転職ノウハウ

薬剤師の転職活動を成功させるポイントや転職活動の流れを解説。応募書類の書き方や面接対策など、アプロ・ドットコム(IQVIAグループ)が培ってきたノウハウもご紹介して、薬剤師のみなさまの疑問や不安を解消いたします。

面接の心得

面接は、自分が応募先の企業や病院で「薬剤師としてできること」をアピールする場であると同時に、職場との相性を確認できる貴重な機会でもあります。面接に臨む際には事前準備をしっかり整えておきましょう。人間性や立ち振る舞いも重視されるため、ビジネスマナーも大切です。

ここでは、より効果的に自分の魅力を伝えらえるよう、面接の流れとビジネスマナー、薬剤師の面接におけるポイントを解説します。

面接の流れ

①入室・挨拶

面接で最も重要なのは、第一印象です。第一印象は約6秒で決まると言われています。まずは第一印象で面接官によいイメージを持ってもらえるように、清潔感のある身だしなみに整えることが大切です。

身だしなみと挨拶のポイントを、以下にまとめました。

◆服装

スーツが基本です。カラーは黒・ネイビー・グレー系など、暗めの色合いを選びます。靴は、男性は本革で紐付き、黒かこげ茶のものを、女性は黒もしくは落ち着いた色のパンプスを選びます。また、女性は靴下ではなくストッキングを着用しましょう。

◆髪型

清潔感がある髪型にセットします。明るすぎるカラーは控え、寝ぐせには注意しましょう。男女ともに耳を出し、眉毛が見えるようにセットします。女性で髪が長い場合は、後ろで1つに結ぶか、ハーフアップにまとめます。

◆表情

薬剤師は患者さんやお客さんと関わる仕事なので、さわやかな笑顔が好まれます。マスクを着けていても目元に表情が表れるため、笑顔を忘れないことが大切です。

◆入室してすぐの挨拶

「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」と、面接官に挨拶の言葉を発してから、お辞儀をします。この「語先後礼」は挨拶の基本です。また、首だけを曲げて、会釈のようなお辞儀をするのはNG。腰から45度程度曲げて、深いお辞儀をしましょう。挨拶のあと、面接官に着席を促されたら、浅くお辞儀をして椅子に座ります。

②自己紹介(導入)

入室後は、自己紹介から面接がスタートします。名前と現職の情報を、実績を交えて端的に伝えましょう。自己紹介は導入部分なので、1分で簡潔に伝えるように意識してください。

応募先の企業や病院で役立つスキルを自己紹介に織り込むと、面接官に興味を持ってもらえます。ハキハキと明るく、面接官の目を見て話しましょう。

自己紹介の内容を暗記しておくに越したことはありませんが、緊張して頭が真っ白になる人もいるでしょう。応募書類のコピーを持参して、鞄の取り出しやすい位置に入れておくと、お守り代わりになりますよ。

③転職理由・志望動機

転職理由はポジティブな内容にまとめることを心がけましょう。「チーム医療に挑戦したいから」「育児中でも長く働ける企業風土に魅力を感じたから」など、応募先の企業だからこそできることを伝えます。

人間関係を退職の理由にすると、「うちに入社しても人間関係が原因ですぐに辞めるのでは」と思われる可能性があります。「残業が多い」「業務量が多い」なども含めて、現職(前職)に対する不満を伝えるのは控えましょう。

志望動機では、応募先の企業・病院で働きたい理由を述べます。ほかの競合他社や病院ではなく、なぜその応募先を選んだのか、明確な理由を伝えられると好印象です。

面接を受ける企業や病院については事前に分析し、理念や方針に沿った志望動機を考えましょう。職場見学や下見を行い、現場の雰囲気を体感しておくと、志望動機がよりリアルなものになります。

④自己PR

自己PRでは、自分ができること・期待に応えられることを、自信をもって伝えます。ただ自分のアピールポイントを述べるのではなく、応募先の企業や病院で「自分のスキルや経験がどのように役立つか」という結びつきに着目することがポイントです。

資格や実績がある場合は積極的に伝えられますね。でも、中には自己PRが思い浮かばないという人もいるでしょう。その場合は、薬剤師に必要なコミュニケーション能力や学習意欲・責任感などをアピールするのがオススメです。エピソードを盛り込みつつ、面接官に「頑張ってくれるだろう」と思ってもらえるように工夫してくださいね。

自己PRは伝える順番も大事です。「アピールポイント→根拠・エピソード→転職後の活かし方」の順で話すと、伝わりやすくなります。

⑤条件確認・逆質問

面接では入社後の条件を確認できる時間もあります。ただ、転職エージェントやコンサルタント経由で応募した場合は、事前に決めていた条件を変えることは好ましくありません。

また、給料について聞くと、悪い印象を与えてしまう可能性もあります。希望年収は転職エージェントに伝えて、事前に条件を理解したうえで面接に臨みましょう。

面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。この逆質問は、コミュニケーション能力や入社意欲をアピールできる時間です。スキルアップやキャリアアップなど、企業に対する好意的な質問を2~3個用意しておきましょう。

⑥退室

退室の際は、椅子に座ったままお礼を伝えたあと、立ち上がって再度お辞儀をします。ドアの前まで移動したら面接官に向かって一礼し、ゆっくりドアを開閉して退室しましょう。

最後まで気を抜かずに、お礼とお辞儀でしっかりと感謝の意を伝えることが大切です。

薬剤師の面接における好感度アップのポイント

薬剤師のスキルは応募先によって求められる内容が異なるものの、礼儀やビジネスマナーはどの職場でも必要です。徹底して押さえておきましょう。また、薬剤師は多くの人と関わりますので、協調性や柔軟性もアピールすると好印象です。

以下に、薬剤師としてのアピールポイントを、応募先ごとにまとめます。

◆調剤薬局、ドラッグストア

患者さん・お客さんと良好な関係を築くためのコミュニケーション能力や、ホスピタリティ精神がある人は、高く評価されます。明るくテキパキとしたイメージで臨みましょう。

◆病院

チーム医療の一員として働くので、責任感や協調性が求められます。臨機応変に対応できて、勉強熱心な人が好まれるでしょう。

◆企業(製薬会社、化粧品メーカーなど

向上心とコミュニケーション能力が評価されます。「なぜ、この企業を選んだか」という志望動機も重視されるので、企業分析は時間をかけて行いましょう。

まとめ:薬剤師の面接成功のポイント

面接は流れを理解し、ビジネスマナーを身につけて臨みましょう。お辞儀の仕方や身だしなみなども、しっかりチェックしてくださいね。

自己紹介や自己PRは、自分のスキルや経験を、応募先が求める薬剤師像に重ねながらアピールできると好印象です。薬剤師に必要なコミュニケーション能力や協調性・柔軟性も、あわせて伝えられるとよいですね。

面接では最初から最後まで、笑顔と感謝の気持ちを忘れないようにしてください。効果的な志望動機・自己PRを伝えるためには、面接を受ける企業や病院について事前に情報を集め、企業分析を行うことも大切です。