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どんな仕事をしていても「転職したほうが良いかもしれない」「仕事を辞めたい」と思うことはあるでしょう。もちろん、薬剤師も例外ではありません。これといった不満がなくても、同じ仕事を続けているなかで、ふとした瞬間に「もっと良い仕事が、自分に合った仕事があるのでは？」と思うかもしれません。

ただし「薬剤師を辞めたい」「今の仕事を辞めたい」と思ったとしても、その勢いだけで辞めてしまうのは危険です。衝動的な行動には後悔がつきもの。まして転職というのは人生の大きな選択です。後悔しないためにも「もう仕事を辞めてしまいたい」と思った時にどのような行動を取るべきか、この記事では仕事を辞めたい理由に合わせて決断のポイントも紹介します。辞めると決めてしまう前に、ぜひご一読ください。

まずは今の仕事を辞めたい理由を再確認

「仕事を辞めてしまいたい」と思ったら、まずは辞めたいと思う理由を再確認してみましょう。本当に辞めたほうがいいとしたら、そこには説明できる理由があるはずです。

「何となくそう思った」「その瞬間はそう思った」ということなら、瞬間的なストレスが溜まっているだけで、本当に辞めたいとまでは思っていない可能性もあります。もしそうなら、辞めてから後悔することになりかねません。辞めたいと思う気持ちにきちんとした理由があるのか、あるならどんな理由なのかを自身で明確にして、そのうえで取るべき行動を考えましょう。

ここでは、辞めたい理由を一つひとつ具体的に紹介していきます。ご自身の辞めたい理由と照らし合わせて整理してみてください。

仕事自体ではなく職場に不満がある場合

仕事内容や働き方、待遇などの仕事自体に不満がないという人は、職場に辞めたい理由があるかもしれません。

・人間関係が良くない

働くうえで一番悩むことが多いのが「人間関係」といわれています。薬剤師は狭い空間で人とコミュニケーションを取りながら仕事をするため、人間関係にストレスを感じる人は多いようです。

合わない人と何とかうまくやろうとしてがんばっているうちに、モチベーションが下がってしまうこともあります。気を遣うことも多く、辞めたいと思っている人もいるでしょう。

・業務量・残業が多い

都市部は充足傾向の薬剤師ですが、地方では薬剤師不足が問題になっています。また、職場の環境や体制が急に変わって退職者が多く出る場合、新たな人材を確保しますが、すぐに十分な人材が確保できるとは限りません。

そもそも薬剤師の仕事量は多く、人材不足の職場ではひとりの業務負担はさらに増えてしまいます。すでに余裕があまりない職場などでは残業が増える可能性もあり、仕事が大変で辞めたくなることもあるでしょう。

・通勤の負担が大きい

正社員の場合、それまでは職場が近くても転勤や部署異動で、職場が遠くなってしまうケースも出てきます。ほかの就業条件を優先したことで通勤は妥協して働いている場合もあるでしょう。

働き始めや余裕がある時は負担に感じていなくても、働き続けるうちに辛くなることもあるかもしれません。特に都市部では満員電車で通勤しなければならないことも多く、通勤だけでひと仕事。通勤の負担で辞めたくなるのもうなずけます。

決断をする際のポイント

仕事自体に不満がなく勤務・通勤時間や人間関係などが原因なら、部署や勤務地、時間などを変えられる可能性があるのかどうかがポイントです。まずは上司や本部などに相談してみましょう。

仕事自体に不満がある場合

職場の環境などではなく、仕事自体に不満があって辞めたいという場合は、仕事のどの部分に対して辞めたいと感じているのかを考えてみましょう。

・仕事内容に日々ストレスを感じている

投薬や調剤などは、ルーティーンワークと感じる面もあります。「毎日同じような業務をすることにストレスを感じている」「やりがいがない」という人もいるでしょう。レジ打ちや品出しなど店舗業務も行う必要があるドラッグストアでは、薬剤師としての仕事だけをするわけにはいかず、やらなければならないことが多くて大変と感じる人もいます。

・実際に働いてみると仕事が思っていたものと違っていた

調剤・投薬が薬剤師のメイン業務とはいえ、職場によって違いがあります。職場の規模や人数、応需科目や扱う処方箋枚数などによっても変わってくるでしょう。

「調剤だけやっていればいいということだったから、もっと負担が軽いと思っていた」「こんなに多くの処方箋を扱うと思わなかった」など、想定と違うことがあると、辞めたいという気持ちが高まってしまうことがあります。

・待遇に不満がある

待遇に不満があるという人もいるでしょう。評価システムがあいまいだったり、そもそも確立されていなかったりして、正当に評価されていないと感じている人もいるかもしれません。

急な経営方針の転換で、規模の縮小や雇用が不安定になることもあり、モチベーションが下がってしまうことも。自分ひとりの力ではどうにもならないだけに、待遇に不満がある場合に辞めたくなる人は多いでしょう。

決断をする際のポイント

仕事自体や待遇に不満がある場合は、やりたい仕事や働き方を整理して明確にすることが大切です。さらに絶対にやりたくないことなどが自分でわかっていれば、希望する仕事もはっきりしてきます。そのうえで、転職するのがベストでしょう。

そもそも薬剤師の仕事が自分に向いていないと感じる場合

仕事内容や環境以前に、自分が薬剤師に向いていないと感じている人もいるかもしれません。

・与えられた役割が自分に向いていない

誰にでも得意・不得意があり、どんな仕事でもそつなくこなせる人ばかりではありません。「薬の説明はできても対面での服薬指導がうまくできない」「かかりつけ薬剤師としてひとりの人に向き合うのが苦手」など、与えられた役割が向いていないと思っている人もいるでしょう。

