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薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。

薬剤師のライフスタイル

2024.04.02

パート薬剤師のための「身の丈で考える職場と求人選び」

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パート薬剤師として働き始めた後、続けられなくなってしまうのはもったいないことです。長く安定して働くためには、自分のなかで優先順位をつけ、身の丈に合った職場や求人を選ぶことが大切です。

ここでは最新の求人動向も踏まえて、パート薬剤師が求人を選ぶ際に確認すべきポイントを紹介します。

薬剤師の有効求人倍率は回復傾向

厚生労働省の「一般職業紹介状況」を基に、医師・薬剤師の有効求人倍率の流れを追ってみましょう。

2018年の有効求人倍率は5.84倍でした。有効求人倍率は有効求人数を有効求職者数で割って算出されます。つまり5.84倍というのは薬剤師1人に対し5つ以上の求人があるという意味です。薬剤師の資格さえあれば、職場を自由に選ぶことができる時代でした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により受診控えが起こり、処方箋枚数は大幅に減少。薬剤師の仕事も減少したほか、多くの薬局が経営難に陥り、薬剤師の新規採用を控える動きが加速しました。その結果、2021年10月には1.89倍にまで落ち込みました。

コロナ禍が落ち着いた2023年6月には2.98倍にまで回復。2023年12月には2.43倍と有効求人倍率は落ち着きを見せ始めています。ただし、コロナ禍前のような高倍率には届かない見込みです。

一方、2023年12月時点で全職種の平均有効求人倍率は1.37倍。他職種と比較すればひとりに対し2つ以上の求人がある薬剤師はまだ売り手市場であり、職場を選んで転職できる状況といえます。

パート薬剤師に求められるもの

正社員、派遣とさまざまな働き方が選べる薬剤師ですが、パート薬剤師に求められるものとは何でしょうか。

調剤薬局では混雑する時間帯や曜日だけ薬剤師数を増やしたい、正社員の薬剤師の休みを確保するために週2~3日だけ働ける人が欲しいといったニーズがあります。

ドラッグストアの場合、薬剤師がいないとOTCの要指導医薬品や第一類医薬品の販売ができません。スタッフの入れ替わりの時間、休憩時間の数時間だけでも働いてほしいなど、短時間の求人も多く見られます。

正社員同等の仕事を行うことが多いですが、どちらかというと、パート薬剤師はサポート的なポジションを期待されています。

パートで働くメリット

週5日、1日8時間という正社員同等の時間で働くフルタイムの求人もあるものの、週数日、1日数時間というのがパートの求人では一般的です。ライフスタイルに合わせて勤務日数・時間を調整できることがパート薬剤師の最大のメリットといえるでしょう。基本的に転勤・店舗の異動・残業はなく、希望の店舗で長期的に働くことが可能です。家庭や育児、介護やプライベートなど、ワークライフバランスを重視したい方におすすめの働き方です。

派遣同様、パートも非正規雇用に分類されますが、長期間働ける職場も多く、派遣薬剤師のように契約満了後に仕事が見つからない不安は少なくなります。また、派遣は短期契約が多いため、投薬などに業務が偏りがちです。将来的にフルタイムで働きたいと考えた場合に、選択肢が狭まってしまうことがあります。

しかし、パートなら正社員同様の仕事も経験できます。契約期間が決まっていないため、丁寧に教えてもらえることも多く、ブランク後の復職先としてパートを選ぶ人も多くいます。いずれは正社員で働きたいと考えている人にも、パートはひとつの選択肢になろえます。

ただし時給は派遣より低い求人が多く、正社員のように昇給やボーナスは期待できません。給与についてはデメリットもありますが、「収入よりもワークライフバランスを重視したい」「安定的に長く働きたい」という人はパートが向いているといえるでしょう。

