つらい体験を快適にする方法 - アプロちゃんねる

つらい体験を快適にする方法

『現場薬剤師のための課外授業』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 つらい体験を快適にする方法
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
a0002_004142.jpg

無料メールマガジンのご登録はコチラ↓からどうぞ

http://www.apuro.com/magazine/



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
 
 質問:※お盆にこんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?

  Aさんは、帰省からの帰り道に渋滞に巻き込まれた。
  明日からは仕事だし、早く帰って家で寝たい。
  カーナビの予想では、渋滞を抜けるまで2時間かかりそうだ。
  
  予想通り、最初の90分はノロノロと動いていたが、
  途中からだんだんスピードが出せ、
  最後の30分はスムーズに走った。
  
  同じくBさんも、帰省からの帰り道に渋滞に巻き込まれた。
  Bさんも明日からは仕事だし、早く帰って家で寝たい。
  Aさんとは違うルートだが、渋滞を抜けるまで2時間かかりそうだ。

  はじめの90分はスムーズに走っていたのだが、
  途中からだんだんスピードが落ち、
  最後の30分は人の歩くスピード以下になってしまった。
   
  さて、AさんBさん二人のうち、
  家に着いた時に、どちらがよりイライラしていると思いますか?
 
 a0002_002424.jpg
  
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
 
  
■結腸鏡検査の実験(ドナルド・リーデルメイヤー,トロント大学医学部)
 
 リーデルメイヤーとカーネマン(ノーベル経済学賞受賞)は、
 患者の記憶と苦しい検査との関係を調べるため、
 682人の結腸鏡検査を受ける患者さんを2つのグループに分けました。

 グループ①:
  通常の結腸鏡検査を受ける
 
 グループ②:
  通常の結腸鏡検査を受けた後、
  結腸鏡の先端を直腸に何分かだけ残しておく

 その後、両グループに「検査の苦痛」について評価をしてもらいました。
 hikaku.jpg
 
 ここでのポイントは・・・
 グループ②に付け加えた数分間は、
 「最後の数分の不快感は、検査自体の不快感に比べて小さい」
 ということです。

 グループ②には検査をする上で「不必要なもの」を付け加えたわけです。
 ですから、「苦痛の絶対量」という呼び方をするのであれば、
 明らかに、グループ②の方がグループ①より苦痛の絶対量は大きいわけです。
 (あなただって、これから結腸鏡検査を受けるのであれば、
  絶対にグループ①の検査内容を選ぶでしょう?) 

 しかし、この実験の結果はどうなったでしょうか?
 
 
   
■驚くべき実験結果
 
 上記の実験の結果、
 以下のような面白い結果が分かりました。
 
 ・「検査の苦痛」について、
  グループ②の方が【約10%】苦痛の感じ方が低かった。
 
 そしてさらに驚くべきは、
 「その後5年間、定期的に同検査を受けにきた人の割合」です。
 
 ・グループ①:再検査受診率 32%
 ・グループ②:再検査受診率 43%
 
 ⇒「苦痛の絶対量」が多い方が、苦痛を感じない
  というなんともジレンマを抱えるような結果が出たのです! 
 
 
■ピーク・エンドの法則
 
 カーネマンは1999年に上記のような実験結果を、
 「ピーク・エンドの法則」として説明しました。
 
 「あらゆる経験の快苦は、
  ほぼ完全に、ピーク時と終了時の快苦の程度で決まる」
 
 経験の記憶は主観によって変えられ、
 その経験のピーク時と最後あたりの記憶が、
 その経験が楽しかった・苦しかった などのすべてを決定してしまう、
 という内容です。
 
 さて、
 冒頭の質問でも、「Bさんのほうがイライラしそう」と思いましたよね? 
 
 a0002_010315.jpg 
  
 
■仕事にどう活かすか?
 
 薬局において「かかりつけの患者さんの増加」というねらいや、
 「患者さんに満足してもらえる接遇」というテーマは、
 さまざまな職場に共通していると思います。
 
 じゃあ、どうやってかかりつけになってもらうのか?
 じゃあ、患者さんに満足してもらえる接遇って何するの?
 
 という部分で、このピーク・エンドの法則が活用できます。
 
 患者さんに、
 「職場(もしくはあなたに)良い印象を持ってもらおう」とするならば、
 
 ・ピークを大きくする
 ・エンドを良いものにする
 
 の2点を心がけると良いでしょう。

 ※ピークの部分に関しては、今後ご紹介していきますので、
  今回はエンドの部分をご説明しますね。
 
 エンドの部分はとってもカンタン!
 
 患者さんが薬局を後にする際、
 喜んでもらえるようなちょっとしたサービスを付け加えるだけで良いのです。
 
 例えば、出口の自動ドアまで行ってドアを開けて、お見送りをする
 例えば、アメなどちょっとしたプレゼントを投薬の終わりに手渡しする
 例えば、この時期の突然の雷雨などの際「傘はお持ちですか?」と声をかける
     (お持ちでなければ、お貸しする)  などなど
  a0990_000595.jpg
 
 いわゆる「サービス」を最後に集中的に投下することが、
 結果として非常に効果的です。
 
 
■プライベートではどうしましょう?
 
 ・・・え?「プライベートにはどう使えるか?」って?
 
 意中の相手とデートしたのに、イマイチ盛り上がらなかった時、
 その帰り際に「今日は、すっごく楽しかった!ありがとう」と、
 最高の笑顔で言ってください。
 
 相手にとってその日の記憶が【楽しかった日】になるのに役立つハズです(笑)
 
 このピークエンド効果はメールなどの「文字」にも効果がありそうです。
 a0001_004014.jpg
 
 アダム・グラントの実験によると・・・
 
 ある実験に参加してくれた被験者を2つのグループに分け、
 再び実験への参加をお願いするメールを送りました。
 (実はこのメールがホントの実験!)
 
 一つのグループには、用件だけ。
 もう一つのグループには、用件と最後に「今回参加してくれてありがとう」
 と書き添えました。
 
 その結果・・・
 
 最後に「ありがとう」と添えたグループは、
 実験の参加率が2倍以上になったそうです!
 
 a0002_006496.jpg
  
 もう一度デートにお誘いしたい相手ならば、
 メールの最後に「ありがとう」と書くのを忘れずに(笑)
 
 

無料メールマガジンのご登録はコチラ↓からどうぞ

http://www.apuro.com/magazine/