・薬剤師は向いていないと感じる

薬剤師資格を取得した人が、全員薬剤師に向いているとは限りません。薬剤師としての基本的な知識はあっても、実務で本領を発揮できないと感じている人もいるでしょう。薬剤師の仕事は医療の一端を担っているだけに、プレッシャーを感じながら仕事をしている人、ストレスが溜まり続けているという人もいるかもしれません。

決断をする際のポイント

「ほかにやりたいことが明確にある」得意なことがある」と思えるなら、キャリアチェンジを考えてみるのもひとつの解決策です。ただし、薬剤師自体が向いていないと感じている場合は、薬剤師の仕事そのものではなく、今の職場に何らかの問題や原因があったり、単に経験の浅さや知識・スキル不足だったりすることもあります。

そんなときは、短期でさまざまな職場を経験できる派遣薬剤師として、ほかの職場も経験してみるという手もあります。経験を積むことで、感じ方も変わってくるかもしれません。いったん薬剤師を辞めてほかの職種に就くと、戻りづらくなるという人もいるようです。辞めてから後悔することもあるので、慎重に検討しましょう。

辞めたいと思った時には、まず辞めずにできることを試してみる

辞めたい理由がはっきりしたら、すぐにでも辞めたいと思うかもしれませんが、転職は労力も時間もかかります。まずは辞めたい原因になっていることを解消するなど、できることを試してみてからでも遅くはないでしょう。

・信頼できる人に相談する

迷っているなら、周りの信頼できる人に相談してみるのもいいでしょう。客観的に判断してもらうことで冷静に考えられるようになります。職場の先輩なら、同じような悩みを乗り越えているかもしれません。自分の体験をもとに、いいアドバイスをしてくれる人もいるはずです。ひとりで抱え込まずに、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。

・職場の環境や問題点を改善できないか動いてみる

人間関係や職場環境が原因なら、上司に相談することで問題が解決することもあるでしょう。上司などに伝えて問題点が認識されることで、業務量や負担の見直しや異動などを検討してもらえるかもしれません。問題点が解決すれば、その職場を辞めたくないと思っているなら、行動する価値はあります。

・休職してみる

思いきって休んでみるという選択肢もあります。特に体調を崩していたり不調が続いていたりするなら、いったん休職してみるとリフレッシュでき、新たな気持ちで働けるかもしれません。休職なら復職もスムーズです。

・雇用形態を変える

在籍したまま雇用形態を変更できる会社もあります。たとえば、「正社員で精神的な負担が大きいなら契約社員やパートに変わる」「収入など待遇に不満があるならパートやアルバイトから契約社員や正社員をめざす」などです。

雇用形態によって働き方は変わってきます。簡単ではないとしても、うまくいけば辞めたい理由を解消できるかもしれません。最終的には転職しかないという結論になるかもしれませんが、これらは試してみる価値があるはず。やるだけのことをやったなら、辞める際にも納得して転職に向き合えるでしょう。

転職を検討したほうが良い時の見極め方

客観的に辞め時を見極めることも大切です。次のような状態であるとしたら、むしろ前向きに次のステージを検討してみましょう。

・３ヵ月以上悩みが解決しない

「上司などに相談していても状況が変わらない」など、ある程度の期間悩みが解決しないなら転職を検討したほうがよいでしょう。何ヵ月も状況が変わらないとしたら、この先変わる可能性はいとはいえません。

・残業時間が月40時間を超えている

「時間外・休日労働に関する協定届（通称「36（サブロク）協定」）を締結し、所轄労働基準監督署に届出をしている場合で、原則残業時間の上限は月45時間です。この協定がなければ週40時間を超える労働は認められません。ただし残業が月30時間を超えると辛いと感じる人も出てくるので、残業が月40時間を超えるような転職を検討しましょう。

・身体的にも精神的にも疲れきっている

心身ともに疲れきっているとしたら、赤信号です。さらに職場に行きたくない、憂鬱に感じているとしたら、そのままいけば精神に影響したり体調を崩してしまったりすることも考えられます。

仕事にも集中できなくなり、場合によっては周りから仕事を制限されるかもしれません。体調を崩してしまうと次の転職にも影響するので、自分にとってのいい仕事・いい職場について考え始めましょう。

「転職」がベストと判断したなら派遣薬剤師がおすすめ

「新たな仕事・職場でがんばりたい」という思いが強いなら、やはり転職を考えてみるのが良いかもしれません。正社員として働くとなると、いろいろ悩んでしまいそうという方は、派遣薬剤師も視野に入れておくと可能性が広がります。

派遣薬剤師は、派遣会社の担当者が条件に合った仕事を紹介してくれるので、自分で求人を探す手間がありません。契約期間が決まっているので、「こういう条件でやっていけるのか」と悩んだとしても、一定期間試してみようと前向きになれる可能性もあります。

契約を更新するタイミングで正社員転職を検討したり、条件を変えて新たな派遣の求人を探してもらったりすることができるので、「次もうまくいかなかったらどうしよう」といった不安を解消できるのではないでしょうか。

押さえておきたいこととして、派遣には同じ職場で働けるのは最長３年という「３年ルール」があり、３年め以降は新たな仕事を探す必要があります。数ヵ月から半年の短期派遣となると、業務は限定的で投薬がメインです。時給制で、正社員のような昇給やキャリアアップがないことも頭に入れておきましょう。

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