地域の患者様と長期的な関わりを大切にしながら、健康管理に関する助言もします。ドラッグストアでは処方箋が必要のない一般薬(OTC医薬品)の相談や提案を行うこともあります。

薬局では通いやすい雰囲気作りや待ち時間短縮の工夫だけではなく、店舗管理を含めた運営の効率化も行います。在宅医療を提供している薬局では患者様の自宅を訪問し、服薬指導を行います。高齢化に伴い、在宅医療に力を入れている薬局が増えています。

勤務先は調剤薬局やドラッグストアが中心であり、救急医療や治験業務は含まれません。薬剤師ではありますが、接客業としての側面を持っており、商品の在庫管理や事務処理など幅広い業務を担当します。

・病院薬剤師

病院薬剤師は外来患者様の薬を調剤する「外来調剤」と入院患者様の薬を調剤する「入院調剤」を担当するのが基本です。入院患者様に対しては服薬指導や医薬品管理を行い、医師や看護師から薬物治療に関する相談を受ける「病棟業務」にも携わります。

また、薬局薬剤師より扱う薬の種類や数が多いのも特徴のひとつといえます。注射剤や点滴、検査用の試薬など、市販されていない薬を患者様に合わせて調剤する「院内製剤調剤」は病院特有の業務です。

高度救急医療を提供する病院では「救急救命業務」や未承認薬の臨床試験を行う「治験業務」も担当します。病棟は24時間体制のため夜勤が発生する場合もあり、迅速かつ冷静な判断力が必要になります。病院薬剤師は専門性を活かして、幅広い業務に携わる点が魅力です。

取り扱う薬剤の種類

次に、薬局と病院で取り扱う薬剤の種類について見ていきましょう。

・薬局薬剤師

粉薬、錠剤、塗り薬、目薬、貼り薬など、薬局薬剤師はさまざまな薬を扱いますが、注射薬や治験薬などの薬剤を取り扱う可能性は低いです。

・病院薬剤師

病院薬剤師は取り扱う薬剤の種類が豊富であり、注射薬や治験薬など病院特有の薬剤を扱います。

患者様への対応

ここからは、患者様への対応の違いを解説します。

・薬局薬剤師

患者様が薬局を選ぶ際には、自宅から近い場所の店舗を選ぶケースが多いでしょう。そのため、薬局薬剤師は患者様に長期的に寄り添いながら、処方箋に基づく調剤や販売を行います。

近年、かかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の取り組みが進んでおり、患者様の服薬状況を一元管理するほか、高齢者の自宅に訪問して在宅医療を提供する薬局も増えています。薬を渡したあとには患者様の様子を医師にフィードバックし、必要に応じて医療機関への受診を勧めるなど、地域医療機関との連携にも対応しています。

夜間の問い合わせに電話対応する体制を整えている薬局も増えているようです。たとえば、お子様が急に発熱した場合の薬の服用について相談を受けることもあります。薬局薬剤師は地域の健康管理に重要な役割を果たしているといえるでしょう。

なお、かかりつけ薬剤師になるためには、少なくとも3年以上の保険薬局勤務があること、勤務先の保険薬局に1年以上在籍していること、週32時間以上勤務をしていることといった条件があります。

・病院薬剤師

病院薬剤師は病院内で入院患者様や外来患者様に対応します。そのため、患者様に接する時間は入院や通院中の限られた期間になります。医師や看護師からの薬物治療に関する相談に応じる業務もあり、薬局薬剤師に比べると患者様と接触する期間は少なめです。

必要なスキル

まず、病院でも薬局でも、調剤スキルは共通して求められます。それぞれに必要なスキルを見ていきましょう。

・薬局薬剤師

薬局薬剤師というと調剤室内の業務のイメージが強いかもしれません。しかし、実際は調剤業務だけでなく、患者様への対応も重要です。なぜなら、来局する患者様と長期的な信頼関係を築きながら、接客スキルを活用して不快にさせない対応を行わなければならないからです。

体調や服薬状況、常備薬に関する情報を適切に把握するためには、ヒアリング能力やコミュニケーション力が必要です。服薬指導の際は、幅広い知識や丁寧に患者様に接する姿勢、わかりやすく物事を伝える能力が欠かせません。薬局薬剤師は、日々患者様に寄り添い、心地よい対応を心がけているのです。

・病院薬剤師

病院薬剤師は、医師や看護師と連携しながら患者様の治療にあたる医療チームの一員として働きます。そのため、患者様だけでなく医療スタッフとも円滑に業務を進めるコミュニケーション力が求められます。

また、専門的な診療科目に対応するため、病気や薬に関する知識の深さも重要です。病棟業務ではカルテや検査データを照らし合わせ、必要に応じて処方箋や指示の疑問点を確認する「疑義照会」を行います。

さらに、救命救急や治験の業務など高度医療に携わる機会が多い場合、働きながら学び続ける必要があります。薬学管理の判断力や調剤、製剤の専門知識なども必要なスキルと考えられるでしょう。

薬局薬剤師として働くメリット

ここからは、薬局薬剤師として働くメリットを5つ紹介します。

・求人数が多い

薬局やドラッグストアは全国各地に店舗があるため、希望に合った職場や働き方を見つけやすいのが特徴です。現在も店舗数が増加しているため業界全体で求人が多く、薬剤師としての転職もしやすいでしょう。選択肢が豊富なため、妥協せずに自分に合った職場を探しやすいのもメリットです。企業によっては病院薬剤師よりも給与が高いこともあります。

