コンプライアンスが低いのはあなたのせい? - アプロちゃんねる

コンプライアンスが低いのはあなたのせい?

 『現場薬剤師のための課外授業』
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 コンプライアンスが低いのはあなたのせい? 
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 テスト:
 
 今から10秒間で、
 次の28文字の文字列をできるだけ覚えてください。

 
     AJFKFBINASAJAL

     BNBAFIFAIOCBRA

  
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■人間は一度にどれぐらい覚えられるのか?
 

 「人が一度に記憶できるのは、7+-2」

 つまり、人が一度に記憶できるのは5~9個だ、と。

 ・・・これはジョージ・A・ミラーが20世紀半ばに唱えた説で、
 一時期はこれが定説とも言われてました。

 (もしかしたら、未だに「7+-2」なんていう人がいるかもしれません)
 
 しかし、この説に対して、
 バッドリー/ネルソン・コーワンなどが
 人間の記憶と情報処理に関する数多くの実験を行い、
 最新の研究の結果を出しました。
 
 
 ・・・さて、人間が一度に覚えられる数はいくつだと思いますか?
 
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■あなたが身をもって知っている「一度に覚えられる数」
 
 さぁ、いくつか分かりましたか?
 
 分からない?
 
 実は、あなたはほぼ毎日、この「一度に覚えられる数」に従って、
 あるものを記憶しているはずなのです。
 
 そのあるものとは・・・【電話番号】

 電話番号を10ケタ並べてそのまま記憶する、なんてことをしていないハズです。

 0362725550ではなく、03-6272-5550と分けて記憶しようとしていますよね。
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 ※ちなみに、電話番号が4つ以下で区切るのは世界共通なんですって!
  
 そう!
 「一度に覚えられる数」は、最新の研究では【4】なのです!
 
 
■冒頭のテストも・・・

 さて、冒頭のテストですが、あなたは一体いくつ覚えられましたか?
 
 ※まだやってないあなたは、ぜひトライしてみてください。
 
 覚えられたのは、5個?10個?15個?
 たった10秒で、この文字の羅列を20個も覚えられたらスゴイです。
 
 けど、冒頭の文字列を以下のようにしてみたらどうでしょうか?
 (逆に「20個以上覚えられた」というあなたは、
  すでに以下のような処理をしていたかもしれませんね)
 
 
 この文字列を・・・ 
 
  AJFKFBINASAJAL
  BNBAFIFAIOCBRA
 
  
 ↓↓↓↓↓こう分割すると・・・↓↓↓↓↓↓↓
 
 
  A / JFK / FBI / NASA / JAL

  B / NBA / FIFA / IOC / BRA
 
 
 ・・・あら不思議!
 分けてみると、カンタンに覚えられますね!
 
 不思議なもので、「分ける」と「分かる」は同じ漢字を使います。
 分解・理解など、「解く」は分けることを基本としています。
 
 どうやら、我々の「理解」の基本は、分割することにあるようです。
 
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■「サルでもできる」情報を覚える魔法 
 
 情報を分け、一つのまとまりにすることを、
 「チャンキング」と呼びます。
 
 相手に情報を伝えるときに、このチャンキングを活用すると、
 相手は非常に思い出しやすくなるのです。
 ※先ほどの文字列で、十分に体験していただきましたよね?
 
 このチャンキングの際、
 1つのグループに入れる情報の数を4つ以下にするのです。
 ・・・すると、相手はさらに思い出しやすくなるのです。
 
 実は・・・この話、サルでも実証されています!
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 比較認知学の川合伸幸氏らの研究によれば、
 チンパンジーを訓練して、記憶テストを行ったところ・・・
 
 4つの数字を覚えるテストの正解率は じつに95%
 
 それに対して、
 5つの数字になると、テストの正解率が65%に低下したそうです! 
 
 「お猿さんでも4つなら覚えられる!」
 ・・・そう考えておけば、
 情報を4つ以下にする意味を理解していただけると思います。
 
 
  
■どう仕事に活かすのか?
 
 コンプライアンスが低い患者さんの特徴の一つに、
 「薬の量が多い」ということが挙げられますよね。
 
 そして、「多くて(飲むのが)面倒くさくなった」という話もよく聞きます。
 
 しかし、そこには1つのステップが省略されている可能性があります。

 多くて【→覚えられなくて】→(飲むのが)面倒くさくなった
 ということです。
  
 
  「自分の服薬指導が、相手に記憶されているか?」を意識しましょう。
 
 そして、覚えてもらうには、
 ここまで見てきた「チャンキング」が非常に有効です。
 
 例えば、よくある朝・昼・夕に分けるのも、チャンキングの一種です。
 これは、ほとんどの場合「一包化」としてやっていますよね?
 
 一包化をしない場合なら、
 「一日3回飲む薬はこのグループ。一日1回飲む薬は・・・」
 というチャンキングも有効です。
 
 さらに、一包化した場合でも、
 「うっかり飲み忘れた」という場合に対して、
 情報をチャンキングしていますか?
 
 例)
 この一覧に、飲み忘れに気付いた時に服用する薬は「A」のサインを、
 次回の服用時点までスキップする薬は「B」のサインを入れておきますね。
 
 ・・・といった形で、
 「情報は4つ以下のかたまりにチャンキング」して伝えることで、
 相手の理解に絶大な効果を発揮します。
 
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 また、同僚に情報を伝達する時(例えば患者さん情報の引き継ぎなど)、
 口頭でも、メモ書きでも、
 伝えるトピックスを4つ以下にすることで相手の理解度は大きく変化しますよ?
 
 ちょっとした工夫で、
 相手に「分かりやすい」とか「説明が上手」と思ってもらえる
 テクニックなので、ぜひ活用してみてください。
 
 
 
このように、人の記憶は複雑でかつ不確かですから、
その「記憶」とどのように付き合っていくか?は非常に重要ですね。
次回も、人間の「記憶」について、興味深い傾向をピックアップします。
 
 

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