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2025.07.29
薬剤師の転職難易度は年齢で変わるってホント?

薬剤師の転職を検討している方のなかには、年齢によって転職のしやすさが変わるか気になっている方もいるでしょう。今回は薬剤師の転職について、年齢や就業先を踏まえた難易度を紹介します。
目次
薬剤師の年齢別就業・収入状況
・年齢別就業状況
厚生労働省のハローワーク求人統計データによると、薬剤師の令和5年度の有効求人倍率は3.41倍となっており、薬剤師は今もなお人手不足の傾向です。それもあり、薬剤師の転職には年齢制限はありません。
令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、薬局・医療施設での薬剤師の年齢別就業状況は以下のとおりです。
29歳以下 | 13.5% |
30〜39歳 | 26.3% |
40〜49歳 | 22.8% |
50~59歳 | 19.1% |
60~69歳 | 13.2% |
70歳以上 | 5.1% |
上記の表から、70歳以上の方も活躍していることがわかります。
・収入状況
令和6年賃金構造基本統計調査によると、正社員を中心としたフルタイム勤務の薬剤師の平均年収は約599万円となっています。年齢別の平均年収は以下のとおりです。
20〜24歳 | 399万円 |
25〜29歳 | 501万円 |
30〜34歳 | 564万円 |
35〜39歳 | 614万円 |
40〜44歳 | 646万円 |
45〜49歳 | 667万円 |
50〜54歳 | 744万円 |
55〜59歳 | 709万円 |
60〜64歳 | 685万円 |
65〜69歳 | 559万円 |
70歳以上 | 499万円 |
59歳までは順調に増えていきますが、60歳からは少しずつ減っていくことがわかります。
転職の難易度は年齢や就業先によって変わる
薬剤師の転職は、一般的に「年齢が上がるのに応じて難易度が高くなる」といわれています。ここからは年齢や就業先による実際の転職難易度についてみていきましょう。
・年齢による難易度
<20代>
20代は柔軟性が高く、実務経験やスキルが十分でなくても、将来性や成長の余地を評価されやすい傾向です。30代以降になるとポテンシャル採用枠が狭まり、即戦力としての実績が求められる傾向が強くなるため、異業種や異職種への転身を希望しているなら、早い段階で行動を起こすようにしましょう。
<30代>
30代も比較的転職しやすく、特に同じ業種内での転職する場合、経験やスキルを活かして年収アップが狙えます。即戦力としての期待値が高く40代ほど高い年収を求めない傾向があるため、企業側からも評価されやすいのです。一方で、未経験分野への転職を考えている場合は、30代前半までに動き出すのが理想です。30代後半からは今までの仕事で培った経験を活かせる職場を選ぶほうがよいでしょう。
<40代>
40代になると未経験分野への転職のハードルが上がります。調剤薬局から病院勤務へといった職種の切り替えは、実務経験や専門性の違いから難しくなります。若手人材と競うことになるため、40代は「採用される可能性が高い求人かどうか」も重要になります。
<50代>
50代での転職は、年収が下がる可能性が高まります。定年までの期間が限られており、企業側が積極的に採用するケースが少ないからです。採用されたとしても今までのキャリアや昇給実績に比べ、年収が大きく下がることも珍しくありません。転職活動前に、転職するほどの理由があるかを見極めるようにしましょう。
<60代以上>
定年を迎えた後も現場で働けるのが薬剤師の強みです。とはいえ、高年齢の人材を積極的に採用する職場は限られており、正社員としての再就職は難しい傾向があります。そのため、パートやアルバイトといった柔軟な雇用形態を視野に入れることが必要です。
・就業先による難易度
<調剤薬局>
大手チェーン薬局は人気が高く競争率も上がりがちですが、中小薬局は年齢を問わず転職しやすい環境が整っています。また、地方では慢性的な人手不足が続いており、年齢不問の求人も多く見られます。
ただし、ほとんどの場合、調剤経験があることが前提になります。OTC販売のみのドラッグストアから調剤薬局への転職をする場合、調剤未経験OKの求人を探さなければなりません。未経験からの転職をめざす場合、将来性を見込んでもらえる若いうちに行動を起こしましょう。一方で調剤経験があると、年齢に関係なく地方や中小規模の薬局に採用される可能性が高まります。
<ドラッグストア>
ドラッグストアは転職しやすい職場といえます。多くのドラッグストアは慢性的な人材不足で薬剤師の確保が急務となっており、年齢や経験を問わず急募しているケースもあるようです。調剤併設型・OTC専門型を問わず、20代から50代、さらには定年後に再雇用されることも少なくありません。40代以上の薬剤師が活躍していることも多く、年齢が高くても内定を得られやすいといえるでしょう。
ただし、店舗形態によって業務内容は異なります。OTC販売が中心の店舗では接客や商品管理がメインとなり、調剤併設型では調剤業務や服薬指導に携わります。
<病院>
病院への転職は年齢が若いほど有利です。病院は専門性の高い業務が多く、幅広い知識とスキルが必要です。そのため、将来性や成長の余地がある若手人材を積極的に採用することが多いようです。ただし、病院の規模や診療科目にこだわらなければ、年齢が高めでも採用される可能性はあります。
<企業>
製薬メーカーなど企業への転職難易度は非常に高いでしょう。多くの企業が新卒採用を中心に人材を確保しているため、中途採用が少ないためです。30代以上での未経験の転職はかなり厳しいでしょう。
中途採用は即戦力を求めるものであり、一定の実務経験や専門スキルがあることが前提となっています。未経験から企業職へ転身するのは容易ではないため、慎重な準備と情報収集が欠かせません。
転職活動では自分の強みを明確にしていくことが大切
40代以降で未経験の分野に転職するのは難易度が高くなるため、今までのキャリアを活かせる職場を選ぶのが成功の鍵です。同じ職種での転職であれば、即戦力として評価されやすく、年齢が高くても採用される可能性は高まります。年齢にとらわれず、実務経験を武器にできる環境を選ぶことで、転職活動をよりスムーズに進められるでしょう。
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