・残業が少なくプライベートを確保しやすい

調剤薬局は残業や夜勤が少ない職場が多く、プライベートの時間を確保しやすいのが魅力です。家事や育児と両立しながら働きたい人にも向いています。しっかりと休養をとりながらプライベートを充実させれば、仕事へのモチベーションも向上しやすくなるでしょう。環境のよい職場に出会えれば長期的に働き続けられます。

・多用な雇用形態で働ける

正社員以外の雇用形態の募集も多く、パート・アルバイト、派遣など雇用形態を自由に選べる点も魅力です。ライフスタイルに合わせて雇用形態を変えながら、薬局薬剤師として長く活躍できるでしょう。また、大手を中心に福利厚生が充実している薬局も多く、資格取得支援などのフォロー体制が充実しています。

・さまざまなスキルが身につく

調剤薬局やドラッグストアには若い人から高齢者までさまざまな悩みを抱えた患者様が訪れるので、薬剤師として必要なスキルを磨くことができます。たとえば、患者様とのコミュニケーション力や、症状に合わせて最適な商品を提案するスキル、悩みに寄り添うスキルが身についていくでしょう。一度身につけた能力や経験は将来にも役立つため、薬剤師としてのキャリアの幅を広げることにつながります。

・地域に貢献できる

薬局薬剤師は患者様の健康管理に直接関わるため、地域医療への貢献を通じて大きなやりがいを感じられる職業です。特にかかりつけ薬局として地域の患者様と長く付き合う場合、服薬指導や健康維持のアドバイスを行い、地域医療を支え続けることができます。

病院薬剤師として働くメリット

ここからは、病院薬剤師として働くメリットを4つ紹介します。

・さまざまな知識を得られる

病院薬剤師は最先端の医療やチーム医療に携わるなかで、さまざまな薬剤の知識を得られるのが特徴です。治験や新薬、専門分野の研究に参加するなど、新しい治療法や予防法の研究に携わる機会も豊富にあるでしょう。

抗がん薬や抗菌薬などの新薬を扱う際には情報収集を行い、安全性や副作用の調査、使用方法の提案など、重要な役割を果たします。認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得をめざす場合にも経験が役立ちます。資格を取得すれば、資格手当など収入面の増加も期待できます。

さらに、治験業務では治験薬のモニタリングや管理、症例報告を担当し、治験薬管理者としての責任を担うことも。薬剤を通じた治療への貢献とやりがいを感じながら、継続的に学び、スキルを磨けるのが魅力です。

・スキルアップがめざせる

病棟で勤務する病院薬剤師は、臨床医療やチーム医療に携わり、入院治療や救命救急治療に薬学管理の専門家として関わります。医師や看護師など他職種と連携するなかで専門知識を深められるうえ、さまざまな疾患や症状について学ぶ機会が多いなど、スキルアップできる環境が整っています。

・対応力やコミュニケーション力が身につく

病院薬剤師は、患者様から服薬状況について相談を受けるケースもあり、対応力やコミュニケーション力を磨く機会が多いです。専門的な薬の知識・作用を患者様に伝えるスキルが身につくのが、病院薬剤師の魅力といえるでしょう。

・長く勤めると年収アップが見込める

病院薬剤師の初任給は薬局薬剤師に比べると低い傾向ですが、定期的な昇給があるところが多く、勤続年数に応じて基本給が増加する点が魅力です。基本給が高くなればボーナスや退職金にも影響があります。病院薬剤師として長期的働くことで、高年収を手にする可能性が高まるでしょう。

薬局薬剤師に向いている人の特徴

薬局薬剤師に向いているのは、患者様と積極的にコミュニケーションをとりながら長期的な関係を築くのが好きな人です。また、患者様の健康を支える窓口として地域医療に深く関わることができるため、地域医療へ貢献したい人にも向いています。

働く時間がほぼ決まっている薬局は、自身の健康やワークライフバランスを大切にしたいと考える人にもぴったりといえます。さまざまな勤務体系や店舗から、自分に合った働き方を選べる環境が整っているため、安定した収入や暮らしを求める人にも適しています。

病院薬剤師に向いている人の特徴

病院薬剤師は診療科ごとの専門的な最新の治療に携われるため、薬剤の専門知識を深めたい人に適しています。また、チーム医療の一員としてさまざまな症例を経験し、治験業務に関わりたい人にも向いています。最先端の医療に触れる機会が豊富なので、やりがいを感じたい人に合う仕事ともいえるでしょう。

職場によっては夜勤があるため不規則な生活にはなりがちですが、体力的に自信があり昼間の時間を有効活用したい人にも働きやすいでしょう。専門性を高めながら、幅広い経験を積みたい人にも向いています。

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今回は薬局薬剤師と病院薬剤師のさまざまな違いを紹介しました。どちらを魅力的だと感じるかは人それぞれです。あなたの希望に合いそうなのはどちらでしょうか?

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病院薬剤師は基本的に新卒採用が多い傾向がありますが、中途採用がないわけではありません。原則として、派遣薬剤師の病院勤務はありませんが、紹介予定派遣や産休・育休・介護休業などの代替要員として、例外的に派遣薬剤師として働けるケースもあります。病院薬剤師として働きたい場合は、ぜひその旨をお伝えください。

このほか、「専門領域の知識を深めたい」「最新の医療に携わりたい」「夜勤でも問題なく勤務できる」という希望のある場合も、ぜひご相談ください。アプロ・ドットコムには25年以上にわたって蓄積した経験や知見・ノウハウがあります。キャリアアドバイザーが一人ひとりのご事情を丁寧にヒアリングし、希望に沿った仕事を提案しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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