パート薬剤師がチェックしておくべき4つのポイント

安定して長く働くためには、仕事・求人選びが重要です。失敗しないように、4つのポイントを必ずチェックしてください。

・扶養内、午前中のみなど必須条件をクリアできるか

扶養内で働きたい、午前中のみ、土日の勤務はNGなど、職場に求める最優先事項は人によって異なります。求人を選ぶ前に、自分にとって必須条件は何なのかを考えておきましょう。

求人には働く時間、日数が記載されています。たとえば、「週2、3日 土曜勤務可能な方」と記載されている場合、土曜の勤務は絶対にNGという人は採用を見送られる可能性が高くなります。

「~19:30まで勤務可能な方」という記載があった場合、午前中のみで働けることもありますが、同スキル・同経験値で夕方まで働ける応募者がいたら、夕方まで働ける人が優先されるかもしれません。

なお、「曜日・時間は応相談」は求人票からはわかりません。応募前に店舗に問い合わせるか、面接の際に希望を伝えましょう。

必須条件を考える際に、どこまで条件を緩められるかまで考えておくと、職場選びがスムーズに進みます。とはいえ、希望に合った仕事が見つからないからといって、必須条件を満たしていない職場を選ぶのはおすすめしません。続けられなくなる可能性が高く、再び就職・転職活動をする必要に迫られるためです。

扶養内で働きたい場合、事前に年収をシミュレーションしておきましょう。薬剤師の時給は一般的なパートの時給よりも高いため、すぐに扶養を超えてしまう可能性があります。

ただし扶養の範囲を超えて働くと、将来のキャリアアップにつながったり、受け取れる年金額が増えたり、自身がケガや病気で休職する際に傷病手当金が受け取れたりといったメリットもあります。それぞれのメリット・デメリットを考えて、自分にとって最適な方を選ぶことが大切です。

・無理めな処方箋枚数や仕事ボリュームになっていないか

厚生労働省の省令により、薬剤師が扱う処方箋の枚数は1日に40枚までと定められています。求人によっては、薬局・ドラッグストア内で1日に扱う処方箋枚数の平均や、ひとりあたりに換算した処方箋枚数が記載されていることがあります。忙しい職場を避けたいという人は、処方箋枚数が多すぎない求人を選ぶと良いでしょう。

ただ、一人当たりの処方箋が多いから忙しい、大変とは限りません。枚数が多くても、処方箋の科目や患者様の緊急度によって負担は変わってきます。

点眼薬や軟膏の処方が多い眼科や皮膚科は、比較的負担が軽いといえるでしょう。一方、急性期病院の門前薬局では、患者様に処方される薬の種類や量が多く、一包化をする機会も多いため、負担が大きいといえます。

また、薬剤師によって科目に得意・不得意もあります。毎年、新薬が出たり、薬の規格が変わったりするため、ベテランの薬剤師でも最新情報についていくには勉強が必要です。特に、ブランクから復帰する薬剤師の場合、経験のある科目や興味のある科目の方が、スムーズに覚えられるでしょう。

ドラッグストアの求人では、一人当たりの処方箋枚数が比較的少ないことがあります。この場合、調剤業務以外にもOTCの要指導医薬品の販売、ドラッグストア内の品出し、レジ業務を行う可能性があるため注意が必要です。

求人には応需科目が記載されています。勤務条件だけでなく、応需科目、門前薬局なのか、マンツーマン薬局なのか、ドラッグストアなら品出しなど薬剤師としての業務以外も対応するのかを確認しておきましょう。

・仕事や勤務時間に関するオーダーが多いか

求人票に記載されていた日程や仕事内容に納得して入社したとしても、入社後に「働く日数や時間を増やしてほしい」といわれることがあります。面接時に薬局の人数体制やシフト状況を質問しておくと良いでしょう。

薬剤師が少ない薬局で働くとなると、急な休みが必要になっても取得しにくかったり、シフト外の勤務を打診されたりすることがあります。近隣に複数店舗を展開しているチェーン店では、人手不足の場合に他店からヘルプに来てもらえる可能性があります。働く日数や時間を増やしたくないという人は、多拠点・多店舗のドラッグストアに目を向けるのもいいでしょう。

・自分と同じような働き方の薬剤師がいるか?

既に子育てをしながら働いている薬剤師がいる職場なら、子育てに理解がある可能性が高まります。お互い様の精神が強く、学校行事などのイベントの参加、子どもの病気による急な遅刻や休みにも臨機応変に対応してもらえるでしょう。

最新の転職トピックスをチェック

「今の職場に不満がある」「年収を上げたい」「薬剤師として多様な経験を積みたい」など、転職を希望する理由は人それぞれです。ママ薬剤師のなかには、子育てがひと段落したら正社員として働きたいと考えている人もいるかもしれません。

以前ほどの売り手市場ではありませんが、他職種と比べれば転職しやすい薬剤師。最新の転職トピックスを押さえ、転職を有利に進めましょう。

・高齢化・医療の進化に伴い、ニーズが拡大

高齢化が進んだことにより薬剤師のニーズも高まっています。年を重ねると医療機関を受診する機会が増えるため、薬を処方される回数も増えます。同時に医療・医薬品の進化に伴い、薬剤師の専門性が高く評価されています。

また、国が在宅医療を進めていることもあり、薬剤師も医療チームの一員として地域医療に貢献する機会が増えています。薬局やドラッグストア内で患者様に薬を処方するだけでなく、地域に出ていくことがこれからの薬剤師には求められます。

在宅医療では患者様やそのご家族に薬の管理、薬剤情報の提供など積極的にコミュニケーション機会が増えます。今まで以上に高いコミュニケーション力が求められるようになると言えるでしょう。

労働環境の改善が進む

1974年に女性薬剤師数が男性薬剤師を上回りました。国に届出をしている薬剤師数は323,690人(2022年)。男女別にみると、男性が124,183人(38.4%)、女性が199,507人(61.6%)と女性の比率が多い状況が続いています。

女性薬剤師が増えることで、育児をしながらでも働きやすい短時間勤務、休暇制度の充実などが進みました。福利厚生が改善された結果、性別・年齢を問わず働きやすい環境が整ってきています。

・地域差が大きい

都市部では薬剤師が充足傾向にありますが、都市部以外では不足気味です。薬局・医療施設に従事する人口10万対薬剤師数は全国では202.6人であるものの、最も少ない沖縄県は149.4人。薬剤師が不足している地域では、薬剤師確保のため高年収・高時給求人が多くなっています。居住地にこだわりがなく、高い収入を手に入れたいという人は地方の求人が狙い目です。

・調剤薬局・ドラッグストアでの求人が多い

2022年12月時点で、薬局で働いている薬剤師は190,735人であり、薬剤師全体の58.9%を占めます。一方、医療施設で働いている薬剤師は62,463人と全体の19.3%です。薬局で働く薬剤師数は年々増えており、1982年には4万人程度だったため、20年で5倍弱、増加していることがわかります。

求人数は病院よりも調剤薬局・ドラッグストアが多い傾向があります。特にドラッグストアは調剤の必要がないOTCメインの求人も増加しています。調剤の経験が浅い、苦手という方は狙い目です。ただ、ドラッグストアではレジやお客様対応、商品の品出しといった医療関係とは異なる仕事をこなす必要がある点に注意しましょう。

・知識のアップデートは必須

薬剤師が関連する法律や制度は日々新しくなっています。パート、派遣、正社員といった働き方に関係なく、日ごろのアップデートは必須です。特にブランクがある場合、慣れない科目が多い薬局に転職する場合は、厚生労働省のホームページで最新情報を必ずチェックしましょう。

特に今までと作用機序が違う新薬は、患者様に何が異なるのか説明する必要があります。しっかり理解しておきましょう。

・オンライン服薬指導が増える

コロナ禍でオンラインでの診療・服薬指導に抵抗がない人が増えました。今後、さらに加速することが見込まれており、薬剤師としての働き方が大きく変わる可能性があります。関連する法律、動向などを注視しておきましょう。

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